遅ればせながら日曜日の3歳戦の回顧です。重賞1クラ、500万特別戦1クラ、500万平場戦2クラ、新馬戦3クラ、計7レース。
第43回弥生賞(GII)。
1着アドマイヤムーン(2003.2.23)。同生産牧場、同馬主、同厩舎、同騎手による、2日連続のクラシックトライアル制覇でした。強いなぁ、エンドスウィープ(1991.5.31)のラストクロップ。現3歳は駒が揃いまくりの松田博資厩舎の大将、堂々とクラシックの主役に躍り出ました。ところで、アドマイヤムーンって、2005年7月20日時点でマル市馬ではなくなっていたんですね。JRAサイトの3月4日付のお知らせで初めて知りました。
2着グロリアスウィーク(2003.5.16)。ゴール前はエエ脚色でしたよ。顔の流星や薄手の体型から、お父さんを思い起こさせます。まだ走っていない府中が良さそうな血統構成と思います。これからが楽しみになりました。
◎○▲△× ◎○▲△× ◎○▲△× ◎○▲△× ◎○▲△×
阪神の雪割草特別(芝1400m)を制したのはユメノオーラ(2003.4.24)。前走エルフィンS(OP)2着から挑んだ一戦、見事に差し切りました。ところで、渡辺薫彦騎手と雪割草特別の組み合わせでバンブーピノ(1993.6.1)を思い出した方、いらっしゃいましたら、お申し出ください(笑)。冗談はさておき、以下に2005年12月11日に未勝利戦を勝ち上がった際のコメントを再掲しておきます。
<再掲分>阪神の未勝利戦(芝1400m)を勝ち上がったのは(市)ユメノオーラ(2003.4.24、牝、鹿毛)。栗東・川村禎彦厩舎の所属。その4代血統構成は『マイネルラヴ×サンデーサイレンス×パークリージェント×マルゼンスキー』で『Mr.Prospector系×Halo系×Vice Regent系×Nijinsky系』の配合です。5代血統表内ではNorthern Dancer5×5のクロスがあります。ユメノオーラの牝系は5代母である米国産の牝馬ギャラントグロウ(1968.5.21)を日本の基礎繁殖とする4号族。祖母ホクトペンダント(1993.3.23)は中央2勝で4歳牝馬特別(現フィリーズレビュー、GII)2着、桜花賞5着があり、曾祖母ホクトビーナス(1986.3.14)は中央2勝で桜花賞2着があります。またホクトビーナスの半兄ホクトヘリオス(1984.4.3)は中央6勝で中山記念、東京新聞杯(GIII)、京王杯AH(現京成杯AH、GIII)、京成杯3歳S(現京王杯2歳S、GII)、函館3歳S(現函館2歳S、GIII)と重賞5勝の活躍馬です。他にもホクトビーナスの仔で中央8勝を挙げオープン特別4勝の快速ホクトフィーバス(1991.3.27)、ヘリオスとビーナスの半弟で中央4勝を挙げ朝日杯3歳S(現朝日杯FS、GI)3着のホクトフィル(1990.3.23)などがいます。ユメノオーラは母レッダンゴールド(1997.6.30)が2連産目の2番仔。
中山の500万平場戦(芝1200m)を制したのはコスモスカイライン(2003.4.16)。以下に2005年9月18日に未勝利戦を勝ち上がった際のコメントを再掲しておきます。
<再掲分>中山の未勝利戦(芝1200m)を勝ち上がったのは(市)コスモスカイライン(2003.4.16、牝、栗毛)。美浦・矢野進厩舎の所属。その4代血統構成は『グラスワンダー×グルームダンサー×Stop the Music×★Never Bend』で『Roberto系×Blushing Groom系×Hail to Reason系×Nasrullah系』の配合です。5代血統表内ではHail to Reason(1958)4×4、Northern Dancer4×5、Nasrullah(1940.3.2)5×5(母方)のクロスがあります。コスモスカイラインの牝系は米国で受け継がれている13号族。4代母Natashka(1963)は米8勝を挙げアラバマS(現GI)、サンタマリアH(現GI)等の勝ち馬で1981年の米国年度代表繁殖牝馬です。名繁殖牝馬としても知られるNatashka。日本に関わりのある子孫を述べておくと、オークス(GI)馬シルクプリマドンナ(1997.4.22)、ステイヤーズS(現GII、当時GIII)の勝ち馬サージュウェルズ(1991.2.22)、輸入種牡馬サウスアトランティック(1980.5.14)、ジャパンカップ(GI)に出走した事もあるゴールドアンドアイボリー(1981.4.5)等がいます。コスモスカイラインは母レーシングスパイス(1996.5.23)が2連産目の2番仔。
阪神の500万平場戦(ダート1200m)を制したのは(地)モエレフィールド(2003.4.25、牡、鹿毛)。美浦・中野栄治厩舎の所属。その4代血統構成は『★フィールドアスカ×ダンシングブレーヴ×サクラユタカオー×ハンターコム』で『Mr.Prospector系×Lyphard系×Princely Gift系×Dante系』の配合です。5代血統表内ではRaise a Native(1961)4×5のクロスがあります。モエレフィールドの牝系は6代母である米国産の牝馬フォルカー(1948.4.2)を日本の基礎繁殖とする13号族。4代母シャダイターキン(1966.3.16)はその父ガーサント(1949.4.5)が16歳時交配の0遺伝馬で、中央5勝を挙げオークス(現GI)を勝ちました。シャダイターキンの仔に中央5勝で牝馬東京タイムズ杯(現府中牝馬S、GIII)の勝ち馬ダイナアルテミス(1984.3.30)、孫に中央7勝で天皇賞・秋(GI)など重賞3勝のレッツゴーターキン(1987.4.26)がいます。モエレフィールドは母ロングテンシン(1999.3.2)の初仔。マイナー種牡馬の0遺伝と母の初仔の活力、モエレフィールドの活躍、これからも楽しみにしましょう。
