春を迎えると、日々、馬の誕生日を思ってしまうオオハシでございます。という訳で、その日に生まれた馬を辿る企画を、今年2014年も毎週水曜日にお届けしたいと思います。その第12回は「芝ダート兼用の長距離砲」を。
イングランディーレ 牡 鹿毛 1999.5.21生 千歳・社台ファーム生産 馬主・吉田千津氏 美浦・清水美波厩舎
★ ホワイトマズル 鹿毛 1990.3.21 種付け時活性値:0.00 |
ダンシングブレーヴ 鹿毛 1983.5.11 |
Lyphard 鹿毛 1969 |
Northern Dancer 1961.5.27 |
Goofed 1960.3.29 | |||
Navajo Princess 鹿毛 1974.3.31 |
Drone 1966.4.1 | ||
Olmec 1966 | |||
Fair of the Furze 鹿毛 1982.6.15 |
Ela-Mana-Mou 黒鹿毛 1976.2.28 |
ピットカーン 1971.3.20 | |
Rose Bertin 1970 | |||
Autocratic 鹿毛 1974.4.22 |
Tyrant 1966.3.23 | ||
Flight Table 1965.2.13 | |||
マリリンモモコ 栗毛 1986.3.10 仔受胎時活性値:1.00 |
リアルシャダイ 黒鹿毛 1979.5.27 種付け時活性値:1.50 |
Roberto 鹿毛 1969.3.16 |
Hail to Reason 1958.4.18 |
Bramalea 1959.4.12 | |||
Desert Vixen 黒鹿毛 1970.4.19 |
In Reality 1964.3.1 | ||
Desert Trial 1963.5.14 | |||
ピーチクリアー 栗毛 1979.6.8 仔受胎時活性値:1.50 |
ノーザンテースト 栗毛 1971.3.15 種付け時活性値:1.75 |
Northern Dancer 1961.5.27 | |
Lady Victoria 1962.2.20 | |||
シャダイクリアー 栗毛 1972.5.14 仔受胎時活性値:1.50 |
ガーサント 鹿毛 1949.4.5 種付け時活性値:1.50 |
||
ペルルピーチ 黒鹿毛 1964.4.10 仔受胎時活性値:1.75 |
<5代血統表内のクロス:Northern Dancer4×4>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
★ホワイトマズル (Lyphard系) |
リアルシャダイ (Roberto系) |
ノーザンテースト (Northern Dancer系) |
ガーサント (Hermit系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
ノーザンテースト (Gainsborough) |
5.75 |
(No.4-r クヰツクランチ系) |
7番仔 (5連産目) |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破 時計 |
着差 |
上り 3F |
馬体重 [前走比] |
調教師 |
人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 6 | イングランディーレ | 牡5 | 58 | 横山典弘 | 3:18.4 | 36.1 |
518 [-3] |
清水美波 | 10 | |
2 | 16 | ゼンノロブロイ | 牡4 | 58 | D.オリヴァー | 3:19.5 | 7 | 35.1 |
494 [-8] |
藤沢和雄 | 4 |
3 | 8 | シルクフェイマス | 牡5 | 58 | 四位洋文 | 3:19.8 | 1.3/4 | 35.6 |
482 [+2] |
鮫島一歩 | 5 |
4 | 9 | チャクラ | 牡4 | 58 | 後藤浩輝 | 3:19.9 | 1/2 | 35.5 |
460 [-4] |
安達昭夫 | 9 |
5 | 2 | ナリタセンチュリー | 牡5 | 58 | 吉田稔 | 3:20.1 | 1.1/4 | 34.9 |
470 [+2] |
藤沢則雄 | 13 |
気分良くスイスイと逃げた、イングランディーレと横山典弘騎手。だから、淀の長距離戦でノリさんを単騎で行かせるなと。そう思ってみても、後続勢は、後の祭り。終わってみれば、7馬身差の大楽勝。
「4歳4強」と目された馬たちは、先行流れ込みで2着に踏ん張ったゼンノロブロイ(2000.3.27)以外、ネオユニヴァース(2000.5.21)10着、リンカーン(2000.3.18)13着、ザッツザプレンティ(2000.5.26)16着と、見事にトンコロを食らってしまいました。
淀芝3200mの舞台の難しさを改めて思った、2004年の天皇賞・春でした。
*
天皇賞・春、日経賞(GII)、ダイヤモンドS(GIII)とJRAの長距離芝重賞3勝の他にも、ブリーダーズGC(統一GII)、白山大賞典(統一GIII)とダート交流重賞2勝も挙げ、芝ダート兼用の長距離砲として名を成した、イングランディーレ。
天皇賞・春を制した2004年には英国遠征を果たし、距離20ハロンのGIであるアスコット開催のゴールドカップ(英GI)にも出走しました。ブリーダーズGCが今年2014年から牝馬限定重賞(JpnIII)になったこともあり、「『ブリーダーズゴールドカップ』と『ゴールドカップ』に出走した馬」は、イングランディーレが最初にして最後になるでしょう。もとより、ゴールドカップに挑む日本馬が、これから出てくるのか、どうか……。
長距離での活躍が顕著な馬は、なかなかに種牡馬として需要がない、現在の日本。それでも、イングランディーレは芝ダート兼用ぶりが見込まれたのか、現在のところダート競馬のみの韓国は金岳牧場で種牡馬入りし、2012年のコリアンダービー馬チグミスンガン(2009.3.23)を輩出しています。
いずこでも、「ダービー馬の父」になったのですから、イングランディーレ、立派です。彼の地で、これからも良い仔を残していって欲しいと願います。
では、以上オオハシでした。これから走る馬、人すべてが無事でありますように。