土曜日の2歳戦の結果(2006/09/09分)。

土曜日の2歳戦の回顧です。オープン特別1クラ、新馬戦4クラ、そして未勝利戦1クラの合計6レース。

【札幌・コスモス賞(芝1800m)の勝ち馬】

ナムラマース 牡 黒鹿毛 2004.4.23生 静内・八田ファーム生産 馬主・奈村信重氏 栗東・福島信晴厩舎

  1. 4代血統構成(各父):『チーフベアハート×フレンチグローリー×Mr.Prospector×Hoist the Flag』
  2. 4代血統構成(父系):『Danzig系×Sadler’s Wells系×Raise a Native系×Ribot系』
  3. 5代血統表内のクロス:Northern Dancer4×4、Bold Ruler5×4(父方)、Gold Digger(♀)4×4
  4. 牝系:米国で継承されている1号族 伯父Brunswick、近親フォーティナイナー
  5. 母の何番仔?:6番仔(3連産目)

[Notes]札幌のコスモス賞で芝1800m1分48秒4という超抜の2歳コースレコードを計時してファンを驚かせました、ナムラマース。

ナムラマースの牝系は米国で受け継がれている1号族。伯父Brunswick(1989)は米8勝でホイットニーH(GI)の勝ち馬です。また、4代母Continue(1958)の直仔ヤマニン(1972.5.14)は米11勝でワイドナーH(GI)の勝ち馬、孫Swale(1981)は米9勝でケンタッキーダービー(GI)、ベルモントS(GI)などGI5勝の米2冠馬、同じく孫Chain Bracele(1977)は米9勝でトップフライトH(GI)など重賞3勝、同じく孫フォーティナイナー(1985.5.11)は米11勝でトラヴァーズS(GI)、シャンペンS(GI)、フューチュリティS(GI)、ハスケル招待H(GI)とGI4勝を挙げ名種牡馬として現在も活躍しています。

父チーフベアハート(1993.2.1)の種牡馬としての能力は大したものです。ナムラマースの血統にはGold Digger(1962)4×4の牝馬クロスがありますが、チーフベアハートの4代母がGold Diggerです。つまりは大種牡馬Mr.Prospector(1970.1.28)と同じ牝系ですね。

【札幌・新馬戦(芝1200m)の勝ち馬】

(市)ゴールドアラン 牡 鹿毛 2004.3.3生 静内・グランド牧場生産 馬主・(有)エーティー 栗東・昆貢厩舎

  1. 4代血統構成(各父):『スキャターザゴールド×★The Minstrel×◆Mr.Prospector×Dr.Fager』
  2. 4代血統構成(父系):『Mr.Prospector系×Northern Dancer系×Raise a Native系×Himyar系』
  3. 5代血統表内のクロス:Mr.Prospector2×3、Northern Dancer4×3、Native Dancer4×5×5×5
  4. 牝系:米国で継承されている3号族 従姉ゴッドインチーフ、従姉Cassandra Go、従兄Verglas
  5. 母の何番仔?:6番仔(不受胎および流産後)

[Notes]札幌の新馬戦を逃げ切って人気に応えました、ゴールドアラン。

ゴールドアランの牝系は米国で受け継がれている3号族。従姉ゴッドインチーフ(1996.3.19)は中央3勝でエルフィンS(OP)を勝ちファンタジーS(GIII)2着、チューリップ賞(GIII)2着、阪神3歳牝馬S(現阪神JF、GI)3着があります。エルフィンSの8馬身差勝ちを見た時には「牝馬クラシックはこの馬か」と思ったものですが……。同じく従姉Cassandra Go(1996.4.3)は愛英6勝でキングズスタンドS(英GII)、テンプルS(英GII)、キングジョージS(英GIII)の勝ち馬。従兄Verglas(1994.4.4)は愛米英3勝でコヴェントリーS(英GIII)の勝ち馬。また、伯父Glory Forever(1984)は仏米英2勝でトーマスブライアン賞(仏GIII)の勝ち馬です。遡れば、この牝系からはトーヨーリファール(1990.5.10)も輩出されています。

