第13回秋華賞(JpnI)-2008年の重賞勝ち馬の血統について=其の二十八=-。

ブラックエンブレム 牝 黒鹿毛 2005.1.22生 早来・ノーザンファーム生産 馬主・田原邦男氏 美浦・小島茂之厩舎

ブラックエンブレム(2005.1.22)の4代血統表
ウォーエンブレム
青鹿毛 1999.2.20
種付け時活性値:1.25
Our Emblem
黒鹿毛 1991.3.7
Mr. Prospector
鹿毛 1970.1.28
★Raise a Native 1961.4.18
Gold Digger 1962.5.28
Personal Ensign
鹿毛 1984.4.27
Private Account 1976.4.26
Grecian Banner 1974.4.26
Sweetest Lady
鹿毛 1990.2.8
Lord at War
栗毛 1980.10.1
General 1974
Luna de Miel 1974
Sweetest Roman
鹿毛 1977.4.4
The Pruner 1967.4.12
I Also 1969.5.21
ヴァンドノワール
青毛 1996.3.4
仔受胎時活性値:2.00
ヘクタープロテクター
栗毛 1988.3.4
種付け時活性値:1.75
Woodman
栗毛 1983.2.17
Mr. Prospector 1970.1.28
プレイメイト 1975.4.12
Korveya
栗毛 1982.5.26
Riverman 1969
Konafa 1973.4.19
プリンセスデリーデ
鹿毛 1981.4.15
仔受胎時活性値:1.50
Vaguely Noble
鹿毛 1965.5.15
種付け時活性値:1.75
ヴィエナ 1957
Noble Lassie 1956
Flashy
黒鹿毛 1971
仔受胎時活性値:0.25
Sir Ivor
鹿毛 1965.5.5
種付け時活性値:1.25
Sovereign
鹿毛 1965
仔受胎時活性値:1.25

<5代血統表内のクロス:Mr.Prospector3×4、Damascus5×5、Numbered Account(♀)=プレイメイト(♀)5×4>

ブラックエンブレム(2005.1.22)の中島理論的総括
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 何番仔?
ヘクタープロテクター 5.00 従兄ナリタセンチュリー
(No.3-C)
3番仔
(3連産目)
第13回秋華賞(JpnI)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 4 ブラックエンブレム 牝3 55 岩田康誠 1:58.4    34.6 452
[+4]
小島茂之 11
2 1 ムードインディゴ 牝3 55 福永祐一 1:58.5 1/2 34.4 456
[0]
友道康夫 8
3 15 プロヴィナージュ 牝3 55 佐藤哲三 1:58.6 1/2 35.6 510
[-4]
小島茂之 16
4 10 ブライティアパルス 牝3 55 藤岡康太 1:58.6 ハナ 35.3 454
[+2]
平田修 13
5 5 エフティマイア 牝3 55 吉田隼人 1:58.7 3/4 35.3 442
[-14]
鹿戸雄一 3
第13回秋華賞(JpnI)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.3-10.4-12.3-12.2-11.4-12.5-11.9-11.5-11.8-12.1
上り 4F 47.3-3F 35.4

第13回秋華賞(JpnI)。ジーワン史上最高の3連単10,982,020円馬券が飛び出した一戦は、小島茂之調教師、意地の大一番でした。3着に粘ったプロヴィナージュの出走を巡って、ずいぶんと心労を重ねられたご様子。小島師のブログ記事によると佐藤哲三騎手の起用に当たって、

『今回は悪役だぞ!大丈夫か?』という問いに『あー慣れてます』と心強い言葉。

というやりとりがなされたそうで、巷間の敵になったことを自覚した上での2頭出しだったのでしょう。

けれど、ブラックエンブレムとプロヴィナージュは跳ね返しました。動物は飼養してくれている人間の姿を見るものです。苦境に追い込まれた所属厩舎のボスをなんとか励ますべく、騎手の手を借りて、共に持ち得る能力を全開しました。

人が馬を助け、馬が人を助ける。2008年10月19日、この日は小島厩舎にとって忘れることができない日になったでしょう。本当におめでとうございました。

今回の秋華賞は「異能の種牡馬」ウォーエンブレムにとっても産駒初のジーワン勝利となりました。ナニのやる気が前向きにならなかった彼の産駒は、

  1. 初年度(2004年産)……4頭
  2. 2年度(2005年産)……33頭
  3. 3年度(2006年産)……5頭
  4. 4年度(2007年産)……0頭
  5. 5年度(2008年産)……0頭
  6. 6年度(2009年産)……?頭(最大39頭)

