たまにしか更新できませんけれど、生きてはいます(笑)。
どうも今年は、洋の東西を問わず、クラシックで「名牝」が活躍する年のようです。 という訳で今回は、各々の国の名牝たちを簡単に紹介してみたいと思います。
※本来は、各馬の残牡先祖数や潜在能力値を記載したかったのですが、解析しているPCがイブキクラッシュ(1990.3.19)状態になっております。あいすみませんが、ご了承ください。
Finsceal Beo 牝 栗毛 2004.2.19生 愛国・ラスバリースタッド生産 馬主・M.ライアン氏 愛国・J.ボルジャー厩舎
8代残牝先祖数 (7代残牝先祖数) |
4代血統構成 (資質固定指数) |
潜在能力値 | 少ない血etc |
---|---|---|---|
/128 (/64) |
x ★A ★A A (0.50) |
Dominion | |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 何番仔? |
Great Nephew | 4.25 | (No.22 ) | 3番仔? |
英仏愛1000ギニー(いずれもGI)のトリプル制覇を目指すも、惜しくも仏1000ギニーを2着で逃してしまったFinsceal Beo。それでも英愛1000ギニーのダブル制覇、英1000ギニーは1分34秒94というレースレコードタイムによる勝利は立派のひと言です。
Rags to Riches 牝 栗毛 2004.2.27生 米国・スカラグレンステーブル生産 馬主・マイケル・テイボー&デリック・スミス両氏 米国・T.プレッチャー厩舎
8代残牝先祖数 (7代残牝先祖数) |
4代血統構成 (資質固定指数) |
潜在能力値 | 少ない血etc |
---|---|---|---|
/128 (/64) |
A ★A A(BG) C (0.66) |
Traffic Judge | |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 何番仔? |
A.P.Indy (Weekend Surprise) |
5.75 or 3.75 | 半兄Jazil (No.8) |
4番仔? (4連産目?) |
ケンタッキーオークス(米GI)を勝ち、その後に挑んだベルモントS(米GI)で102年ぶりの牝馬制覇を果たしたRags to Riches。すでに「うぉんばっとな毎日」様のエントリにて取り上げられていますが、彼女はベルモントSゆかりの血が凝縮されています。父A.P. Indy(1989.3.31)、祖父Seattle Slew(1974.2.15)、父母父Secretariat(1970.3.30)、そして半兄Jazil(2003)。ずらり並んだベルモントSの勝ち馬たち。親仔3代制覇および兄妹制覇の大偉業。凄いなぁ。
ウオッカ 牝 鹿毛 2004.4.4生 静内・カントリー牧場生産 馬主・谷水雄三氏 栗東・角居勝彦厩舎
8代残牝先祖数 (7代残牝先祖数) |
4代血統構成 (資質固定指数) |
潜在能力値 | 少ない血etc |
---|---|---|---|
17/128 (14/64) |
A A A(PG系) E (0.75) |
12.75 | 父初年度産駒 |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 何番仔? |
トウショウボーイ (タニノシスター) |
2.75 | 叔父スカイアンドリュウ (No.3-L フロリースカップ系) |
4番仔 (2連産目) |
そして、我が国の誇るフロリースカップ(1904)系から生み出された、第74代日本ダービー(JpnI)馬ウオッカ。父娘ダービー制覇という空前の快挙、64年ぶりの牝馬によるダービー制覇、上がり3ハロン33秒0のダービー最速上がり脚。いや、できれば宝塚記念(GI)は、色んな意味で回避して欲しいのですが(苦笑)
ここで終わってしまうと、中島理論使いの名折れですよね(笑)。という訳で、あと5頭ご紹介しておきましょう。
Light Shift 牝 鹿毛 2004.3.22生 米国・フラクスマンホールディングス 馬主・ニアルコスファミリー 英国・H.セシル厩舎
8代残牝先祖数 (7代残牝先祖数) |
4代血統構成 (資質固定指数) |
潜在能力値 | 少ない血etc |
---|---|---|---|
/128 (/64) |
x A ◆A B (0.33) |
Prince John | |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 何番仔? |
Kingmambo | 6.50 | 半姉Shiva (No.4-M) |
9番仔? (2連産目?) |
