近年の活躍馬について、ニックスによる簡単な分類をしてみようという企画です。その第2回はPhalaris(1913)系×St.Simon(1881)系。
Eclipse(1764.4.1)系どうしの組み合わせですけれど、それぞれに分枝が進み、近代では有力なニックとして定着しています。フェデリコ・テシオのNearco(1935.1.24)やRibot(1952.2.27)もこのニックで輩出されています。欧米、特に米国では『Nasrullah系×Princequillo系』の組み合わせが黄金のニックとなりました。Mill Reef(1968.2.23)、Secretariat(1970.3.30)、Seattle Slew(1974.2.15)、Riverman(1969)等をはじめとして、活躍馬が多く輩出されています。
このニックにおける日本のGI級の活躍馬とその戦績をざっと挙げてみますと、
【牡馬・せん馬】
マンハッタンカフェ(1998.3.5) 菊花賞 天皇賞・春 有馬記念
タップダンスシチー(1997.3.16) ジャパンカップ 宝塚記念
タケホープ(1970.3.24) 日本ダービー 菊花賞 天皇賞・春
カブラヤオー(1972.6.13) 日本ダービー 皐月賞
サクラチヨノオー(1985.2.19) 日本ダービー 朝日杯3歳S
バンブーアトラス(1979.4.27) 日本ダービー
バンブービギン(1986.4.19) 菊花賞
ナリタタイシン(1990.6.10) 皐月賞
レガシーワールド(1989.4.23) ジャパンカップ
レッツゴーターキン(1987.4.26) 天皇賞・秋
プレクラスニー(1987.6.10) 天皇賞・秋
ダイユウサク(1985.6.12) 有馬記念
ダンツシアトル(1990.5.13) 宝塚記念
メジロライアン(1987.4.11) 宝塚記念
シンコウキング(1991.4.24) 高松宮杯
フジキセキ(1992.4.15) 朝日杯3歳S
コガネタイフウ(1987.6.12) 阪神3歳S
【牝馬】
エイシンサニー(1987.3.29) オークス
【外国馬】
ゴールデンフェザント(1986.4.23) ジャパンカップ
もうちょっとたぐれば、タニノムーティエ(1967.5.9)、キョウエイプロミス(1977.4.14)、スリージャイアンツ(1975.4.3)などもいますね。
世代交代が進み、最近は繁殖牝馬の祖母父、曾祖母父にSt.Simon系が配されている事が多くなっています。直接のニックというよりは、母がそのニックを持っているという感じですね。
今回挙げた馬たちを見ると、全体的に根性駆けをする馬が多い印象ですね。「決勝点前でわずかに抜け出して小差勝ちができる底力」みたいなものを感じます。 ...と書きましたが、タップダンスシチーは宝塚記念で失速しましたね(苦笑)。
#ニックの話題からは離れますが、ナリタタイシン、プレクラスニー、ダイユウサク、コガネタイフウの4頭は6月の遅生まれです。しかも前2頭は同じ6月10日生まれ、後2頭も同じ6月12日生まれです。今日でもやはり珍しい6月生まれの活躍馬、このニックで4頭も揃いました。