と問われたならば、「イルドブルボン(1975.5.23)」と答えるかろむわんです。
イルドブルボン。Nijinsky(1967.2.21)の直仔にして、”キング・ジョージ”(英GI)の勝ち馬です。日本に輸入された後、欧州で英愛ダービー(GI)馬のKahyasi(1985)が出て、期待が高まりました。が、欧州の2400m級で活躍する馬を送り込んだ種牡馬は日本では苦しいのか、トウカイサイレンス(1989.4.21)やシルクグレイッシュ(1991.4.5)、メモリージャスパー(1991.5.5)等を出すに止まりました。
上記した産駒のうち、私はメモリージャスパーが好きでした。母バラワキ(1985.1.21)がロベールパパン賞(仏GII)の勝ち馬という良血で、(株)シンザンクラブの馬。ダート1800mの500万条件戦勝ちから挑んだオークストライアル(現フローラS、GII)が2着。勇躍挑んだオークス(GI)では、角田晃一騎手の早仕掛け積極的な騎乗で4着。エリザベス女王杯(GI)4着を経て3歳最終戦の阪神牝馬特別(現阪神牝馬S、GII)で初重賞制覇を飾りました。
阪神牝馬特別での勝利、そして父の血統より、古馬になってからの活躍が見込まれたメモリージャスパー。けれど、4歳4月に放牧先の鹿児島・ジャパントレーニングセンターで急死しました。呼吸不全。あっけない早世でした。
メモリージャスパーの死を知らせる、月刊『優駿』1995年7月号の登録抹消馬一覧の記事。重賞勝ち馬の名前は太字で表記されるはずなのに、彼女の名前は太字になっていませんでした。私は、彼女の名前を、ペンで上からなぞって、そっと、太字にしました。
...おおっと、「好きなNorthern Dancer系種牡馬は?」というテーマのlogではなく、メモリージャスパーに関するメモリーになってしまいましたね。失敬仕りました。
追記。メモリージャスパーもそうですが、トウカイサイレンスも関門橋S(OP)を連覇、シルクグレイッシュも後藤浩輝騎手の重賞初制覇のお相手と、イルドブルボン産駒の活躍は、私の記憶の中では結構よく残っています。 そうそう、ミナモトマリノス(1993.3.25)もいましたね。デビューから3連勝で若葉S(OP)勝ち。3歳秋に京都大賞典(GII)2着から3番人気で挑んだ菊花賞(GI)は8着。ちょっと荷が重かったのか。あと、不良馬場の若葉Sを逃げ切ったと思われたルイジアナボーイ(1992.3.31)。けれど斜行により最下位8着降着。2着ジェニュイン(1992.4.28)を5馬身差完封していただけに、惜しまれます。