英オークス(GI)を制したのは雌伏の時を乗り越えたヘンリー・セシル調教師の送り出したLight Shift。管理馬としては8頭目(!!)の英オークス馬ということです。合わせて、Light shiftの半姉が日本生産馬として欧州GIを初めて制したShiva(1995.4.22)、半兄がフォア賞(現仏GII、当時仏GIII)を制したLimnos(1994.4.11)です。なお、ShivaとLimnosは父ヘクタープロテクター(1988.3.4)の全きょうだいです。
West Wind 牝 栗毛 2004.3.29生 英国・ダーレー生産 馬主・シェイク・モハメド 仏国・H.A.パントール厩舎
8代残牝先祖数 (7代残牝先祖数) |
4代血統構成 (資質固定指数) |
潜在能力値 | 少ない血etc |
---|---|---|---|
/128 (/64) |
★x A x B (0.33) |
Prince John | |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 何番仔? |
Affirmed (Native Valor) |
5.75 | (No.4-K) | ? |
天才は勢い付くと誰にも止められません。英仏ダービー(共にGI)を連日で制したかと思うと、さらには仏オークス(GI)まで制してしまいました。フランキー、やっぱり凄い。という訳で、仏オークスのお相手となったのはWest Wind。その父Machiavellian(1987)が満16歳時の0交配馬です。
Darjina 牝 鹿毛 2004.2.13生 仏国・ザーラ・アガカーン姫生産 馬主・ザーラ・アガカーン姫 仏国・A.ロワイユデュプレ厩舎
8代残牝先祖数 (7代残牝先祖数) |
4代血統構成 (資質固定指数) |
潜在能力値 | 少ない血etc |
---|---|---|---|
/128 (/64) |
x A A C (0.33) |
エンペリー | |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 何番仔? |
Doyoun (Queen of Speed) |
5.25 or 3.25 | (No.1-E) | 初仔? |
仏1000ギニーで、結果的にFinsceal Beoのトリプルギニー制覇を「アタマ」差で打ち破ったのはザーラ・アガカーン姫の愛馬Darjina。配合やボトムラインを見ると、紋切り型ですけれど「アガカーン的」という表現が適当ではないでしょうか。それにしても「曾祖母父エンペリー(1973.3.23)」が泣けます。
ダイワスカーレット 牝 栗毛 2004.5.13生 千歳・社台ファーム生産 馬主・大城敬三氏 栗東・松田国英厩舎
8代残牝先祖数 (7代残牝先祖数) |
4代血統構成 (資質固定指数) |
潜在能力値 | 少ない血etc |
---|---|---|---|
16/128 (13/64) |
A ★A z A (0.66) |
10.56 | Crimson Satan |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 何番仔? |
Beau Max (スカーレットブーケ) |
6.50 or 4.50 | 半兄ダイワメジャー (No.4-D) |
10番仔 (4連産目) |
ウオッカを紹介したのに、ウオッカを破った牝馬を紹介しない訳にはいきません。オークス(JpnI)回避は残念でしたけれど、緋色も鮮やかに、桜花賞(JpnI)馬ダイワスカーレット。また、秋に期待しましょう。この牝系には、淀は合うはず。
Eskimo Queen 牝 鹿毛 2003.9.26生 新国・P.セッチェル氏生産 馬主・G K V Holdings Ltd & Kenamon Trust 新国・M.モロネー厩舎
8代残牝先祖数 (7代残牝先祖数) |
4代血統構成 (資質固定指数) |
潜在能力値 | 少ない血etc |
---|---|---|---|
/128 (/64) |
A ★E A B (0.50) |
バーボンプリンス | |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 何番仔? |
シンコウキング | 3.75 | (No.18) | 3番仔 (不受胎後) |
最後に、日本に関連するところで、南半球から1頭ご紹介しておきたいと思います。1番人気でクイーンズランドオークス(豪GI)を制したEskimo Queen。その父はシンコウキング(1991.4.24)。むぅ、ドクターデヴィアス(1989.3.10)の弟、再びやってくれました。ねぇ、やっぱり距離をこなすのは父系ではなく牝系次第ですよ。 また、Eskimo Queenの母Cold Type(1992.11.11)の繁殖記録を調べたのですが、 Eskimo Queenが生まれるまでの5年間の内、4年もシンコウキングが付けられていました(笑)
という訳で今回は8頭ご紹介したのですが、ふと、ちょっとした共通点を見ました。それは、
- 母の活性値が1.75ポイントで交配されている馬が4頭、1.5ポイントで交配されている馬が1頭と、直近の世代交代が高い活性値の受け渡しでなされている
