日曜日の2歳戦の結果(2006/08/13分)。

日曜日の2歳戦の回顧です。新馬戦のみ4レース。

【札幌・新馬戦(ダート1000m)の勝ち馬】

ファイトソング 牝 鹿毛 2004.3.4生 静内・グランド牧場生産 馬主・グランド牧場 美浦・伊藤圭三厩舎

  1. 4代血統構成(各父):『アサティス×Comedy Star×Sir Tor×Fine Top』
  2. 4代血統構成(父系):『Northern Dancer系×Tom Fool系×Round Table系×Gainsborough系』
  3. 5代血統表内のクロス:Tom Fool5×3、Round Table4×4
  4. 牝系:仏米で継承されている16号族 全兄スナークレイアース
  5. 母の何番仔?:14番仔以降の仔(14連産目以降)

[Notes]札幌のダートの新馬戦を4番人気で勝ち上がりました、ファイトソング。

ファイトソングの牝系は仏米で受け継がれている16号族。全兄スナークレイアース(1995.4.26)は中央10勝、地方2勝で白山大賞典(統一GIII)、マーキュリーC(GIII)を勝ち、統一GII2着2回、統一GIII2着3回、統一GII3着1回、統一GIII3着3回とダート路線で長く活躍し、現年齢表記11歳となる今年2006年まで現役でした。個人的には東京や新潟、直線の長いコースでキレイに勝ち切る印象がある馬でした。兄が引退した後に、その妹がすぐに私たちの目の前に現れてくれたのは、嬉しいことですね。

頑張って、ファイトソング♪

【札幌・新馬戦(芝1800m)の勝ち馬】

(父)マンハッタンバー 牡 鹿毛 2004.3.16生 様似・小田誠一氏生産 馬主・芹澤精一氏 美浦・佐藤吉勝厩舎

  1. 4代血統構成(各父):『マンハッタンカフェ×★トウショウボーイ×レイズアボーイ×マリーノ』
  2. 4代血統構成(父系):『Halo系×Princely Gift系×Raise a Native系×Wild Risk系』
  3. 5代血統表内のクロス:なし
  4. 牝系:10号族デヴォーニア系
  5. 母の何番仔?:7番仔(5連産目)

[Notes]札幌芝1800mの新馬戦を1分49秒5の2歳レコードタイムで制しました、マンハッタンバー。おお、マンハッタンカフェ(1998.3.5)の仔、やるな。

マンハッタンバーの牝系は1928年に社台牧場が米国から輸入された10号族デヴォーニア(1925)系。近親にはブラックタイプの活躍馬はおらず、曾祖母シャダイヒマラヤ(1972.4.23)の仔にイブキラーゼン(1981.3.14)が見えるくらいです。イブキラーゼンは中央3勝で1984年の日本ダービー(GI)に出走した3頭のソルティンゴ(1975.2.16)産駒の1頭です。なお、あと2頭のソルティンゴ産駒はスズパレード(1981.3.21)とラッシュアンドゴー(1981.4.2)です。

#マンハッタンバーの牝系について書くネタが少ないので、脇道に逸れて、ソルティンゴ産駒に関して触れておきます。上述のスズパレードは、言わずと知れた宝塚記念(GI)の勝ち馬にして重賞8勝を挙げた中距離の名職人でした。ラッシュアンドゴーは、青葉賞(現GII、当時OP)の第1回の勝ち馬です。

この両馬を結びつけるキーワードは、ソルティンゴ産駒であることと、岡田繁幸さんですね。スズパレードは今はなき柏台牧場さん(現在は社台ファームに買収されて日高社台ファーム)の生産馬ですが、その配合を考えられたのは岡田さんだったそうです。また、後に柏台牧場さんが送り込まれたスーパークリーク(1985.5.27)の配合も岡田さんのアドバイスだったとか。あと、ラッシュアンドゴー。こちらはビッグレッドファームの生産馬ですね。ラッシュアンドゴーが菊花賞に出走した際、出走馬紹介のコメントで