【中山・新馬戦(芝1600m)の勝ち馬】

(父)マイネディアマンテ 牝 鹿毛 2004.3.29生 新冠・川上牧場生産 馬主・(株)サラブレッドクラブ・ラフィアン 美浦・秋山雅一厩舎

  1. 4代血統構成(各父):『マヤノトップガン×ジェイドロバリー×サンシー×Gallant Man』
  2. 4代血統構成(父系):『Roberto系×Mr.Prospector系×Fine Top系×Bois Roussel系』
  3. 5代血統表内のクロス:Nasrullah5×5
  4. 牝系:14号族ハワイアンドーン系 半兄メイショウサライ、半兄キングジョイ、曾祖母メイワキミコ、近親ハワイアンイメージ 
  5. 母の何番仔?:6番仔(6連産目)

[Notes]中山の芝マイルの新馬戦を9番人気ながら先行2番手から押し切りました、マイネディアマンテ。

マイネディアマンテの牝系は4代母である米国産の牝馬ハワイアンドーン(1969.5.10)を日本の基礎繁殖とする14号族。はい、中島理論使いはよく知っている牝系ですね(笑)。マイネディアマンテの半兄メイショウサライ(2001.5.10)は中央現役ですばるS(OP)、サウジアラビアC(OP)の勝ち馬、同じく半兄キングジョイ(2002.4.16)は中央現役で小倉サマージャンプ(J・GIII)2着があります。また、祖母メインディッシュ(1983.3.10)は中央4勝でカーネーションC(OP)の勝ち馬。曾祖母メイワキミコ(1974.3.3)は中央7勝でスプリンターズS(現GI)を2回勝ち、レコードを3回記録した快速牝馬でした。特に中山ダート1200mのレコード1分9秒2は長らく日本レコードとして輝いていました。合わせて、4代母ハワイアンドーンの3番仔ハワイアンイメージ(1977.5.22)は中央11勝で皐月賞(現GI)、ラジオたんぱ賞(現ラジオNIKKEI賞、GIII)、福島記念(現GIII)の勝ち馬、6番仔プロメイド(1980.3.8)は中央3勝でカブトヤマ記念(旧GIII)の勝ち馬です。

時折、中島理論チックな配合を見せられる時がある川上牧場さん。明和牧場の牝系馬に「Northern Dancer & Native Dancer Free」の自家生産馬であるマヤノトップガン(1992.3.24)を付けて生産されたのが、マイネディアマンテ。応援したいですね。

#追記。なお、マイネディアマンテの伯父アラビアンナイト(1993.2.27)は、増沢由貴子騎手にJRA初勝利をもたらした馬として知られています。その父はビゼンニシキ(1981.4.26)でした。

【中京・新馬戦(ダート1000m)の勝ち馬】

(父)シクンシ 牡 鹿毛 2004.4.21生 三石・フクダファーム生産 馬主・(株)コトブキ陶春 栗東・佐藤正雄厩舎

  1. 4代血統構成(各父):『マーベラスサンデー×リンドシェーバー×ヴェンチア×ターキン』
  2. 4代血統構成(父系):『Halo系×Raise a Native系×Relic系×Pharis系』
  3. 5代血統表内のクロス:Nearctic5×5、Native Dancer5×5
  4. 牝系:11号族クレイグダーロッチ系 伯父スターペスタロウ、叔父スターペスシンタ
  5. 母の何番仔?:5番仔(5連産目)

[Notes]中京の新馬戦で3馬身半差の快勝を収めました、シクンシ。「シクンシ」とは「四君子」と書き、「蘭、竹、菊、梅の四種を、草木の君子として称えた言葉」とのことです。

シクンシの牝系は御料の11号族クレイグダーロッチ(1922)系。伯父リベラルワールド(1982.4.4)は地方21勝でサラブレッドグランプリ、サラブレッド大賞典、大天山賞、天山賞など主に九州で活躍。同じく伯父スターペスタロウ(1991.5.12)は中央7勝でリバーサイドS(OP)の勝ち馬です。また、叔父スターペスシンタ(1998.4.21)は中央6勝、地方1勝で阿蘇S(OP)、関越S(OP)の勝ち馬です。なお、スターペスタロウとスターペスシンタは共に父マジックマイルズ(1985.4.7)の全兄弟です。

