1着エイシンデピュティ(2002.4.9)。鮮やかだった金鯱賞(GII)勝ちの勢いそのままに、満6歳馬の逃げ切り勝ち。テン乗りとなる内田博幸騎手の積極的な騎乗により、エイシンデピュティは見事にGI初制覇となりました。前に行くものがレースを支配する。鞍下の気持ちに合わせた、テン乗りとは思えない冴えた騎乗、サスガでした。
そんな内田騎手の好騎乗を持って、管理される野元昭調教師は1991年のリンデンリリー(1988.3.16)のエリザベス女王杯(現JpnI)以来17年ぶり、平井豊光オーナーは国内GIではエイシンチャンプ(2000.3.23)による2002年の朝日杯FS(現JpnI)以来6年ぶり、栄進牧場産馬としては1990年のエイシンサニー(1987.3.29)のオークス以来18年ぶりとなるジーワン制覇となりました。そして、内田騎手は昨年のピンクカメオ(2004.4.24)によるNHKマイルカップ(JpnI)以来、JRA所属騎手となってからは初のGI制覇となりました。皆様、おめでとうございました。
エイシンデピュティの今年に入ってからの充実ぶりには目を見張るものがあります。秋もまた主役の1頭としてガンバって欲しいものです。
2着メイショウサムソン(2003.3.7)。Lyphard(1969.5.10)系を4代血統構成に持ち、母が前年産駒無し後の仔というデータ。サムソンが頑張ったおかげで前者は4年連続、後者は9年連続と連対成績が延伸しました。
けれど、果たして、メイショウサムソンはもっと前に行けなかったのでしょうか?アサクサキングス(2004.3.23)ぐらいの位置にいて、もっと早めに、前を行く馬をつぶしにかかる競馬ができなかったのでしょうか?武豊騎手はエイシンデピュティのことを「恐がりな馬」と、武豊TVでおっしゃっていましたけれど、ひるませるような騎乗ができなかったのでしょうか?
武豊騎手の恐ろしいまでのヘッドワークは今までの数々のレースで見て取れます。そんな彼ですら「SS産駒症候群」から脱却するのに時間が掛かっているように見受けました。かつて、父君である武邦彦調教師が「今のユタカはレースを後ろから進めすぎではないか(大意)」と提言をされていたように思います。けれど、それはSS産駒の驚異的な瞬発力という特性に合わせた騎乗で大レースを制してきたのですから、致し方ないのでしょう。
彼ほどの天才をして、その身体に染み付いたものを取り払うのは容易ではない。今日の宝塚記念で、改めてそう思いました。
#あるいは腰の具合が思わしくないのでしょうか、ね……。いや、サムソンがズブくなっているのか……。
3着インティライミ(2002.4.6)。前走からマイナス10kgの仕上げ、464kgでの出走。父スペシャルウィーク(1995.5.2)とも共通していえることは「馬体細化している(ように見える)時に好走する」ということでしょうか。常に蹄の具合が気になる馬ですけれど、雨の中よく頑張りました。また、パトロールビデオを見ると、直線でアサクサキングスにかなり寄られていましたね。ひるまずによく突っ込んだものです。エライ。でも、やはり本当はお日様の下で走りたかったのではないでしょうか。「太陽の祭り」だけにね。
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前哨戦の勝ち馬と天皇賞・春(GI)の最先着馬が1、2着を占め、そして現JpnI2着馬が3着に入るという結果だった宝塚記念。結局、中島理論的には現在の飽和血脈となりつつあるSSを持たない馬が1、2着で、SSの0遺伝を持つ馬が3着でした。
私の予想傾向は「前哨戦の勝ち馬を抜かしてシルシを打つ」ということに尽きますが、もっと冷静に考えれば良かったと思うことがしきりにあります(苦笑)。まま、改めて、秋に頑張りましょう。
ではでは、今日はこのへんで。
2008/06/29 17:33追記。ロックドゥカンブ(2004.9.29)、大丈夫でしょうか。左後脚のつなぎから先の部分が気になりましたが……。
コメント
ラップだけ見れば、前後半1000mで前半のほうが1.5秒早か
ったので、後ろから行ったことはよかったとは思うんですが。。
裏を返せば、エイシンデピュティがよく粘ったわけで、これで
秋の汚名を雪げましたね。
豊ジョッキーには「屈辱」の二文字しか残らなかったような。
ここからどうやって挽回してくるのか、楽しみです。
◎ゴリ様
いつもお世話になっております。
>ラップ
論ずるには勉強不足ですので多くは述べませんけれど、
悪馬場で前後半のラップ差が大きいと、追う立場の馬が
かえってしんどくなるのではないかと思います。。。
まま、私はサムソンには天皇賞・秋で見せたような
レースが合っているように思いますので、色眼鏡で
見てしまうのでしょう(苦笑)
>エイシンデピュティ
秋は天皇賞・秋から香港カップという、いつかどこかの
エイシン勢で見たローテーションとのこと。楽しみです。
逃げ先行してしぶといですし、力が付いた今の
デピュティならば頑張ってくれそうです。
他のフレンチデピュティ産駒との兼ね合いもあり、
鞍上は引き続き内田博幸騎手になるようで、
こちらも楽しみですね。
一方は雪ぎ、一方は屈する。げに、勝負とは厳しく、難しいものですね。
ではでは、わざわざのコメント、誠にありがとうございました。