遅ればせながら日曜日の2歳戦の回顧です。新馬戦のみ3クラ。
【札幌・新馬戦(芝1800m)の勝ち馬】
(市)オーソリティバイオ 牡 芦毛 2004.2.4生 早来・ノーザンファーム生産 馬主・バイオ(株) 栗東・領家政蔵厩舎
- 4代血統構成(各父):『フレンチデピュティ×Kaldoun×★Fabulous Dancer×ジムフレンチ』
- 4代血統構成(父系):『Deputy Minister系×フォルティノ系×Northern Dancer系×Ribot系』
- 5代血統表内のクロス:Northern Dancer4×4
- 牝系:仏国で継承されている8号族 母オーベルゲイド、伯母Abbatiale
- 母の何番仔?:2番仔?(流産後)
[Notes]札幌の芝1800mの新馬戦を1分49秒9の好時計で勝ち上がりました、オーソリティバイオ。
オーソリティバイオの牝系は仏国で受け継がれている8号族。母オーベルゲイド(1996.3.26)は仏2勝でペネロープ賞(GIII)2着、ポモーヌ賞(GII)3着があります。また、伯母Abbatiale(1995)は仏3勝でペネロープ賞を勝ち仏オークス(GI)2着があります。代を遡れば、4代母Almyre(1964)の仔に仏古馬王者のAshmore(1971)、孫にBCクラシック(米GI)の勝ち馬アルカング(1988.3.12)、曾孫に仏オークスなどGI3勝のAquarelliste(1998)、同じく曾孫に英1000ギニー(GI)の勝ち馬Cape Verdi(1995.2.3)等が輩出されています。
なお、オーソリティバイオのボトムラインにおける各代の馬たちの名前について述べておくと、6代母Ad Altiora(1953)から始まり、5代母Ad Gloriam(1958)、4代母Almyre、曾祖母Abbey(1974)、祖母Anna Edes(1985)、母オーベルゲイド-Aubergade-と来て、オーソリティバイオ-Authority Bio-。見事に「A」で始まる名前となっています。上述のAshmore、アルカング-Arcangues-、Aquarellisteも同様ですね。
この牝系から出た馬にオーソリティバイオと名付けられた、馬主のバイオ(株)さんの見識の確かさを思いました。やるな。
【新潟・新馬戦(芝1600m)の勝ち馬】
マイネルーチェ 牝 黒鹿毛 2004.4.1生 新冠・ビッグレッドファーム生産 馬主・(株)サラブレッドクラブ・ラフィアン 美浦・上原博之厩舎
- 4代血統構成(各父):『★スペシャルウィーク×★サッカーボーイ×ニホンピロウイナー×テューダーペリオッド』
- 4代血統構成(父系):『Halo系×Fine Top系×Habitat系×Owen Tudor系』
- 5代血統表内のクロス:Northern Dancer5×5
- 牝系:16号族星旗系 近親タケノヒエン
- 母の何番仔?:4番仔(4連産目)
[Notes]新潟のマイルの新馬戦を7番人気ながら見事に勝ちました、マイネルーチェ。「Meine Luce」、独語(意味「私の」)と仏語(意味「光」)の混合ですね。
マイネルーチェの牝系は御料の16号族星旗(1924)系。半兄マイネルグリッツァ(2003.2.10)は中央現役です。昨年、未勝利戦を勝ち上がった際にはコメントを掲載しました。また、今年の6月に芝2000mの500万平場戦を勝った際には、「まさかマイネルラヴの仔が芝2000mのレースを勝つとは」と思いました。また、いきなり遡りますが、曾祖母トキノカホウ(1970.3.9)の仔タケノヒエン(1980.3.24)は中央4勝でスプリングS(現GII)、毎日杯(現GIII)の勝ち馬です。合わせて、5代母梅城(1945.2.19)は競走名「ハマカゼ」として中央13勝で桜花賞(現GI)、京都記念・春(現京都記念、GII)を勝ち菊花賞(現GI)2着があります。ということは、6代母は月城(1932.3.22)。同牝馬は「クレオパトラトマス」の競走名で16勝を挙げ、デビュー2週間後に帝室御賞典(現在の天皇賞の前身)を勝った名牝です。クレオパトラトマスの半弟が東京優駿競走(現東京優駿、GI)の勝ち馬にして名種牡馬のクモハタ(1936.3.4)ですね。……遡りすぎました(苦笑)。
【小倉・新馬戦(芝1800m)の勝ち馬】
(父)(市)タキオンプリンセス 牝 栗毛 2004.1.28生 厚真・阿部栄乃進氏生産 馬主・岸田勝宏氏 栗東・服部利之厩舎
- 4代血統構成(各父):『アグネスタキオン×ディクタス×ノーザンテースト×ミラルゴ』
- 4代血統構成(父系):『Halo系×Fine Top系×Northern Dancer系×Aureole系』
- 5代血統表内のクロス:なし
- 牝系:1号族 近親ハギノスプレンダー
- 母の何番仔?:11番仔(2連産目)
[Notes]小倉の新馬戦を先行3番手から抜け出して1番人気のヴィヴァルディ(2004.3.9)を抑えて勝ち上がりました、タキオンプリンセス。
タキオンプリンセスの牝系は曾祖母である英国産の牝馬マラベル(1965)を日本の基礎繁殖とする1号族。祖母ダイナサベージ(1979.3.26)の孫ハギノスプレンダー(1996.2.16)は中央5勝でアネモネS(OP)を勝ち、桜花賞では5着でした。そうそう、ハギノスプレンダーといえば、7歳2月の斑鳩S(準OP)勝ちもありますね。牝馬ながら息の長い活躍を見せてくれた馬でした。また、ハギノスプレンダーの半妹ハギノプリンセス(2003.4.18)は、「サンデーサイレンス最後の仔」という触れ込みで、関西テレビがずっと追いかけている馬として知られています。合わせて、ダイナサベージの曾孫ハギノコマチ(2002.3.2)は中央1勝で阪神JF(GI)4着があるジェリ(1992.2.5)の代表産駒です。ハギノコマチの急逝は残念でした。
今日はこれくらいで。ではでは♪