「今は亡き第三一代の菊花賞馬ダテテンリュウが眠るビッグレッドファームが、自信を持って菊の舞台に送るラッシュアンドゴー」

-杉本清著、『あなたのそして私の夢が走っています』(双葉社)、P120より。-

と杉本清さんが紹介されたところ、岡田さんの奥さん、すなわち美佐子さんが涙を流されたそうです。

【新潟・新馬戦(芝1200m)の勝ち馬】

(市)トーセンフーガ 牡 鹿毛 2004.3.10生 静内・服部牧場生産 馬主・島川隆哉氏 美浦・古賀史生厩舎

  1. 4代血統構成(各父):『タイキシャトル×ホリスキー×リィフォー×パーソロン』
  2. 4代血統構成(父系):『Halo系×Nijinsky系×Lyphard系×My Babu系』
  3. 5代血統表内のクロス: Nijinsky4×4、Northern Dancer5×5×5
  4. 牝系:14号族タイランツクヰーン系
  5. 母の何番仔?:5番仔(5連産目)

[Notes]新潟の新馬戦を楽々と逃げ切り勝ちしました、トーセンフーガ。

トーセンフーガの牝系は小岩井の14号族タイランツクヰーン(1928)系。トーセンフーガの近親はブラックタイプが見当たらず、細々と世代交代を繰り返している模様。ただ、4代母ウインターメール(1966)が不出走、曾祖母カイトーヒカリ(1973)が中央1勝、祖母シュンミサキ(1982.3.29)が中央3勝、母ローレンシア(1993.3.7)が中央4勝と徐々に成績を上げていっています。牝系が上げ潮になって来た時に現れたのがトーセンフーガということでしょうか。

あと、トーセンフーガの血統表を見て、いちばん最初に思ったのは、母方の「ホリスキー×リィフォー×パーソロン」という累代種牡馬でした。この3代の組み合わせはセントライト記念(GII)の勝ち馬ラガーチャンピオン(1990.4.27)、小倉3歳S(現小倉2歳S、GIII)の勝ち馬コウエイロマン(1996.3.7)、先の小倉サマージャンプ(J・GIII)でアッと言わせたコウエイトライ(2001.4.8)等の組み合わせとまったく同じです。Northern Dancer(1961.5.27)インブリードで印象に残る組み合わせだったので気付いただけですけれど、相性の良い組み合わせなのかもしれませんね。まま、もっとも、ラガーチャンピオン、コウエイロマン、コウエイトライは近親馬どうしです(笑)。ラガーチャンピオンの全姉ダンツビューティ(1987.3.11)の仔が、コウエイロマン、コウエイトライ姉妹ですね。

【小倉・新馬戦(芝1200m)の勝ち馬】

アーバンストリート 牡 芦毛 2004.4.4生 静内・曾田農園生産 馬主・後藤繁樹氏 栗東・野村彰彦厩舎

  1. 4代血統構成(各父):『スウェプトオーヴァーボード×Theatrical×Known Fact×◆Nearctic』
  2. 4代血統構成(父系):『Mr.Prospector系×Nureyev系×Intent系×Nearco系』
  3. 5代血統表内のクロス:Northern Dancer5×4、Nearctic5×4
  4. 牝系:米英で継承されている2号族 伯母クロフネミステリー、伯父タイキパイソン、叔父タイキエニグマ
  5. 母の何番仔?:2番仔(2連産目)

[Notes]小倉の新馬戦を粘り強く逃げ切りました、アーバンストリート。

アーバンストリートの牝系は米英で受け継がれている2号族。伯母クロフネミステリー(1990.3.3)は日米6勝でディスタフH(GII)3着があります。ディスタフHの折は、準オープン勝ち馬の米国重賞挑戦ということで、1995年当時、話題となっていました。伯父タイキパイソン(1991.3.22)は中央7勝でガーネットS(現GIII、当時OP)の勝ち馬にして、ダート1400m1分21秒9のJRAレコードホルダー。10年経った現在も破られていないのですから、そのタイムは秀逸。叔父タイキエニグマ(2001.4.20)は中央現役で師走S(OP)を勝ち根岸S(GIII)2着があります。また、従兄ナムラビッグタイム(2001.4.10)は中央4勝でもみじS(OP)、福島2歳S(OP)、ラベンダー賞(OP)を勝ち、NZT(GII)3着、ファルコンS(GIII)3着があります。合わせて、従姉タイキメビウス(1997.4.29)は中央4勝でアイビスサマーダッシュ(GIII)3着があります。近親の活力充分、というところですね。

ではでは♪<2006/08/15 16:54 仮投稿を改定>

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