日曜日の2歳戦の回顧です。500万特別1クラ、500万平場1クラ、新馬戦2クラ、未勝利戦6クラ、合計10レース。
京都のあけび賞(芝1600m)を制したのはファイングレイン(2003.3.7)。これでデビュー2連勝となりました。9月19日の新馬戦を勝ち上がった際のコメントを再掲しておきます。
<再掲分>札幌の新馬戦(芝1200m)を勝ち上がったのは(父)ファイングレイン(2003.3.7、牡、黒鹿毛)。栗東・長浜博之厩舎の所属。その4代血統構成は『フジキセキ×Polish Precedent×★Mill Reef×High Line』で『Halo系×Danzig系×Never Bend系×Hyperion系』の配合です。5代血統表内ではMilan Mill(1962)5×4の牝馬クロスがあります。ファイングレインの牝系は英国で受け継がれている14号族。伯母ピュアグレイン(1992.2.23)は英愛5勝で愛オークス(GI)、ヨークシャーオークス(英GI)など重賞4勝を挙げジャパンカップ(GI)にも出走した活躍馬、ピュアグレインの仔Goncharova(1998.1.14)は英仏3勝でフィユドレール賞(仏GIII)の勝ち馬、祖母Quay Line(1976)は英6勝で『牝馬版セントレジャー』と言われるパークヒルS(英GII)の勝ち馬です。ファイングレインは母ミルグレイン(1997.5.5)の初仔。
東京の500万平場戦(ダート1600m)を制したのはピサノバンキッシュ(2003.4.11)。デビュー戦は芝で敗れましたが、未勝利戦、500万戦と連勝を飾りました。11月13日に未勝利戦を勝ち上がった際のコメントを再掲しておきます。
<再掲分>東京の未勝利戦(ダート1600m)を勝ち上がったのはピサノバンキッシュ(2003.4.11、牡、鹿毛)。美浦・藤沢和雄厩舎の所属。その4代血統構成は『ブライアンズタイム×Seattle Slew×Danzig×Speak John』で『Roberto系×Bold Ruler系×Northern Dancer系×Prince John系』の配合です。5代血統表内ではHail to Reason(1958)3×5のクロスがあります。ピサノバンキッシュの牝系は米国で受け継がれている1号族。曾祖母Belle de Jour(1973)の仔にSpend a Buck(1982)がいます。同馬は米10勝でケンタッキー・ダービー(GI)、モンマスH(GI)、アーリントン・ワシントン・フューチュリティ(当時GI)の勝ち馬です。ピサノバンキッシュは母ジャウンティング(1994.3.30)が少なくとも5連産目の5番仔以降の仔と推定(生後直死含む)。
東京の新馬戦(芝1400m)を勝ち上がったのは(外)ダノンブリエ(2003.3.20、牡、鹿毛)。美浦・小島太厩舎の所属。その4代血統構成は『Mister Baileys×Interrex×Brigadier Gerard×★シルバーシャーク』で『Roberto系×Northern Dancer系×Fairway系×Relic系』の配合です。曾祖母父シルバーシャーク(1963)、ナイス。5代血統表内ではBold Ruler(1954.4.6)5×5のクロスがあります。ダノンブリエの牝系は英国で受け継がれている3号族。4代母Sunol(1956)の孫にドルメロ賞(伊GII)の勝ち馬Stemegna(1980)がいます。たまたまWebで牝系のブラックタイプを確認できたのですが、ダノンブリエの牝系は、かなり地味に世代交代がなされているようです。
#余談。netkeiba.comのシルバーシャークのページを確認したところ、掲示板にて、中島理論使いにとって、面白いやりとりがなされていました。よろしければ、ご参照ください。えー、シルバーシャークがG●●● S●●●●●●●●(1948)のダミーってホントですか、中島御大(笑)。
