空胎後に名馬あり(2009年版)-其の壱-。

という訳で、気が付けば2009年初めての「空胎後に名馬あり」の記事でございます。

2009年のJRAGI(JpnI含む)レースの複勝圏馬における母の連産状況
レース名 1着馬 母の連産状況 2着馬 母の連産状況 3着馬 母の連産状況
フェブラリーS(GI) サクセスブロッケン 2番仔
(2連産目)
カジノドライヴ 5番仔
(5連産目)
カネヒキリ 5番仔
(空胎後)
高松宮記念(GI) ローレルゲレイロ 初仔 スリープレスナイト 7番仔+
(2連産目)
ソルジャーズソング 2番仔
(2連産目)
桜花賞(JpnI) ブエナビスタ 6番仔
(3連産目)
レッドディザイア 4番仔
(4連産目)
ジェルミナル 2番仔
(2連産目)
皐月賞(JpnI) アンライバルド 13番仔
(5連産目)
トライアンフマーチ 3番仔
(2年連続
不受胎後)
セイウンワンダー 4番仔
(4連産目)
天皇賞・春(GI) マイネルキッツ 初仔 アルナスライン 8番仔+
(2連産目)
ドリームジャーニー 初仔
NHKマイルカップ(JpnI) ジョーカプチーノ 初仔 レッドスパーダ 2番仔+
(2連産目)
グランプリエンゼル 6番仔
(2年連続
不受胎後)
ヴィクトリアマイル(GI) ウオッカ 4番仔
(2連産目)
ブラボーデイジー 3番仔
(3連産目)
ショウナンラノビア 3番仔
(2連産目)
オークス(JpnI) ブエナビスタ 6番仔
(3連産目)
レッドディザイア 4番仔
(4連産目)
ジェルミナル 2番仔
(2連産目)
日本ダービー(JpnI) ロジユニヴァース 2番仔
(2連産目)
リーチザクラウン 4番仔
(3連産目)
アントニオバローズ 2番仔
(2連産目)
安田記念(GI) ウオッカ 4番仔
(2連産目)
ディープスカイ 4番仔
(不受胎後)
ファリダット 初仔
宝塚記念(GI) ドリームジャーニー 初仔 サクラメガワンダー 初仔 ディープスカイ 4番仔
(不受胎後)
スプリンターズS(GI) ローレルゲレイロ 初仔 ビービーガルダン 4番仔
(2年連続
不受胎後)
カノヤザクラ 6番仔+
(2連産目)
秋華賞(GI) レッドディザイア 4番仔
(4連産目)
ブロードストリート 9番仔
(9連産目)
ブエナビスタ 6番仔
(3連産目)
菊花賞(JpnI) スリーロールス 3番仔
(3連産目)
フォゲッタブル 7番仔
(7連産目)
セイウンワンダー 4番仔
(4連産目)

例年同様、牡牝混合ジーワンでは母が前年産駒無し後の仔の活躍が見られますね。いっぽう、牝馬限定ジーワンでは連産の仔が頑張っています。

さて、空胎後に名馬ありとリンクさせた今秋の注目点としては「連産のサンデーサイレンス直孫の古馬牡馬が、JRAGIを勝てるのか否か」というところです。

これまでSSの直孫牡馬でJRAの平地古馬GIを制した馬は、

  1. ツルマルボーイ(1998.3.8)
  2. カネヒキリ(2002.2.26)
  3. ファイングレイン(2003.3.7)
  4. ドリームジャーニー(2004.2.24)

の4頭。ツルマルボーイ、ファイングレイン、ドリームジャーニーは母の初仔、カネヒキリは母が空胎後の仔です。そう、SS直孫の牡馬については、連産の仔は、未だに古馬GIを勝てずにいるのです。今年の天皇賞・春ではアルナスライン(2004.2.18)がそのジンクスを打ち破るかに見えましたが、「非SS+母の初仔」という背景を持つマイネルキッツに阻まれました。

古馬GIは底力比べになると、その血統構成がモノを言うのかと思う時があります。↑の表の勝ち馬たちを改めて確認すると、その意を強くします。今年のこれまでのJRA古馬GIレースの勝ち馬たちを抜き出すと、

今年の古馬GI勝ち馬たちの4代血統構成について
レース名
[施行条件]
馬名
(生年月日)
[F No.]
母の
何番仔?
4代血統構成
母父 祖母父 曾祖母父
フェブラリーS
[東京ダート
1600m]
サクセスブロッケン
(2005.5.5)
[4-R]
2番仔
(2連産目)
シンボリクリスエス サンデーサイレンス Deputy Minister Pleasant Colony
高松宮記念
[中京芝
1200m]
ローレルゲレイロ
(2004.5.3)

[1-B セレタ系]
初仔 ★キングヘイロー テンビー カコイーシーズ マルゼンスキー
天皇賞・春
[京都芝
3200m]
マイネルキッツ
(2003.3.18)
[10-E]
初仔 チーフベアハート サッカーボーイ Crimson Satan Rattle Dancer
ヴィクトリアマイル
[東京芝
1600m]
ウオッカ
(2004.4.4)

[3-L フロリースカップ系]
4番仔
(2連産目)
タニノギムレット ルシヨン トウショウボーイ ダンディルート
安田記念
[東京芝
1600m]
ウオッカ
(2004.4.4)
[3-L フロリースカップ系]
4番仔
(2連産目)
タニノギムレット ルシヨン トウショウボーイ ダンディルート
宝塚記念
[阪神芝
2200m]
ドリームジャーニー
(2004.2.24)
[8-C]
初仔 ステイゴールド メジロマックイーン ◆ノーザンテースト Lt. Stevens
スプリンターズS
[中山芝
1200m]
ローレルゲレイロ
(2004.5.3)
[1-B セレタ系]
初仔 ★キングヘイロー テンビー カコイーシーズ マルゼンスキー

非SSの血、そして母の初仔。さらに見出すならばサクセスブロッケンは父シンボリクリスエス(1999.1.21)の初年度産駒、ウオッカは父タニノギムレット(1999.5.4)の初年度産駒ということが言えます。恐らく、希少性から生み出されるモノがあるのでしょう。「空胎後に名馬」ありと同時に「初物に名馬あり」ということもあるのでしょう。

また↑の表から、SSを持つ馬は、古馬になってからいかに根幹距離の芝GIで苦戦しているか見て取れますね。1200m、1600m、3200mの芝GI勝ち馬はいずれも非SSです。であるならば、今秋の根幹距離の芝GI(1600m、2000m、2400m)で狙う馬たちは自ずと見えてくるというものです。

  1. 非SS(母が前年産駒無し後の仔ならば尚良し)
  2. SS+母が前年産駒無し後の仔
  3. 父初年度産駒

この3種の組み合わせを基本として見ていけば、そう間違うことはないはず。

果たして、天皇賞・秋の結果やいかに。馬柱は明日11月1日の午前11時11分にアップしたいと思います。

では、以上オオハシでした。これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

コメント

  1. ゴリ より:

    小生もオオハシさんと同様の観点で見ております。あと、牝馬が強い、というのもサンデーの血の飽和との関係では今後も注目すべきように思われます。ただ、このことの裏返しで、3歳ではサンデー系がなぜにこれほど強いのでしょうね。育成(特にノーザンファーム)の違い、なんでしょうか。それだけでは説明ができないようにも思います。

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