- 4代血統構成に0交配(あるいは0クロス)を持っている馬が8頭中6頭いる
ということです。
1点目については、Finsceal BeoとRags to Richesは母が満7歳時の交配、Light Shiftとダイワスカーレットは母が満15歳時の交配、West Windは母が満14歳時の交配でした。Finsceal Beoの英仏愛1000ギニーの全連対というタフネス、Rags to RichesのケンタッキーオークスからベルモントS制覇の背景には、母から受け渡された体力的な後押しがあったのかもしれませんね。
#中島理論的には料の遺伝が小さなウオッカ。しかし、彼女にはフロリースカップ系のバックボーンがあります。また、Darjinaはおそらく母の初仔、Eskimo Queenは母が不受胎後の仔という活力を生み出す要因がありました。
2点目については、各々の総括の4代血統構成をご参照ください。★、◆印が目印ですね。
なお、2点目について外れてしまう我が国のダービー馬についてフォローをしておくと、母父に配されたルション(1981.4.10)が、中島理論的にはかなり仕掛けられている種牡馬であることをご案内しておきます。ルションの4代血統構成は「Riverman×★Marshua’s Dancer×★Sea O Erin×★War Dog」と母方3代がいずれも0交配、そして父Riverman(1969)がその父Never Bend(1960)の0交配馬という背景から、極少数まで先祖の減る配合になっています-私の記憶が確かならば8代残牡先祖数は「1/128」-。実は、直接0でなくとも限りなく0に近い配合が行える、残牡先祖を上手に減らせる良い種牡馬でした。
また、2点目で外れてしまう、もう1頭のDarjina。これも上手いこと出来ています。父Zamindar(1994)が0.25ポイント、祖父Gone West(1984)も0.25ポイントという低活性値の受け渡しにより、Gone West以前の先祖は準0化の扱いです。また、母父Zilzal(1986)は父Nureyev(1977.5.2)と母父Le Fabuleux(1961)が0交配を与えています。合わせて、祖母父Doyoun(1985)もその父Mill Reef(1968.2.23)の0交配馬です。むぅ、サスガやな、アガカーン家。
今日はこんなところで。ではでは♪
コメント
>ウオッカ
大丈夫なんですかね。料の小さな馬なのにちょっと使い過ぎな気が。
海外の馬の個人的お気に入りはニアルコスファミリーが満を持してKingmamboを使って来たLight Shift、アガカーンスタッドのDarjinaです。
どちらもさすがは名門と思わせてくれます。
◎much_better様
いつもお世話になっております。
返信が遅くなってしまい、恐れ入ります。
ウオッカ。51kgで出走できる宝塚記念。
「まずは無事に」と思っています。
Light Shift。その血統を見直すと、
ニアルコス家の自家生産馬ばかりですね(笑)
サスガ。
Darjina。当初はこの記事には含めて
いなかったのですが、Finsceal Beoを
破った馬を入れない訳にはいかないと思い、
確認してみればやっぱりサスガでした(笑)
ではでは、コメントありがとうございました♪
ブログ以前のHP時代から拝見しておりました。(ひょっとして覚えてはるかな?)
以前は中島理論をエエ加減な形で馬券購入の根拠にしていただけでしたが、最近その信憑性、特に形相遺伝を改めて検証してみたくなり、「ped-net」から現役馬から過去の名馬まで、血統表をコピペして色々と調べています。(手間が掛かってしゃーない><)
その中で「ウオッカ(2004)」について、貴HPでは「トウショウボーイ」の形相を遺伝しているとありますが、これは間違っています。
トウショウボーイの顔を見ていただくと分かるのですが、彼にはウオッカのような流星はありません。
ウオッカとタニノギムレット、エナジートウショウとトウショウボーイの生年月日だけでは判別できませんが、仮にタニノギムレットを最優性先祖と考えると、その形相は「ロベルト(1969)」の遺伝となります。
下記HPでロベルトの画像が確認できます。彼の顔にはウオッカのような流星があります。
http://www.kznbreeders.co.za/News20122011a.html
今年のダービー馬の「キズナ」とその父「ディープインパクト」のように分かり易い場合は問題ありませんが、父馬との差が見かけ上0.25の場合、形相遺伝は毛色だけでなく、流星の有無や形状も判断材料にする方が良いと思います。
以上、ご参考に・・・・・。
すみません、一つ大きな勘違いをしていました。
ウオッカの場合、父系の形相を遺伝しているとしたら父のタニノギムレットでしたね。
お騒がせしました。
ただ形相の遺伝は、毛色だけなく流星などの特徴も引き継ぐ事になりますから、毛色の情報だけでなく、できる限り写真での馬体確認をすべきだと思います。
以上