The Grey Gatsby(2011.3.14)。

The Grey Gatsby 牡 芦毛 2011.3.14生 愛国・M.パリッシュ氏生産 馬主・F.ジレスピー氏 英国・K.ライアン厩舎

The Grey Gatsby(2011.3.14)の4代血統表
Mastercraftsman
芦毛 2006.2.19
種付け時活性値:1.00
Danehill Dancer
鹿毛 1993.1.30
デインヒル
鹿毛 1986.3.26
★Danzig 1977.2.12
Razyana 1981.4.18
Mira Adonde
黒鹿毛 1986.4.19
★Sharpen Up 1969.3.17
Lettre d’Amour 1979.4.23
Starlight Dreams
芦毛 1995.5.12
★ブラックタイアフェアー
芦毛 1986.4.1
Miswaki 1978.2.22
Hat Tab Girl 1979.5.4
Reves Celestes
鹿毛 1979.5.24
Lyphard 1969.5.10
Tobira Celeste 1971
Marie Vison
栗毛 2001.2.20
仔受胎時活性値:0.25
アントレプレナー
鹿毛 1994.3.7
種付け時活性値:1.50
Sadler’s Wells
鹿毛 1981.4.11
Northern Dancer 1961.5.27
Fairy Bridge 1975.5.4
Exclusive Order
栗毛 1979.5.13
Exclusive Native 1965.4.17
Bonavista 1964.3.16
Metisse
栗毛 1995.4.24
仔受胎時活性値:1.25
Kingmambo
鹿毛 1990.2.19
種付け時活性値:1.00
Mr.Prospector 1970.1.28
Miesque 1984.3.14
Maximova
鹿毛 1980.4.16
仔受胎時活性値:1.50
Green Dancer
鹿毛 1972.4.14
種付け時活性値:1.75
Baracala
栗毛 1972.4.25
仔受胎時活性値:1.75

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer5・5×4、Mr.Prospector5×4、Raise a Native5×5(母方)>

The Grey Gatsby(2011.3.14)の中島理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Mastercraftsman
(Danzig系)
アントレプレナー
(Sadler’s Wells系)
Kingmambo
(Mr.Prospector系)
Green Dancer
(Nijinsky系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Green Dancer
(Maximova)
4.75 曾祖母が仏GI勝ち馬
(No.2-s)
5番仔+
(3連産目+)

*

第174回ジョッケクルブ賞(仏GI)を制したのは、芦毛に白いシャドーロール、緑のターフに緑の勝負服も映えて、The Grey Gatsby。馬名は「The Great Gatsby」のモジリなんでしょうかね(^^ゞ

「華麗なるギャツビー」ならぬ「芦毛のギャツビー」であるThe Grey Gatsbyは、ジョッケクルブ賞の前走に英ダービー(GI)の重要ステップであるダンテS(英GII)を勝っていますが、英ダービーには未登録で、合わせて鞍上のR.ムーア騎手の進言もあり、GI奪取の矛先を仏国のクラシック戦に向けたそうな。その結果、シャンティイ芝2100mで行われるようになったジョッケクルブ賞ではレースレコードとなる2分5秒58で、見事に勝利。ラスト200m、内から抜け出して、1頭になってからは羽根を伸ばしたかのような冴えた末脚を見せました。

The Grey Gatsbyの父Mastercraftsmanは、現役時代に通算12戦7勝。その主な勝ち鞍に愛2000ギニー(GI)、セントジェームズパレスS(英GI)、愛ナショナルS(GI)、フィーニクスS(愛GI)、レイルウェイS(愛GII)、ダイヤモンドS(愛GIII)と重賞6勝の活躍馬でした。Mastercraftsmanは近い代に「0」が多く現れる、中島理論的良馬ですね。その芦毛が母父ブラックタイアフェアーに由来しているのも良い感じです。MastercraftsmanはThe Grey Gatsbyがジョッケクルブ賞1着、Kingston Hill(2011.1.15)がレーシングポストトロフィー(英GI)を勝ち英ダービー2着と、初年度産駒から順調に活躍馬を送り込んでいます。デインヒル系の新たな旗頭としての期待も高まります。

また、The Grey Gatsbyの母父アントレプレナー。ダンシングサーパス(1990.3.13)の半弟、英2000ギニー(GI)の勝ち馬です。種牡馬として、最初は愛国のクールモアスタッドと新国のオークススタッドでシャトル供用、日本で供用された折は青森の諏訪牧場、そしてロシアに輸出されてヴォスホートスタッドで繋養という、なかなかの移動ぶりです。起業家は世界を駆け巡る、ということでしょうか。そんなアントレプレナーの代表産駒は愛オークス(GI)馬Vintage Tipple(2000.1.17)、フィーニクスSを制したDamson(2002.4.21)、イースターH(新GI)の勝ち馬でどこかで別に聞いたことのある名前のRags To Riches(2000.10.14)と、3頭のGI勝ち馬がいます。また、彼女らに続くGII勝ち馬に、2003年のスコティッシュダービー(英GII)を制したPrincely Venture(1999.4.2)という牡馬がいますが、彼はSun Princess(1980.5.18)の仔です。つまりは、フサイチコンコルド(1993.2.11)やアンライバルド(2006.4.13)等のおじですね。

The Grey Gatsbyの牝系は、曾祖母Maximovaが仏愛英7勝でサラマンドル賞(仏GI)、セーネオワーズ賞(仏GIII)、モートリー賞(仏GIII)、カルヴァドス賞(仏GIII)と仏重賞4勝の活躍馬です。Maximovaの仔Septieme Ciel(1987.4.15)は仏米英5勝でフォレ賞(仏GI)、クリテリウムドメゾンラフィット(仏GII)、メシドール賞(仏GIII)、トマスブリヨン賞(仏GIII)と、やはり仏重賞4勝の活躍馬です。さらにMaximovaの仔Macoumba(1992.2.16)は仏英3勝でマルセルブサック賞(GI)の勝ち馬。そしてまた、Maximovaの仔Maxigroom(1988.4.22)は米仏9勝でフォートマーシーH(米GIII)、オーシャンポートH(米GIII)の勝ち馬です。こうして見ていくと、The Grey Gatsbyの牝系は、仏国競馬向きであるようにも思えます。名手ライアン・ムーアの進言の源泉は、馬乗りとしての感覚に拠るものと思いますけれど、もし牝系のバックボーンまで計算しているならば、そのヘッドワークは恐るべし、です。

距離を10F超に伸ばしてから真価を見せ始めたThe Grey Gatsby。その差し脚の向かう先が何処になるのか。楽しみな欧州の若駒です。

  

では、以上オオハシでした。これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

タイトルとURLをコピーしました