第140回愛ダービー(GI)の結果とMontjeu産駒について。

欧州のダービー戦線も佳境を迎えつつあります。英ダービー(GI)2着馬Wark in the Park(2002.1.20)と仏ダービー(GI)2着馬Hurricane Run(2002.4.13)の「Montjeu(1996.4.4)産駒対決」となった第140回愛ダービー。結果は、Hurricane RunがScorpion(2002.2.5)を半馬身抑えて優勝したとのこと。2着馬のScorpionもMontjeu産駒です。

Montjeuは現3歳世代が初年度産駒です。産駒の活躍は目覚ましく、英ダービー1、2着、仏ダービー2着、愛ダービー1、2着と欧州主要ダービー戦線で産駒が上位にビシバシ入っています。恐るべしは種牡馬Montjeu。永らく後継種牡馬がいないと叫ばれたSadler’s Wells(1981.4.11)ですが、ここに来て後継の真打ち登場の様子。

Montjeu自身の4代血統構成は『Sadler’s Wells×★Top Ville×★Tennyson×ゼダーン』で、『Northern Dancer系×Dante系×Blandford系×Grey Sovereign系』の配合です。「母方の2回の0交配が種牡馬としての能力を支えている」というのが、中島理論的な解釈としては正しいですね。母方の2回の0交配という事では、よく似た配合の種牡馬にスターオブコジーン(1988.4.5)やティッカネン(1991.1.23)がいます。産駒のスケールはずいぶんと違いますが(笑) 。

これだけMontjeu産駒が走ると、産駒の血統構成がどうなっているか、ちょっと気になりますよね。という訳で、現時点での代表産駒4頭の血統構成を以下にまとめておきます。

英ダービー馬Motivator(2002.2.22)
『Montjeu×Gone West×Sharpen Up×Buckpasser』。
『Northern Dancer系×Mr.Prospector系×エタン系×Tom Fool系』。潜在能力値『5.00』。

愛ダービー馬Hurricane Run。(同馬は仏ダービーでは2着)
『Montjeu×★Surumu×Sharpen Up×Sheshoon』。
『Northern Dancer系×Dark Ronald系×エタン系×Hurry On系』。潜在能力値『2.25』。

英ダービー2着馬Wark in the Park。
『Montjeu×Robellino×Kris×ボールドアンドフリー』。
『Northern Dancer系×Hail to Reason系×エタン系×Bold Ruler系』。潜在能力値『7.50』。

愛ダービー2着馬Scorpion。
『Montjeu×Law Society×★Kalamoun×Levmoss』。
『Northern Dancer系×Ribot系×ゼダーン系×Djebel系』。潜在能力値『4.29』。

えーと、4頭のうち3頭が祖母父にエタン(1961.3.14)系を持ち合わせていますねぇ(笑)。

エタン系は近年ではダービー馬やクラシックディスタンスの活躍馬の血統構成によく現れている印象があります。英ダービー馬ではHigh Chaparral(1999.3.1)がやはり祖母父にKris(1976)を持っています。また、Krisとその全弟Diesis(1980)は、兄弟で合計5頭の英オークス(GI)馬を送り込んでいます。日本でも2冠馬ネオユニヴァース(2000.5.21)、オークス(GI)2着馬チューニー(2000.3.18)の母父がKrisですし、同じくオークス2着馬のチャペルコンサート(1999.1.31)の母父がSharpo(1977)ですね。現代競馬においては、重要な血統構成因子となっているようです。

Montjeu産駒のおさらいをしたlogでした。今日はこんなところで。

コメント

  1. blandford より:

    ぱっと見て僕もすぐに「ずいぶんエタンがいるなあ」と思いました。ブリーダーズCをかつて1着同着したハイチャパラルとジョハーもエタンがいるんですよね。Mr.Prospectorを経由していないNative Dancer系というと、いかにも根性なしのイメージなんですが、だいぶん様相が変わってきたのかも?

    それにしても恐るべしはモンジュー。
    中島御大の言うように、本当はBlandford系なんじゃないの?と、少し思ってしまうあたりが我ながら怖い(笑)

    母父Gone Westといえば、函館でどえらい勝ち方をしたアドマイヤカリブもかなりの大物と見ましたが、果たしてどうでしょうか?
    アドマイヤカリブも「実はMatchem系かもしれない」サクラバクシンオーが父、というところまで少し似ています(笑)

  2. かろむわん より:

    ●blandford様
    毎度ご贔屓、ありがとうございます。

    ジョハー(1999.2.28)、いましたねぇ。『Gone West×Lear Fan×Sharpen Up×Sir Gaylord』という配合で、来日した際に血統を調べた折「うーん、これは平坦向きじゃないかなぁ。府中のJCはどうやろ」と思い当時の日記にも書きました。雨と調整過程の問題にもたたられて、案の定、惨敗してしまいましたよね(苦笑)。

    Gone Westとエタンの組み合わせは、Native Dancerの0クロスとMixed Mariaggeの牝馬クロスが発生する為によい配合なんだなと、今年の英ダービー馬のおかげで改めて思いました。

    えーと、Sadler’s Wellsのダミー説は、「本当だったらいいなぁ」くらいにとどめています(ニヤリ)。

    アドマイヤカリブ。デザーモ騎手がそのフットワークを褒めちぎっているあたり、大物なんでしょうね。曾祖母父のAck Ackが良い感じです。ナムラビッグタイムのように、早枯れになってしまわない事を祈っております。

    えーと、Princely Giftのダミー説は、「本当だったら面白いなぁ」くらいにとどめています(ニヤリ)。

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