第150回愛ダービー(GI)の勝ち馬-少しでも無念を晴らせたか、W.ビュイック騎手-。

Jack Hobbs 牡 黒鹿毛 2012.3.2生 英国・ミンスタースタッド生産 馬主・ゴドルフィンほか 英国・J.ゴスデン厩舎

Jack Hobbs(2012.3.2)の4代血統表
Halling
栗毛 1991.3.14
種付け時活性値:1.00
Diesis
栗毛 1980.4.23
Sharpen Up
栗毛 1969.3.17
エタン 1961.3.14
Rocchetta 1961
Doubly Sure
鹿毛 1971.5.3
★Reliance 1962.4.11
Soft Angels 1963
Dance Machine
鹿毛 1982.1.27
Green Dancer
鹿毛 1972.4.14
Nijinsky 1967.2.21
Green Valley 1967
Never a Lady
栗毛 1974
Pontifex 1967.3.26
Camogie 1969
Swain’s Gold
黒鹿毛 2001.1.24
仔受胎時活性値:0.50

Swain
黒鹿毛 1992.2.12
種付け時活性値:0.00
Nashwan
鹿毛 1986.3.1
Blushing Groom 1974.4.8
Height of Fashion 1979.4.14
Love Smitten
鹿毛 1981.5.2
Key to the Mint 1969.3.9
Square Angel 1970.4.4
Golden Pond
黒鹿毛 1993.3.12
仔受胎時活性値:1.75
★Don’t Forget Me
鹿毛 1984.4.10
種付け時活性値:0.00
★Ahonoora 1975.4.12
African Doll 1978.3.16
Golden Bloom
栗毛 1985.2.14
仔受胎時活性値:1.75
★Main Reef
栗毛 1976.4.9
種付け時活性値:0.00
Daffodil Day
鹿毛 1978.3.2
仔受胎時活性値:1.50

<5代血統表内のクロス:なし>

Jack Hobbs(2012.3.2)の中島理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Halling
(エタン系)
Swain
(Blushing Groom系)
Don’t Forget Me
(Lutier系)
★Main Reef
(Mill Reef系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Halling
(Pontifex)
5.50 祖母が米重賞2勝
(No.4-h)
5番仔?

*

頭絡の鼻梁に見える部分の馬具が白い花のようで愛らしい、Jack Hobbs。1番人気で挑んだ第150回愛ダービー、ここではサスガに「地力が違う」とばかりに、5馬身差の圧勝でした。

英ダービー(GI)のトライアル・ダンテS(英GII)では、3番人気のGolden Horn(2012.3.27)の鞍上がウィリアム・ビュイック騎手、1番人気のJack Hobbsの鞍上がランフランコ・デットーリ騎手だったのです。結果は、Golden HornがJack Hobbsに2と4分の3馬身差の快勝。ジョン・ゴスデン厩舎のステーブルメイトどうしの初対戦の後、運命の糸は不思議に絡み、Golden Hornの鞍上はデットーリ騎手、Jack Hobbsの鞍上はビュイック騎手になりました。その背景は、ダンテS後にJack Hobbsの馬主の権利の半分が、ゴドルフィンに渡ったということ。2015年現在、ゴドルフィンと主戦契約を結んでいるビュイック騎手は、その契約を優先しないといけないのでした。

Golden HornとJack Hobbs。いずれ劣らぬ素質馬どうしですが、ダンテS後にデットーリ騎手がJack Hobbsに対して感じたことは、まだ「大きな赤ん坊」ということだったそうな。それは、まだまだ伸び代があるということの証左でもあります。けれど、現時点での完成度の違いなのか、第236回英ダービーでは、Golden Hornに3と2分の1馬身差を着けられての2着に終わりました。

2010年からゴスデン厩舎の主戦を務められているビュイック騎手。Golden HornとJack Hobbs、どちらの背中も知る騎手は、エプソムの直線で前を行くGolden Hornとデットーリ騎手の姿を、どのように見ていたのでしょう。

「悔しい思いは相棒と共に晴らす」。

浪花節的な思いがノルウェー出身のビュイック騎手に去来したのかどうかは分かりませんけれど、愛ダービーの勝ちっぷりは、ただただお見事でした。そうして、Jack Hobbsとビュイック騎手、晴れて初めて、「ダービー」と名の付くGIレースの制覇となったのでした。

*

若干気合の入った感のある記事ですが、Jack Hobbsの4代血統構成を確認して「これは中島理論使いとしては、応援したくなる馬だな」と思ったのですね。

父Hallingも懐かしい名前になりました。私が競馬を見始めた頃に走っていた、欧州の中距離の名馬です。エクリプスS(英GI)2回、インターナショナルS(英GI)2回、イスパーン賞(仏GI)とGI5勝。現在の日本では、ホーカーテンペスト(2009.4.11)とバウンスシャッセ(2011.5.6)兄妹の母父としても名前を見ます。社台さん、リッチダンサー(2000.4.3)に対する、Halling満8歳時の0交配を狙われたのでしょうか。

また、Jack Hobbsの母方は、上表の通り、「★Swain×★Don’t Forget Me×★Main Reef」と3代連続で満8歳時の0交配を重ねています。「Blushing Groom系×Luthier系×Mill Reef系」という組み合わせも面白く、「サスガに欧州馬産、懐が深い」と感心せざるを得ません。

……と思っていたら、母Swain’s Goldの生産名義は「Nakamura Chikusan Ltd」 。サスガは中村畜産、これは恐れ入りましたm(_ _)m

*

秋はニエル賞(仏GII)を経由して凱旋門賞(仏GI)を目指すという、Jack Hobbs。ビュイック騎手と共に、大舞台での更なる活躍を期待しています。

  

では、以上オオハシでした。これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

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