ウオッカ 牝 黒鹿毛 2004.4.4生 静内・カントリー牧場生産 馬主・谷水雄三氏 栗東・角居勝彦厩舎
タニノギムレット[A] 鹿毛 1999.5.4 種付け時活性値:1.00 |
ブライアンズタイム 黒鹿毛 1985.5.28 |
Roberto 鹿毛 1969.3.16 |
Hail to Reason 1958.4.18 |
Bramalea 1959.4.12 | |||
Kelley’s Day 鹿毛 1977.5.11 |
Graustark 1963.4.7 | ||
Golden Trail 1958.3.5 | |||
タニノクリスタル 栗毛 1988.4.4 |
クリスタルパレス 芦毛 1974.3.25 |
Caro 1967.4.11 | |
Hermieres 1958.4.10 | |||
タニノシーバード 栗毛 1972.4.27 |
Sea-Bird 1962.3.8 | ||
Flaxen 1968.5.15 | |||
タニノシスター 栗毛 1993.3.22 仔受胎時活性値:0.50 |
ルション[A] 黒鹿毛 1981.4.10 種付け時活性値:0.75 |
Riverman 鹿毛 1969 |
★Never Bend 1960.3.15 |
River Lady 1963.5.17 | |||
ベルドリーヌ 黒鹿毛 1977.3.15 |
★Marshua’s Dancer 1968.4.15 | ||
Palsy Walsy 1960 | |||
エナジートウショウ 鹿毛 1987.4.22 仔受胎時活性値:1.25 |
トウショウボーイ[A●] 鹿毛 1973.4.15 種付け時活性値:1.25 |
テスコボーイ 1963 | |
ソシアルバターフライ 1957.4.13 | |||
コーニストウショウ 栗毛 1977.6.12 仔受胎時活性値:0.25 |
ダンディルート[E] 鹿毛 1972.5.10 種付け時活性値:1.00 |
||
ローズトウショウ 鹿毛 1965.4.13 仔受胎時活性値:0.75 |
<5代血統表内のクロス:Graustark4×5(父方)>
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 何番仔? |
---|---|---|---|
トウショウボーイ (タニノシスター) |
2.75 |
叔父スリーアヴェニュー (No.3-L フロリースカップ系) |
4番仔 (2連産目) |
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破 時計 |
着差 |
上り 3F |
馬体重 [前走比] |
調教師 |
人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | ウオッカ | 牝5 | 56 | 武豊 | 1:33.5 | 35.7 |
492 [-2] |
角居勝彦 | 1 | |
2 | 6 | ディープスカイ | 牡4 | 58 | 四位洋文 | 1:33.6 | 3/4 | 35.5 |
524 [+14] |
昆貢 | 2 |
3 | 4 | (外)ファリダット | 牡4 | 58 | 安藤勝己 | 1:33.8 | 1 | 35.3 |
470 [+4] |
松元茂樹 | 10 |
4 | 9 | カンパニー | 牡8 | 58 | 横山典弘 | 1:33.8 | ハナ | 35.5 |
468 [-2] |
音無秀孝 | 4 |
5 | 7 | (外)ライブコンサート | せん5 | 58 | 和田竜二 | 1:34.0 | 1 1/2 | 35.8 |
476 [-2] |
白井寿昭 | 15 |
1F毎の ラップ |
12.0-10.6-10.8-11.9-12.1-12.1-11.6-12.4 |
上り | 4F 48.2-3F 36.1 |
「メチャクチャや~っ」「なんじゃそりゃ~っ」と思わず叫んでしまったゴール後。無理やり差し切ったものの、上がり3Fはディープスカイ(2005.4.24)が勝っているという不思議な状態。ウオッカがラスト1Fでようやく繰り出した脚がよっぽど速かったのでしょう。才媛には不利など関係なし。恐るべしはウオッカ。彼女の強さをよくよく知る2人のダービー連覇騎手が騎乗した、1歳差のダービー馬の1着、2着。そして3着、4着にもダービージョッキーが騎乗した馬が差して来たという結末でした。
*
では、以下にウオッカのごく簡単な近親牝系図を示しておきます。なお、図中の重賞格付けはいずれも各馬が出走した当時のものです。