中山の新馬戦(芝2000m)を勝ち上がったのはマルターズロビン(2003.5.7、牡、栗毛)。美浦・柴崎勇厩舎の所属。その4代血統構成は『★タイキシャトル×★Deputy Minister×Affirmed×★Never Bend』で『Halo系×Northern Dancer系×Raise a Native系×Nasrullah系』の配合です。来たな、0遺伝の塊り馬(笑)。5代血統表内ではNorthern Dancer(1961.5.27)5×4のクロスがあります。マルターズロビンの牝系は米国で受け継がれている13号族。祖母Adira(1986)は米10勝でパッカーアップS(GIII)2着があります。曾祖母Adlibber(1977)は米9勝でクリサンセマムH(GIII)3着があります。マルターズロビンは母デピュティアディラ(1996.4.14)が3連産目の3番仔。6番人気を跳ね返して勝ち上がった中島理論的良馬、これからも注目ですね。
阪神の新馬戦(ダート1400m)を勝ち上がったのは(父)キルシュワッサー(2003.3.6、牝、栗毛)。栗東・長浜博之厩舎の所属。その4代血統構成は『サクラバクシンオー×Seeking the Gold×ポリッシュネイビー×Riva Ridge』で『Princely Gift系×Mr.Prospector系×Danzig系×Turn-to系』の配合です。キルシュワッサーの牝系は米国で受け継がれている20号族。曾祖母Blitey(1976.5.8)は米8勝でテストS(現GI、当時GII)、マスケットH(GII)の勝ち馬です。そしてBliteyの仔にDancing Spree(1985)。同馬は米10勝を挙げBCスプリント(GI)、サバーバンH(GI)、カーターH(GI)、トゥルーノースH(GII)と重賞4勝を挙げました。また、同じくBliteyの仔Fantastic Find(1986)は米6勝でヘンプステッドH(GI)の勝ち馬、同じく仔Dansing All Night(1984)は米4勝でロングアイランドH(GII)の勝ち馬です。キルシュワッサーは母ナミビア(1997.2.18)が少なくとも3連産目の3番仔以降の仔。
阪神の新馬戦(芝2000m)を勝ち上がったのはバンブートヨタ(2003.5.4、牡、鹿毛)。栗東・谷潔厩舎の所属。その4代血統構成は『キャプテンスティーヴ×★El Gran Senor×Graustark×★Summer Tan』で『Damascus系×Northern Dancer系×Ribot系×Hyperion系』の配合です。シブい組み合わせですねー。やるな、バンブー牧場さん。5代血統表内ではNorthern Dancer4×3、Native Dancer(1950.3.27)5×5のクロスがあります。バンブートヨタの牝系は米国で受け継がれている19号族。叔父Jambalaya Jazz(1992)は米9勝でケンタッキージョッキークラブS(GIII)の勝ち馬です。また、曾祖母Queen’s Paradice(1969)の仔Tempest Queen(1975)は米8勝でエイコーンS(GI)、スピンスターS(GI)など重賞4勝で米3歳牝馬王者、同じく仔Love you by heart(1985)は米8勝でブラックへレンH(GII)、シープスヘッドベイH(GII)など重賞5勝の活躍馬です。バンブートヨタは母サンライズモーニング(1990.6.5)が2連産目の6番仔以降の仔。
中島理論的に楽しみな仔が勝ち上がった、日曜日の3歳戦の結果でした。ではでは。
コメント
サクラメガワンダーはアドマイヤムーンにコンプレックスを持ってしまったようですね…。
◎chike様
はじめまして、オオハシと申します。よろしくお願い致します。辺境競馬blogへのコメント投稿、ありがとうございました。
>コンプレックス
うーむ、3歳春の前哨戦の評価は微妙なんですよね。中島御大は、ネオユニヴァースとサクラプレジデントとの3歳春時点での争いを解説されていましたが、精神的あるいは肉体的に完全に仕上がっていない前哨戦では、極限状態になく、深度のコンプレックスを受けるのかどうかの判断に迷ってしまいます。
また、競り合いということであれば、サクラメガワンダーは昨年のラジオたんぱ杯2歳Sでアドマイヤムーンを一度負かしていますしねー。2歳戦とはいえ。
まま、いずれにせよ、次の皐月賞が注目の一戦ですね。
以上でございます。
ラジオ短波杯2歳ステークスでは競り合いがもっと長く続きそうな感じでしたのでコンプレックスに関して除外した方が良いと思いましたが
◎chike様
お世話になっております。
>コンプレックス
判断は人それぞれですね。難しい。
私は、少なくとも3歳春くらいまでは、勝ち負けを繰り返している相手であれば、巻き返すことは可能と思っています。負けっぱなしではダメですが(笑)。
あ、もし、「オオハシは、ラジオたんぱ杯2歳Sの結果、アドマイヤムーンがサクラメガワンダーに対してコンプレックスを持ったと判断した」と思われたのであれば、言葉足らずで申し訳ありませんでした。
まだ、両者の決着はついていないと思っています。
以上でございます。