↑の合田直弘さんの記事で
3つめのハイライトは、最終日の第1Rに組まれた、2歳馬による距離7Fの準重賞チェシェイムSで見られた。このレースを、エリザベス女王が生産・所有するフリーエージェント(父ドクターフォング)が優勝。ロイヤル開催で女王の馬が勝つのは、99年のデュークオブエディンバラSをブループリントが制して以来、9年振り20度目のことだった。
女王が優勝馬主として表彰台に上がられた時の歓声たるや、まるでクラシックレースかと思わせる大きさだった。
とありましたので、女王陛下の愛馬Free Agent(2006.5.13)の血統を確認してみました。まだ2歳のFree Agentは当然の如くPedNetに未登録でした。故に久しぶりに登録をしてみました。さかのぼると6代母Amicable(1960)以前の先祖しか登録されていませんでしたので、5代母Example(1968.2.29)からFree Agentまで順に登録しました。それにしても夜間のデータ登録はサーバレスポンスに時間が掛かりすぎ(苦笑)
Free Agent 牡 鹿毛 2006.5.13生 英国・エリザベス女王生産 馬主・エリザベス女王 英国・R.ハノン厩舎
Dr.Fong[A] 栗毛 1995.4.6 種付け時活性値:0.50 |
▲ Kris S. 黒鹿毛 1977.4.25 |
Roberto 鹿毛 1969.3.16 |
Hail to Reason 1958.4.18 |
Bramalea 1959.4.12 | |||
Sharp Queen 鹿毛 1965.4.19 |
★Princequillo 1940 | ||
Bridgework 1955.3.23 | |||
Spring Flight 鹿毛 1987.3.21 |
★Miswaki 栗毛 1978.2.22 |
Mr.Prospector 1970.1.28 | |
Hopespringseternal 1971.5.27 | |||
Coco La Investment 黒鹿毛 1975.1.19 |
Coco La Terreur 1968.4.23 | ||
Great Investment 1968.4.20 | |||
Film Script 鹿毛 1997.2.8 仔受胎時活性値:0.00(2.00) |
Unfuwain[A] 鹿毛 1985.3.5 種付け時活性値:0.75 |
Northern Dancer 鹿毛 1961.5.27 |
Nearctic 1954.2.11 |
Natalma 1957.3.26 | |||
Height of Fashion 鹿毛 1979.4.14 |
Bustino 1971 | ||
Highclere 1971 | |||
Success Story 芦毛 1991.5.2 仔受胎時活性値:1.25 |
シャルード[A] 芦毛 1983.4.15 種付け時活性値:1.75 |
Caro 1967.4.11 | |
Angel Island 1976.5.4 | |||
Starlet 鹿毛 1986.5.18 仔受胎時活性値:1.00 |
Teenoso[z] 黒鹿毛 1980.4.7 種付け時活性値:1.25 |
||
Pas De Deux 栗毛 1974 仔受胎時活性値:0.75 |
<5代血統表内のクロス:Nearctic5×4>
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 何番仔? |
---|---|---|---|
シャルード (フォルティノ) |
3.00 or 5.00 |
5代母から女王陛下の自家生産馬 (No.1-L) |
4番仔 (少なくとも2連産目以降の仔) |
Free Agent、祖母父シャルード(1983.4.15)ですやん。つまりはビワハヤヒデ(1990.3.10)のお父さん、まさか女王陛下の愛馬の血統表を作成する時に出くわすとは。しかも、中島理論的にはちゃっかり最優性先祖です(笑)。恐れながら陛下、よくぞシャルードを種付けなされたものです。
Free Agentの配合は中島理論的に見所があります。上の4代血統表に示したとおり、父Dr.FongがFree Agentに対して活性値「0.50」、直祖父Kris S.がDr.Fongに対して活性値「0.25」の受け渡しで、Kris S.の時点で乗算活性値「0.125」となり、Kris S.以前の先祖がイエロー0化されています。なお、父Dr.Fong自身が結構仕掛けられた配合です。母父Miswakiが満8歳時の0交配、曾祖母父Saidam(1959.3.22)も同じく満8歳時の0交配と、4系のうち2系にグリーン0を持っています。また、Free Agentの曾祖母父はTeenoso。同馬は英ダービー(GI)勝ち馬として知られていますが、その直父系を辿るとYouth(1973.4.12)、Ack Ack(1966.2.24)、Battle Joined(1959.3.21)の通り、米国伝来の血脈であるHimyar(1875)系で、アメリカンダミーとして知られる父系ですね。
ついで、中島理論的な見方ではありませんが、Free Agentの母父Unfuwainの祖母がHighclereで、同牝馬は女王陛下のオーナーブリード馬として英1000ギニー(GI)、 仏オークス(GI)を制した名牝ですね。って、Highclereについては、今の競馬ファンには「ディープインパクト(2002.3.25)の曾祖母」というほうが通りが良いですか(笑)
また、牝系について確認してみたところ、Free Agentの曾祖母Starletは7勝を挙げ独GII-Team Trophy Der Volksbanken Und Raiffeisenbanken-を勝ち、ナッソーS(現英GI、当時英GII)とサンチャリオットS(現英GI、当時英GII)2着があります。また、5代母Exampleは「牝馬版セントレジャー」ことパークヒルS(英GII)、ジャンドショードネイ賞(仏GII)の勝ち馬です。……非力な私はここまでしか調べられませんでした。あいすみません。
*
御身82歳を迎えられても壮健であらせられる女王陛下。馬主として英国の五大クラシックレースで残されたタイトルは「The Derby」のみ。Free Agent、果たして女王陛下にダービーオーナーの称号をプレゼントできるでしょうか。伸び行く若駒のこれからに期待しましょう。
ではでは、今日はこのへんで♪
<Web Resource>
コメント
Free Agentの配合見ました。
この時期にいいところを見せた話題の馬はダービーの前売り人気になるのですが、
中距離色の強い配合ですね。
父のDr.Fongといい、最優性先祖シャルードといい、Nearcticクロスといい。
ギニーか、アメリカの中距離か、という印象を持ちました。
◎much_better様
いつもお世話になっております。
>Free Agent
合田さんの別記事である
http://www.sponichi.co.jp/gamble/column/foreign/kijilist.html
によると、現時点でブックメーカーのダービー単勝オッズは26倍とのことです。
ただ、おっしゃるように配合全体からの印象は
マイルから10Fのレースが良さそうです。
果たして女王の悲願は達成されるのでしょうか。
来年のお話しですが、忘れずに注目しておきたいと思います。
ではでは、わざわざのコメント、誠にありがとうございました。