コーニストウショウ 1977.6.12 中央0勝 |クララトウショウ 1985.4.25 中央3勝 コスモス賞(OP) |エナジートウショウ 1987.4.22 不出走 ||タニノシスター 1993.3.22 中央5勝 |||ウオッカ 2004.4.4 (本馬) 日本ダービー(JpnI) 天皇賞・秋(GI) 安田記念(GI)2回 ヴィクトリアマイル(GI) 阪神JF(JpnI)ほか ||スカイアンドリュウ 1997.4.7 中央4勝 京王杯SC(GII)2着 ||スリーアベニュー 2002.5.13 現役 ガーネットS(GIII) 同2着 ||マイネルダイナモ 2004.4.28 現役 みなみ北海道S(OP)3着 |シスタートウショウ 1988.5.25 中央4勝 桜花賞(GI) オークス(GI)2着 中山記念(GII)2着 |トウショウオリオン 1993.3.29 中央6勝 北九州記念(GIII) |ジェーントウショウ 1996.4.1 中央0勝 ||シーイズトウショウ 2000.4.2 中央7勝 セントウルS(GII)含む重賞5勝 |ロゼトウショウ 1997.6.10 中央1勝 ||トウショウカレッジ 2002.6.8 現役 米子S(OP)含むオープン特別3勝 京王杯SC(GII)2着ほか
小岩井の3号族フロリースカップ(1904)系の恐ろしさをまざまざと見せつけた2009年の春シーズン。直牝系に持つウオッカは言わずもがなですが、種牡馬の牝系としても、この春は3歳クラシックで完全連対を果たしていたのです。そう、やはりフロリースカップ系のシラオキ(1946.4.7)分枝を牝系に持つスペシャルウィーク(1995.5.2)。ちょっとわき道に逸れますが、彼の産駒の活躍を見ると、
- 桜花賞(JpnI)1着&オークス(JpnI)1着
→ブエナビスタ(2006.3.14) - 皐月賞(JpnI)2着
→トライアンフマーチ(2006.4.11) - 日本ダービー(JpnI)2着
→リーチザクラウン(2006.2.5)
彼ら彼女らは直牝系ではありませんけれど、父スペシャルウィークを通じて、フロリースカップの血を持ち合わせていることには相違ありません。
また、皐月賞で3着に入った昨年の2歳王者セイウンワンダー(2006.4.30)。彼の直牝系もフロリースカップ系のサンキスト(1944.5.11)分枝です。シラオキ分枝もサンキスト分枝も共にフロリスト(1919.4.27)から派生した、フロリースカップ系第四フロリースカップ(1912.4.4)の分枝系です。サンキスト分枝といえば昨年引退したメイショウサムソン(2003.3.7)も同分枝なのですが、入れ替わるようにセイウンワンダーが現れたところに、この牝系の底力を思いました。
ついで結果を見直せば、府中の5週連続ジーワンシリーズ、そのうち4週でフロリースカップの血を持つ馬が連対を果たしたのでした。ヴィクトリアマイル(GI)のウオッカ、オークスのブエナビスタ、日本ダービーのリーチザクラウン、そして安田記念のウオッカ。4週連続で連対、そのうち3回の勝利。目にも見よ、この勝負強さ。
日本の気候風土に適し、先人たちが明治の世から大切に育んで来た牝系。その血は、100年経った今日でもその輝きが衰えることまったくなし。いえ、この近10年ほどについていえば、むしろ輝きが増しているようにすら思います。本当に素晴らしい。
それ故に、日本のホースマンの皆様は、その仕事の積み重ねを、もっともっと、もっともっと、誇りに思われて良いはずです。
*
もはや性差を超えたスーパーホース、ウオッカ。ジーワン6勝目を遂げたとなると、先達がどうしても超えられなかった「ジーワン7勝」の壁を越えるべく、彼女にはチャレンジをして欲しいものです。
この才媛の走りが見られるのも「あと半年」と思うと寂しくもあります。それでも、彼女の走りを目の当たりにできた「幸せ」はずっと心に残っていくのでしょう。
ウオッカが向かう先にあるもの。神ならざる身の私たちにはもちろん分かりませんけれど、彼女の競走馬生活が、ただただ無事であることを祈るのみです。
では、以上オオハシでした。これから走る馬、人すべてが無事でありますように。そしてまた、競馬を愛する人すべてが幸せでありますように。
*
おまけ。上述の「メチャクチャや~っ」「なんじゃそりゃ~っ」など様々な叫びを披露するオオハシ。
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#追記。この「レースを見ながら叫ぶ」というアイデアのポッドキャストは私のオリジナルではありません。元々はボロ株観光テレビ様にて配信されていた「ボロ株観光ラジオ」が起源と思われます。改めて記しておきます。
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