第8回ジャパンカップダート(GI)。
1着ヴァーミリアン(2002.4.10)。道中が速いなと思っていたら、2分6秒7のコースレコード勝ち。馬場中央を堂々と抜け出してきたその様は、新しいダート王への名乗りのようにも見えました。お見事。サスガに今年は川崎記念(JpnI)1着、ドバイワールドカップ(UAEGI)4着、JBCクラシック(JpnI)1着と国内外のジーワンばかりを戦って来た馬。そして、武豊騎手が騎乗してレースに出走した際には、[6-3-0-0]の成績となりました。手が合っているのか、彼が乗る時に調子が良いのか。いや、単純に、鞍下が強く、鞍上が上手いということでしょうか。
合わせて、エリザベス女王杯(GI)のダイワスカーレット(2004.5.13)、マイルCS(GI)のダイワメジャー(2001.4.8)に続いて、スカーレットインク(1971.5.5)の子孫が3週連続のGI勝ちとなりました。やはり、同一牝系馬の連動する活躍。牝系が勢いに乗っている時には逆らってはいけない。サカラート、……いや、逆らうと、ろくなことがないということですね。
いずれにせよ、強かったヴァーミリアン。年初だったか、昨年末だったか、競馬ブックのインタビューで管理されている石坂正調教師が「2007年はヴァーミリアンの年になるかも知れませんよ」とおっしゃっていたことが、現実となりました。完全に本格化した彼の、これからが楽しみですね。
2着フィールドルージュ(2002.4.27)。昨年の3着馬。このコースは合う。夏の函館戦である大沼S(OP)、マリーンS(OP)連勝で改めて強いことも分かっていましたが、結局、蹴っ飛ばす。アホとしか言いようがありませんね(苦笑)。そして、やはり、ちょっと人気落ちとなった時の横山典弘騎手は、恐ろしい。
ついで言うならば、やはりヴァーミリアンの父エルコンドルパサー(1995.3.17)、フィールドルージュの父クロコルージュ(1995.2.24)という、イスパーン賞(仏GI)2着、1着、フォア賞(仏GII)1着、3着、凱旋門賞(仏GI)2着、3着の勝負が、仔の代にも受け継がれたというところでしょうか。まま、昨年もエルコンドルパサー産駒のアロンダイト(2003.5.4)が勝利を収めていたのですが(苦笑)
3着サンライズバッカス(2002.4.30)。今年のフェブラリーS(GI)の勝ち馬。母が空胎後の仔。鞍上安藤勝己騎手。以上。
という訳で、結局、日本の5歳牡馬が掲示板を独占し-4着メイショウトウコン、5着ワイルドワンダー-、「武豊-横山典弘-安藤勝己」という鉄板の騎手ラインで決着した、第8回ジャパンカップダートの結果でした。
ところで、来年のジャパンカップダートは、何故、阪神の2000mで行われないのでしょうね(笑)
ではでは、今日はこんなところで♪
コメント
ヴァーミリアンの強さにただ脱帽。将来的にはエルコンドルパサーの父系を無事に繋げてくれと願うばかりです。
個人的には、去年の3着馬(2着)、東京得意のGⅠ馬(3着)を切るという大失態で馬券は単勝のみ。反省の多いレースになってしまいました。
>阪神の2000mで行われない
阪神2000mって芝の助走路がついているんですよね。
それと多分、1800mというニッチを狙ったんでしょう。
BCにダートマイルができましたが、ダート1800mはないです(ディスタフはこの距離ですが)。
ただ、右回りはどうなんでしょうね。アメリカの馬はどうなんでしょうか。
これもニッチで、右回りの方が本当は良さそうなアメリカの馬が来てくれるようなことがあるのでしょうかね。
私は競馬歴35年の者です。ブログ拝見させて頂きました。馬券の買い方にセンスを感じるのですが、血統を意識しすぎているように感じます。もっと馬そのものの能力を見定めた方がよいのではないでしょうか。例えば今回のジャパンカップでいえば、インティライミは宝塚記念で今回の上位馬に負けていた馬。競馬新聞ではネタになりやすい情報を記事にする傾向があり、ぶっつけで狙ってきたと書きたたえていた。今後もこのような事例は多いことでしょう。
こんにちは。毎回楽しく拝見させて頂いております。リンクもさせて頂いております。ただ当方PCオンチの為,使い方よく分かっとらんのですが…。
ちとお尋ねしますが…。形相の遺伝についてですが…。中島氏は被遺伝深度という概念を用いていたと思うのですが…。
実は来る東京大賞典(JpnⅠ)にヴァーミリアンが出走するので調べているトコなのですが…。この馬の形相父は父エルコンドルパサーのような気がするのですが…。というのは被遺伝深度が0.25しかないので父からの遺伝なのでは…。ご教示頂ければ幸いです。
◎皆々様
お世話になっております。折り返しが遅くなってしまい、恐れ入ります。
○Y.Tateno様
ヴァーミリアン。エルコンドルパサーの産駒は3世代のみで少ないですし、
SSの0遺伝を持っていることも合わせて、良い種牡馬になってほしいと願います。
自身は2歳時に現ラジオNIKKEI杯を勝っていますし、芝ダート兼用で人気は出そうです。
昨年の3着馬、そして今年のフェブラリーSの勝ち馬。コース得意の馬は忘れずに、ですね……。
○much_better様
フォローありがとうございました。
メジャーGIではニッチな距離に、さらに競馬大国の米国にとってはニッチな右回り。
むぅ、果たして海外から来てくれるのでしょうか(笑)。
まま、イーグルカフェが勝った2002年の中山ダート1800mのJCDでも海外から
3頭は来てくれましたので、来年を楽しみにしておきます♪
○おせっかいおやじより様
競馬の大先輩からのコメント、ありがとうございました。ごあいさつが遅くなってしまい、
恐れ入ります。オオハシと申します。以後お見知りおきを頂ければ幸いです。
血統に拘泥しすぎているのは、おっしゃるとおりです。ただ、それでも、以前よりは
ほかの要素を見られるようになりました。まだまだ修行不足ですので、よりいっそうの
精進をして参りたいと思います。
これからもどうぞよろしくお願い致します。
○にゃんとま~様
貴サイトは以前から存じ上げておりました。わざわざ参照して頂き、ありがとうございます。
>この馬の形相父は父エルコンドルパサーのような気がするのですが…。
>というのは被遺伝深度が0.25しかないので父からの遺伝なのでは…。
上記のご質問の件について、血とコンプレックスの237ページより引用しておくと、
逆にその差が一世代に満たない場合、つまり被遺伝世代深度が1未満の場合には
交配する牡の形相を受けて遺伝することになる。
「未満」とは「○○に満たない」ということですね。それを踏まえて上記の引用部分を
読み替えるならば、被遺伝世代深度の数値が「1に満たない」場合は交配する牡の形相を受ける、
ということですね。
ヴァーミリアンの場合、4代血統構成の各父の活性値を見ると、
エルコンドルパサー 1.50
サンデーサイレンス 0.00
ノーザンテースト 1.75
Crimson Satan 0.75
ですね。そして、父エルコンドルパサーより祖母父ノーザンテーストの活性値が高い為、
(1.75-1.50)/0.25=0.25/0.25=1
より、被遺伝世代深度は「1」世代分であることにより、母スカーレットレディの形相を受けたと
判断しました。
被遺伝世代深度におけるヴァーミリアンと同様のケースは、血とコンプレックスであれば、
トウカイテイオーの血統を確認した300ページあたりからをご参照頂ければ幸いです。
ではでは、皆々様、わざわざのコメント、ありがとうございました。