京都の新馬戦(芝1800m)を勝ち上がったのは(市)チェリーストーム(2003.3.22、牡、栗毛)。栗東・梅田康雄厩舎の所属。その4代血統構成は『ピルサドスキー×アイシーグルーム×◆Northern Dancer×★Raise a Native』で『Danzig系×Blushing Groom系×Nearctic系×Native Dancer系』の配合です。5代血統表内ではNorthern Dancer(1961.5.27)4×5×3、Native Dancer(1950.3.27)5×5のクロスがあります。チェリーストームの牝系は米国で受け継がれている2号族。曾祖母Shake a Leg(1970)は米英愛9勝でミスウッドフォードS(米GIII)の勝ち馬です。Shake a Legの仔Danzatore(1980)は愛4勝でべレスフォードS(GII)、アシュフォードカースルS(GIII)の勝ち馬、孫Danarani(1991)は豪4勝でフライトS(GI)の勝ち馬です。また、4代母Fleeting Doll(1961)からの別分枝馬には輸入種牡馬クリスタルグリッターズ(1980.5.30)が出ています。チェリーストームは母ケイワンビーナス(1991.4.19)が5連産目の5番仔。ピルサドスキー(1992.4.23)の忘れ形見、坂路50秒0の動きはダテではありませんでした。父の代表産駒になれるように、激しく頑張れ。頼む。
東京の未勝利戦(芝1800m)を勝ち上がったのは(父)サクラマジェスティ(2003.3.27、牡、栗毛)。美浦・田中清隆厩舎の所属。その4代血統構成は『サクラローレル×コマンダーインチーフ×パーソロン×Alcide』で『Blushing Groom系×Lyphard系×My Babu系×Alycidon系』の配合です。5代血統表内ではWhere You Lead(1970)4×4の牝馬クロスがあります。うーむ、私には配合の組み合わせも、Where You Leadの牝馬クロスも、良い感じに見えますね。サクラマジェスティの牝系は16号族スワンズウッドグローヴ(1960)系。言わずもがなの、サクラ軍団伝来の牝系のひとつですね。母サクラアカツキ(1995.4.4)は中央6勝でターコイズS(OP)を勝ち中山牝馬S(GIII)3着、伯父サクラエイコウオー(1991.6.1)は中央5勝で弥生賞(GII)、七夕賞(GIII)の勝ち馬、同じく伯父サクラケイザンオー(1993.4.4)は中央2勝でセントライト記念(GII)2着があります。他にも近い近親にサクラセカイオー(1989.5.3)、サクラセンチュリー(2000.4.3)がいます。活力充分。サクラマジェスティは母が不受胎後の初仔。不思議と、サクラローレル(1991.5.8)の代表産駒になれそうな予感がします。
東京の未勝利戦(芝1400m)を勝ち上がったのはウエスタンビーナス(2003.4.18、牝、黒鹿毛)。美浦・鈴木康弘厩舎の所属。その4代血統構成は『★ボストンハーバー×サンデーサイレンス×Cure the Blues×Cornish Prince』で『Seattle Slew系×Halo系×Hail to Reason系×Bold Ruler系』の配合です。5代血統表内ではHail to Reason(1958)4×5(母方)のクロスがあります。ウエスタンビーナスの牝系は欧米で受け継がれている9号族。母ウエスタンシャープ(1993.6.17)は中央2勝でフェアリーS(GIII)3着があります。曾祖母Sparkalark(1970)からの別分枝馬には愛2000ギニー(GI)馬フラッシュオブスティール(1983.3.10)、中央6勝で七夕賞(GIII)2着のタイキフラッシュ(1991.1.23)等がいます。なお、後述する京都の未勝利戦勝ち馬トーホウドンファンも同牝系馬です。ウエスタンビーナスは母が6連産目の6番仔。
東京の未勝利戦(芝2000m)を勝ち上がったのはゴーファイトウィン(2003.4.6、牝、鹿毛)。美浦・尾形充弘厩舎の所属。その4代血統構成は『エンドスウィープ×Mtoto×Great Nephew×Graustark』で『Mr.Prospector系×Donatello系×Fairway系×Ribot系』の配合です。組み合わせがイカしてますね。5代血統表内ではRibot(1952.2.27)5×5のクロスがあります。ゴーファイトウィンの牝系は欧米で受け継がれている9号族。母ライラアラウィ(1991.1.19)は英諾瑞10勝でスカンディナヴィア古牝馬王者。むりやり漢字にしてスミマセン(笑)。「諾威」で「ノルウェー」、「瑞典」で「スウェーデン」ということです。半姉フィヨルドクルーズ(2001.4.20)は現役で愛知杯(GIII)3着があります。なるほど、フィヨルドクルーズは母の成績から連想された馬名なんですね。曾祖母Oh So Fair(1967)の仔にOh So Sharp(1982)。同牝馬は英7勝で英オークス(GI)、英1000ギニー(GI)、英セントレジャー(GI)の変則3冠馬です。ゴーファイトウィンは母が5連産目の5番仔以降の仔。
