1着キャプテントゥーレ(2005.4.5)。「逃げる」という透徹した意志を持った川田将雅騎手に、中山芝2000mの女神は微笑みました。ほんのり栗色がかった芦毛、緑の芝の上を、ただただ軽やかに。キャプテントゥーレ、アグネスタキオン(1998.4.13)との父仔制覇、お見事でした。それにしても、アグネスタキオンの仔は逃げて自分のペースに持ち込むと強いですね。まま、何はともあれ、人馬共に初ジーワン制覇、おめでとうございました。
時の流れというのは色々なことを思い出させてくれるものです。祖母スキーパラダイス(1990.5.12)がムチ一発くれずに京王杯SC(GII)を制した時は「これが世界の一流馬のチカラか!!」と驚がくし、母エアトゥーレ(1997.3.10)がモーリス・ド・ゲスト賞(仏GI)で2着に入ったというニュースを聞いた時「日本で牝馬限定のGIIしか勝っていないのに、エラいなぁ」と感心したことが、ふと脳裏によぎりました。
祖母が安田記念(GI)をプラス16kgで挑んで5着に敗れたお返し。14年の歳月を経て、孫がマイナス18kgという気合の仕上げを持って、クラシックの舞台で果たしました。
2着タケミカヅチ(2005.4.9)。1着馬と同じ社台レースホースの勝負服、内ラチ沿いを上がり3ハロン34秒7の脚で鋭く伸びましたが、混戦の2着争いを制するに止まりました。しかし、それでもこの世代の重賞戦線で常に上位争いをしている兵、本番でもキッチリ2着。サスガの地力。
社台さんは、タケミカヅチのように、一見地味に見える血統馬も大切にされているところが、素敵です。社台伝来の13号族フォルカー(1948)系。私の記憶が確かならば、レッツゴーターキン(1987.4.26)の天皇賞・秋(GI)以来のジーワン連対のはずです。
3着マイネルチャールズ(2005.4.27)。ここまで牡馬戦線を引っ張ってきた「意地」で複勝圏内に入りました。矜持は見せました。果たして、日本ダービー(JpnI)で、改めてチカラを見せられますでしょうか。ラフィアン軍団の悲願を背負って、再度の挑戦。見守りたいものです。
結局、弥生賞(JpnII)から挑んだ馬が上位を占め、社台ファーム生産で社台レースホースの持ち馬、そしてデイリー杯2歳S(JpnII)の1着、2着が再び1着、2着となった、第68回皐月賞の結果でした。
コメント
「中島理論」で検索していたら、このページを見つけました。
圧倒的な分析に敬服いたします。
ところで、小生も中島理論から毎週競馬を眺めている者ですが、今年の皐月賞馬のキャプテントゥーレについてオオハシさんにお聞きしたいことがあります。この馬にはロイヤルスキーの3×4のクロス(0化されていない)がありますが、この点に
ついてはどう思われますか?小生は歴代牡馬クラシック馬の血統を見る限り、ちょっと突出した印象なのですが。
◎ゴリ様
はじめまして、オオハシと申します。以後お見知りおき頂ければ幸いです。
>キャプテントゥーレ
この馬の配合を見て「サスガに2000mは厳しいやろうなぁ」と、バッサリ切り捨ててしまったことを告白しておきます。まさか彼が皐月賞馬になるとは、と思いました。
キャプテントゥーレのロイヤルスキー3×4のクロスは、中島理論的には、いわゆる「ブルー0」クロスですね。
http://www.takayoshiohashi.net/nakajima/bb/column/bluezero.shtml
……と書いて、ブルー0をご存じの上で、ロイヤルスキー自身が0化されていないクロスが、牡馬クラシック馬として突出した印象を持つ、ということをおっしゃっているのだろうなぁと思いました。
これは確かに「珍しい」としか言いようがありません。ここ20年くらいを振り返っても異質であることは確かです。ロイヤルスキーのインブリードであれば、自身の競走成績より、どうしても速力の資質固定が強化されるというイメージがありますので、皐月賞で軽視してしまったのでした。
それでなくとも
(1)「アグネスタキオン×トニービン×Lyphard×◆ロイヤルスキー」という字面上Nearco4系累代配合
(2)連産による生産
と、中島理論的には強調しにくい材料が先立ってしまいます。ただ、連産とはいえ、母は7歳時の交配で、まだ2連産目ということで活力にはあふれていましたが。
あとは、やはりボトムラインに流れるDNAの優秀さということなのでしょうか。3号族の血。
……自分でも歯切れの悪さを感じますけれど、まずはこれくらいでお返ししておきます。
ではでは、わざわざのコメント、誠にありがとうございました♪
小生ブルー0という概念は知りませんでした。なるほど・・・キャプテントゥーレはブルー0の有効性を実証した、と言えなくもないわけですね。
あと、中島先生はブログで「サンデーサイレンス(ないしはHalo系)の血の飽和」ということをしばしば書かれていて、この点からも今年の牡馬クラシックを注目しているのですが、果たしてダービーはどうなるんでしょうか。
◎ゴリ様
お世話になっております。
>ブルー0
前述した手前味噌な解説以外にも、
http://homepage1.nifty.com/tdi/study06sun.html
にて、ほかの0化も併せて説明されています。
よろしければ、どうぞご参照ください。
キャプテントゥーレ以外にブルー0が目立つ最近の活躍馬は、ドリームジャーニーが挙げられますでしょうか。彼はノーザンテースト4×3がブルー0となっていますね。
>ダービー
皐月賞であっけなくSS系に勝たれてしまいましたので、ね[E:coldsweats01]
ただ、キャプテントゥーレは激走の代償として、自身の骨折が待っていました。身を挺した走りだったのかもしれません。
中島御大のブログ記事や「競馬最強の法則」誌のマウリツィオ・コッレオーニ氏の記事を見ると、父系の占有率による闘争本能の確認がなされていますね。
http://nakayamakeiba-club.com/modules/weblog/details.php?blog_id=27
2004年産、2005年産はHalo系とNorthern Dancer系が僅差の勝負を演じており、まだ拮抗している状態なのかもしれません。
私は距離が伸びるとSS系が劣勢と思いますが、果たして。
ではでは、わざわざのコメント、誠にありがとうございました♪