春を迎えると、日々、馬の誕生日を思ってしまうオオハシでございます。という訳で、その日に生まれた馬を辿る企画を、今年2013年も毎週水曜日にお届けしたいと思いました。「自分と同じ年に生まれた馬を辿る」記事もありますが、こちらも併せてお届け致します。その第7回は「白いハイセイコー」を。
ハクタイセイ 牡 芦毛 1987.4.17生 三石・土田農場生産 馬主・渡辺重夫氏 栗東・布施正厩舎
★ ハイセイコー 黒鹿毛 1970.3.6 種付け時活性値:0.00 |
★ チャイナロック 栃栗毛 1953 |
Rockefella 黒鹿毛 1941 |
Hyperion 1930.4.18 |
Rockfel 1935 | |||
May Wong 栗毛 1934 |
Rustom Pasha 1927 | ||
Wezzan 1924 | |||
ハイユウ 黒鹿毛 1961.4.1 |
カリム 鹿毛 1953 |
Nearco 1935.1.24 | |
Skylarking 1947 | |||
ダルモーガン 黒鹿毛 1950.8.12 |
Beau Son 1938 | ||
Reticent 1941 | |||
ダンサーライト 芦毛 1982.5.25 仔受胎時活性値:1.00 |
★ ダンサーズイメージ 芦毛 1965.4.10 種付け時活性値:0.00 |
Native Dancer 芦毛 1950.3.27 |
Polynesian 1942 |
Geisha 1943 | |||
Noors Image 鹿毛 1953.5.4 |
Noor 1945 | ||
Little Sphinx 1943 | |||
ネバアーライト 栗毛 1966.5.5 仔受胎時活性値:1.75 |
ネヴァービート 栃栗毛 1960 種付け時活性値:1.25 |
★Never Say Die 1951 | |
Bride Elect 1952 | |||
ミスフォール 鹿毛 1953.6.2 仔受胎時活性値:1.00 |
★クモハタ 1936.3.4 種付け時活性値:0.00 |
||
スターライト 鹿毛 1936.2.19 仔受胎時活性値:2.00(0.00) |
<5代血統表内のクロス:Nasrullah5×5(母方)>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
★ハイセイコー (Hyperion系) |
★ダンサーズイメージ (Native Dancer系) |
ネヴァービート (Never Say Die系) |
★クモハタ (Gainsborough系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
ネヴァービート (Netherton Maid) |
5.75 or 3.75 |
アイネスフウジンと同牝系 (No.4-d プロポンチス系) |
2番仔 (2連産目) |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破 時計 |
着差 |
上り 4F |
馬体重 [前走比] |
調教師 |
人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | ハクタイセイ | 牡3 | 56 | 須貝尚介 | 2:04.1 | 50.5 |
452 [-6] |
布施正 | 1 | |
2 | 1 | コガネタイフウ | 牡3 | 56 | 田原成貴 | 2:04.3 | 1.1/4 | 50.6 |
436 [+4] |
中村好夫 | 2 |
3 | 6 | ナリタハヤブサ | 牡3 | 55 | 武豊 | 2:04.9 | 3.1/2 | 51.2 |
474 [+4] |
中尾謙太郎 | 3 |
4 | 11 | シンシノブ | 牝3 | 53 | 南井克巳 | 2:04.9 | クビ | 50.3 |
450 [0] |
吉永忍 | 7 |
5 | 5 | プリンスシン | 牡3 | 55 | 田島良保 | 2:05.1 | 1.1/2 | 50.8 |
504 [-6] |
安田伊佐夫 | 6 |
今をときめく須貝尚介調教師の、騎手時代の重賞初勝利がハクタイセイによるきさらぎ賞でした。結果的に須貝騎手のハクタイセイへの騎乗はこのレースが最後になってしまったのですが、不思議な運命の糸は、幾星霜の後、「芦毛の皐月賞馬」を須貝調教師の下に送り届けることになるのでした。まま、それはまた、別のお話。
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破 時計 |
着差 |
上り 3F |
馬体重 [前走比] |
調教師 |
人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 15 | ハクタイセイ | 牡3 | 57 | 南井克巳 | 2:02.2 | 36.9 |
450 [-2] |
布施正 | 3 | |
2 | 2 | アイネスフウジン | 牡3 | 57 | 中野栄治 | 2:02.2 | クビ | 37.6 |
512 [-4] |
加藤修甫 | 1 |
3 | 13 | メジロライアン | 牡3 | 57 | 横山典弘 | 2:02.5 | 1.3/4 | 36.7 |
512 [0] |
奥平真治 | 2 |
4 | 4 | コガネタイフウ | 牡3 | 57 | 柴田善臣 | 2:02.5 | ハナ | 37.1 |
430 [-6] |
中村好夫 | 12 |
5 | 18 | ニチドウサンダー | 牡3 | 57 | 増井裕 | 2:02.6 | 1/2 | 37.8 |
444 [+4] |
白井寿昭 | 15 |
見事に6連勝で父仔皐月賞制覇となりました。「白いハイセイコー」、あるいは同い年のケリーバッグ(1987.4.28)と共に「ハイセイコーの芦毛は走る」。そんなハクタイセイ、スタート直後は持って行かれそうに見えたものの、道中は7番手辺りでうまく折り合いが付きました。そしてまた、直線の入り口から半ばでメジロライアン(1987.4.11)に蓋を被せるようにした、南井克巳騎手の巧さも光りました。最後は逃げ粘るアイネスフウジン(1987.4.10)を一完歩ずつ追い詰めて、決勝点ではクビだけ交わし切っていました。
このハクタイセイの皐月賞勝利を以て、管理された布施正調教師はバンブーアトラス(1979.4.27)の日本ダービー(現GI)、バンブービギン(1986.4.19)の菊花賞(GI)と合わせて、牡馬3冠トレーナーと相成られました。
*
お気付きとは思いますが、4月3日のメジロマックイーン(1987.4.3)、4月10日のアイネスフウジン、そして今日4月17日のハクタイセイと、1990年の牡馬クラシックを制した3頭は、ちょうど1週間ずつ誕生日がずれていることにより、3週に渡り紹介することが出来ました。
皐月賞でしのぎを削った小岩井のプロポンチス(1897)系スターライト分枝の同牝系馬であるアイネスフウジン、そして自身と同じ芦毛馬であったメジロマックイーンの2頭は、すでに他界しています。けれど、ハクタイセイは26歳を迎えた今も健在です。また、濃いキャラ揃いだったこの世代は、メジロライアン、カミノクレッセ(1987.5.30)というアンバーシャダイ(1977.3.10)産駒2頭を昨年の誕生日の折に紹介しましたが、共にやはり存命中です。平成初頭の競馬ブームのまっただ中に走っていた馬たちも、老境を過ごす年齢ですが、いつまでも元気に過ごして欲しいものです。
ハクタイセイは父ハイセイコーが30歳、同父であるカツラノハイセイコ(1976.5.13)が33歳まで長生きしたという、長命でも知られるHyperion系ですので、これからも息災にと、ただただ願うばかりです。
では、以上オオハシでした。これから走る馬、人すべてが無事でありますように。