えー、来る6月26日に春のグランプリが開催されます。下馬評では「タップダンスシチー(1997.3.16)とゼンノロブロイ(2000.3.27)の一騎討ち」という様相。
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タップダンスシチー、8歳。競馬ブックの誌上PHOTOパドックを見る限り、衰えなどまったく感じさせない、まだまだ若い馬体。大きなオメメが特徴的で、白目の部分が多くて人間みたいな眼ですね。ちょっといかつい感じ。写真からでも、さすがにボスの風格を漂わせています。競馬のレースぶりは、後続にプレッシャーを与えるべく先行抜け出しのパターン。佐藤哲三騎手がよく把握されているのでしょう。Ribot(1952.2.27)系のボス馬は、わんぱくなガキ大将みたいに、ああいう半ば強引な競馬を見せ続けて欲しいものです。
そんなタップダンスシチーの4代血統構成は、『Pleasant Tap×★Northern Dancer×★Bold Hour×★T.V.Lark』。Nearco(1935.1.24)系の0交配を3回重ねられたところで、Ribot系の父が配されました。オーナーサイド、そして佐々木晶三調教師の忍耐が実り、5歳秋に開花。以降、ずっとトップホースであり続けています。若い時にそれほど無理をせずに大成した晩成の名馬ですね。
現在のタップダンスシチーの、叩き2戦目における強さは、皆様ご存知のとおり。「臨戦過程で分がある」という巷間の評判どおり、ここは負けられないところ。彼の良いところは、何より佐々木調教師、佐藤騎手を始めとするスタッフの方々が、本当に自信を持っている事でしょう。佐々木調教師の穏やかな矜持が、彼にさらなる滋養を与えている気がしてなりません。
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ゼンノロブロイ、5歳。昨年秋に天皇賞・秋(GI)、ジャパンカップ(GI)、有馬記念(GI)とGI3連勝。それまで見せていた詰めの甘さがウソのような変身ぶりでした。競馬ブックの誌上PHOTOパドックを見ると、銭形模様の浮き上がる薄い皮膚の馬体が美しいですね。また、涼やかで、かつ思慮深い目をしています。こちらのボスは泰然自若という感じです。ひとつの勝利で、殻が破れたんでしょうね。もっとも、3歳秋の神戸新聞杯(GII)の圧勝で「あー、強いなぁ」と思った私たちにとっては、その開花が遅すぎたくらいですけれど。
さてゼンノロブロイの4代血統構成は、『サンデーサイレンス×マイニング×Clever Trick×Pia Star』。枚挙に暇がないSS産駒のGIホースです。母ローミンレイチェル(1990.4.18)は、バレリーナH(米GI)を制した活躍馬。ゼンノロブロイ自体は、5代アウトクロスのさっぱりしたアウトブリード馬です。Northern Dancer(1961.5.27) Freeで、Native Dancer(1950.3.27)の0化がなされています。
既報ですが、ゼンノロブロイのオーナーである大迫忍氏(→同氏が最高顧問を務めた株式会社ゼンリン)が先日逝去された事もあり、ここは「手向けの一戦」という感じも致します。似たようなケースが、かつて、1993年のスプリンターズS(GI)でありました。ケント・デザーモ騎手も心強く、海外遠征に箔をつけたいところです。鞍上には米国の名手、そして背中を押す「見えざる力」。あとは久々との戦いだけ、ですね。
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上位2頭に関するlogが長くなりましたね。その他の馬については、また明日以降にでも。