競走年齢に達している3世代で合計42頭しかいません。けれど、その異能ぶりは数少ない産駒たちが示しています。まず、初年度の4頭は4頭共にJRAで勝利を挙げました。そう、初年度の産駒勝ち上がり率は10割だったのです。そして、現在のところ最大の産駒数となっている2年度、つまりブラックエンブレムの世代から3頭の重賞勝ち馬が送り込まれました。ブラックエンブレムを筆頭にショウナンアルバ(2005.2.13)、エアパスカル(2005.2.11)と3歳限定重賞戦線で活躍を見せたのです。

一時は社台ファーム総帥の吉田照哉氏もサジを投げかけられたようですが、サスガに2年度産駒の活躍を受けて「もう一度」と思われたようです。SANSPO.COMの記事などによると、米国のペンシルバニア大学の助力を得て、2008年は39頭に種付けしたとのこと。

中島理論的にはあまり数が多くなりすぎるのも困りものですが(笑)、ウォーエンブレムの産駒、まだまだ見られそうです。

では、以下に「孝行娘」ブラックエンブレムのごく簡単な近親牝系図を示しておきます。

Flashy 1971 英仏4勝
|Feu de Guerre 1980.4.7 伊仏3勝 プリンチペアメデオ賞(伊GII)
|プリンセスデリーデ 1981.4.15 仏1勝 フロール賞(GIII)3着
||プリンセスリーベ 1992.2.21 中央4勝
|||ナリタセンチュリー 1999.3.20 中央8勝 京都大賞典(GII) 京都記念(GII)
||ノーブルドノール 1993.3.14 中央0勝
|||ニシノナースコール 2002.4.24 現役 エンプレス杯(JpnII)2着 秋華賞(現JpnI)3着ほかJpnIII3着1回
||ヴァンドノワール 1996.3.4 中央1勝
|||ブラックエンブレム 2005.1.22 (本馬) 秋華賞 フラワーC(JpnIII)

↑の近親牝系図には示しませんでしたが、祖母プリンセスデリーデの持込馬がプリンセスメール(1990.2.21)ですね。正月開催の京都芝2000mの新馬戦でベガ(1990.3.8)を破ったことを思い出します。あと、引退レースとなった中京芝2000mの鳥羽特別もぶっちぎりでした。って、古い記憶やなぁ(^_^.)

「淀」と書いてナリタセンチュリーが京都芝重賞2勝、ニシノナースコールが秋華賞3着と頑張っていることに改めて気付きました。ヨーロピアンなVageuely Noble、Sir Ivorあたりとマッチするのかも知れませんね。

ジーワン勝ち馬となって向かう次の舞台はどこになるのでしょうか。ブラックエンブレムのこれからに期待しましょう。

ではでは、今日はこのへんで。

<Web Resource>

コメント

  1. もう一度このメンバーでレースをしても、買えませんね。Mr.Pの同系配合なんて。
    ムードインディゴもBOXの一頭だったのですが、これではどうしようもないですね。
    馬連はチョイ荒れ程度だったのですが、三着馬がすごかったですからねえ。
    これで彼女が次走、自己条件でこけそうな気もするのですが。

  2. ゴリ より:

    >小島師のブログ記事

    見ましたが、大変なことになっていたんですね。知りませんでした。

    しかし、栗東での滞在調整が実を結んで、1着と3着。
    まさに熱意の勝利ではないでしょうか。

  3. オオハシ より:

    ◎ご両名
    いつもお世話になっております。折り返しが遅くなってしまい、恐れ入ります。

    ○口は災いのもと様
    ブラックエンブレム。Mr.Prospectorの同系配合馬、ジーワンではどうかと思っていましたけれど、母方から底力の注入と淀適正を受けていたようですね(^_^.)。岩田騎手の好騎乗もあると思いますけれど、良馬場で見事に巻き返しました。お見事としか言えませんでした。

    プロヴィナージュ。おっしゃるように、かつてのエイシンカチータのようになる可能性も無きにしも非ず(^_^.)。それでも、今回の激走は激賞されるべきものでした。よくぞ頑張りました。

    ○ゴリ様
    小島師の心中察するに余りある、という感じでしたね。まま、結果がすべての世界ですから、結果で答えを出した師は大したものです。素晴らしかった。

    ではでは、ご両名、わざわざのコメント、誠にありがとうございました♪

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