京都の未勝利戦(芝1800m)を勝ち上がったのはヴィクトリーラン(2003.4.2、牡、鹿毛)。栗東・田所清広厩舎の所属。その4代血統構成は『ヴィクトリースピーチ×タマモクロス×アンバーシャダイ×イースタンフリート』で『Deputy Minister系×フォルティノ系×ノーザンテースト系×Nasrullah系』の配合です。5代血統表内ではNorthern Dancer4×5のクロスがあります。ヴィクトリーランの牝系は4代母である英国産の牝馬エリモシラユリ(1970)を日本の基礎繁殖とする1号族。ヴィクトリーランは母ウイニングフェロー(1998.4.13)の初仔。
京都の未勝利戦(ダート1200m)を勝ち上がったのはトーホウドンファン(2003.4.27、牡、栗毛)。栗東・崎山博樹厩舎の所属。その4代血統構成は『トーホウキング×Lear Fan×★Known Fact×Run the Gantlet』で『Northern Dancer系×Roberto系×Intent系×Ribot系』の配合です。5代血統表内ではHail to Reason5×4、Northern Dancer3×4(父方)のクロス、Thong(1964)とLt.Stevens(1961)の全兄妹クロス5×4があります。トーホウドンファンの牝系は欧米で受け継がれている9号族。上述のウエスタンビーナスの項でも述べましたが、伯父タイキフラッシュは中央6勝で七夕賞2着があります。他の近親馬にはフラッシュオブスティールがいます。トーホウドンファンは母タイキスプラッシュ(1996.3.25)が3連産目の3番仔。
京都の未勝利戦(芝1400m)を勝ち上がったのは(父)(市)プリティタヤス(2003.3.11、牝、栗毛)。栗東・池添兼雄厩舎の所属。その4代血統構成は『マーベラスサンデー×Majestic Light×Tatan×War Admiral』で『Halo系×Raise a Native系×Fairway系×Man o’War系』の配合です。曾祖母父War Admiral(1934.5.2)、ナイス。プリティタヤスの牝系は米国で受け継がれている1号族。叔父ポリッシュネイビー(1984.5.14)は米7勝でウッドワードS(GI)などGI3勝。曾祖母Busanda(1947)は米10勝でサバーバンH(現GI)の勝ち馬。Busandaの仔に名馬Buckpasser(1963.4.28)がいます。プリティタヤスは母ライトシップ(1983.5.5)が不受胎後の6番仔以降の仔。なお、母は2003年10月に用途変更されており、プリティタヤスが最後の仔です。
今日はこんなところで。ではでは。
コメント
いつもお世話になります。
2歳戦の回顧、いつもありがとうございます。それにしても、「えっっ、シルバーシャークってG××× S××××××××のダミーなの????早く言ってよー!」って感じですよねー!(笑)
まあ確かにシルバーシャークが血統表の中にあると「ちょっとスピードPointプラス1かな」という印象ではあります(笑)
しかし、「それ、俺の書いた本」って・・・(^^;
気さくですなー(笑)
ところでクロフネの仔って良馬が多いような気がしますね。
ゆくゆくはフレンチの仔よりも日本の競馬に適性ありそうなのが増えそうな予感もします。
◎blandford様
どうもどうも。
>シルバーシャーク
私は、どっちかって言うと「異系として大事な種牡馬」という扱いでいたいですね~(笑)。
>気さく
確かに(笑)。
>クロフネ
2歳戦も後半になってきて、クロフネ産駒の良さが出てきている感じがしますね。母父にClassic Go Goなんていう訳の分からない種牡馬が入っているため、もっと日本の生産者さんに嫌われるかとも思ったのですが、あの圧倒的なパフォーマンスを信じられたんですね~。これからも走る馬を出してくださ~い。
以上でございます。
聞き逃せない話になっていますね。
父がそれだとシルヴァーシャークはかなりの近交馬になりますけど、大丈夫なんでしょうかねえ。もしかして、シルヴァーシャークの血統表内に更にダミーがいるとか?
◎とぽ様
いつもお世話になっております。
>シルバーシャーク
うーん、もし父が「ニンバスの弟」だとしたら、シルバーシャーク自身がPhalaris系の3段掛けになってしまいますものね。「ニンバスの弟」は1948年生まれ、シルバーシャークは1963年生まれですから、年齢的にも0遺伝ではありませんしね~。
中島御大の刊行物ではオグリキャップの4代血統構成を解説する際に「シルバーシャーク(マッチェム)」とされていますし、やはり私は血統表のままであるとしたいですね。
以上でございまーす。