【中京・新馬戦(芝1200m)の勝ち馬】

(父)イイデゴール 牝 黒鹿毛 2004.3.15生 三石・ 木田祐博氏生産 馬主・(株)アールエスエーカントリ 栗東・昆貢厩舎

  1. 4代血統構成(各父):『アドマイヤベガ×アローエクスプレス×ルイスデール×ハードウイン』
  2. 4代血統構成(父系):『Halo系×Grey Sovereign系×Owen Tudor系×Pharis系』
  3. 5代血統表内のクロス:なし
  4. 牝系:1号族マスリ系 半兄アサカリジェント、近親ジェットバージ、近親スイジン
  5. 母の何番仔?:17番仔(不受胎後)

[Notes]中京の新馬戦を先行3番手から押し切りました、イイデゴール。くぅ、血統が色々とシブすぎるぜ。

イイデゴールの牝系は4代母である英国産の牝馬マスリ(1959)を日本の基礎繁殖とする1号族。母ウインエキスプレス(1980.3.3)の5番仔で15歳年上の半兄にアサカリジェント(1989.3.17)。同馬は中央3勝で弥生賞(GII)、ヒヤシンスS(OP)を勝ち、皐月賞3着があります。また、曾祖母ヒダウイン(1969.2.8)の仔ジェットバージ(1976.3.25)は中央2勝で京成杯3歳S(現京王杯2歳S、GII)の勝ち馬。合わせて、4代母マスリの持込馬スイジン(1965.3.21)は中央11勝で七夕賞(現GIII)、新潟記念(現GIII)、福島記念2回と重賞4勝の活躍馬でした。

サラブレッドの世界で、15歳年上の兄に重賞勝ち馬がいるというのは、なかなかお目にかかれませんね。母ウインエキスプレスに、ただただ拍手を送るのみです。なお、母はイイデゴールの後に仔どもは産んでおらず、イイデゴールが最後の仔のようです。

あと、今日は私の趣味に走るために(笑)、未勝利戦の勝ち馬をピックアップ致します。

【札幌・未勝利戦(芝1500m)の勝ち馬】

(父)ニシノプライド 牡 芦毛 2004.5.9生 鵡川・西山牧場生産 馬主・西山茂行氏 栗東・宮本博厩舎

  1. 4代血統構成(各父):『★セイウンスカイ×ビショップボブ×ネヴァーダンス×◆Raise a Native』
  2. 4代血統構成(父系):『Forli系×Nearctic系×Never Bend系×Native Dancer系』
  3. 5代血統表内のクロス:Never Bend5×4、Native Dancer5×5(母方)
  4. 牝系:アメリカンファミリーの1号族 母ブランドアート、半姉ニシノフジムスメ
  5. 母の何番仔?:7番仔(7連産目)

[Notes]札幌の未勝利戦で3馬身半差の快勝を収めました、ニシノプライド。セイウンスカイ(1995.4.26)産駒として中央競馬で初めての勝ち馬となりました。

ニシノプライドの牝系はアメリカンファミリーの1号族。母ブランドアート(1989.4.29)は中央2勝でフラワーC(GIII)の勝ち馬、半姉ニシノフジムスメ(2003.4.20)は中央現役で忘れな草賞(OP)を勝ち、新潟2歳S(GIII)2着があります。母、半姉と、ごく近いところに重賞好戦馬がいるところは心強いですね。

ニシノプライドの配合は、父セイウンスカイの0交配、Never Bend(1960)の0クロス、Raise a Native(1961)の0クロスなど、近しいところで残先祖が減る配合になっています。ニシノプライドの配合について、中島理論的にまとめると、

ニシノプライドのB&B理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
セイウンスカイ
(Forli系)
ビショップボブ
(Nearctic系)
ネヴァーダンス
(Never Bend系)
Raise a Native
(Native Dancer系)
8代残牡先祖数
(7代残牡先祖数)
4代血統構成
(資質固定指数)
潜在能力値 少ない血etc
6/128
(2/64)
C  A  A  x
(0.50)
3.00 セイウンスカイ
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 何番仔?
Raise a Native
(Case Ace)
5.50 母はGIII勝ち馬
(No.A1)
7番仔
(7連産目)

かなり強力な遺伝の持ち主ということをお伝えしておきます。もう完全にえこひいきで未勝利戦勝ちのニシノプライドについて書いてみました。そりゃ、あれだけ強かった2冠馬の仔が中央で初めて勝ち上がったとなれば、記事を書かずにいられますかいな(笑)。

今日はこのくらいで。ではでは♪

#追記。案の定、PedNetにニシノプライドが登録されていなかった為、登録しておきました(笑)。

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