サンライズバッカス(2002.4.30)。

春を迎えると、日々、馬の誕生日を思ってしまうオオハシでございます。という訳で、その日に生まれた馬を辿る企画を、今年2014年も毎週水曜日にお届けしたいと思います。その第9回は「砂の猛者世代の酒神」を。

サンライズバッカス 牡 黒鹿毛 2002.4.30生 門別・ヤナガワ牧場生産 馬主・松岡隆雄氏 栗東・音無秀孝厩舎→大井・村上頼章厩舎

サンライズバッカス(2002.4.30)の4代血統表

ヘネシー
栗毛 1993.3.25
種付け時活性値:0.00
Storm Cat
黒鹿毛 1983.2.27
Storm Bird
鹿毛 1978.4.19
★Northern Dancer 1961.5.27
South Ocean 1967.4.8
Terlingua
栗毛 1976.2.7
Secretariat 1970.3.30
Crimson Saint 1969.3.15
Island Kitty
栗毛 1976.2.23
Hawaii
鹿毛 1964
Utrillo 1958
Ethane 1947
T.C.Kitten
栗毛 1969.3.30
★Tom Cat 1960.3.6
Needlebug 1961.4.17
リアルサファイヤ
黒鹿毛 1986.5.30
仔受胎時活性値:1.75
リアルシャダイ
黒鹿毛 1979.5.27
種付け時活性値:1.50
Roberto
鹿毛 1969.3.16
Hail to Reason 1958.4.18
Bramalea 1959.4.12
Desert Vixen
黒鹿毛 1970.4.19
In Reality 1964.3.1
Desert Trial 1963.5.14
ワールドサファイヤ
栗毛 1979.4.6
仔受胎時活性値:1.50
サーペンフロ
黒鹿毛 1971
種付け時活性値:1.75
Sir Ivor 1965.5.5
Running Blue 1957
トビノボリ
栗毛 1967.3.13
仔受胎時活性値:0.75
ジルドレ
鹿毛 1953
種付け時活性値:1.25
クニノボリ
栗毛 1958.4.25
仔受胎時活性値:2.00

<5代血統表内のクロス:なし>

サンライズバッカス(2002.4.30)の中島理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
★ヘネシー
(Storm Cat系)
リアルシャダイ
(Roberto系)
サーペンフロ
(Sir Gaylord系)
ジルドレ
(Nearco系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
サーペンフロ
(Gainsborough)
6.00 母がGIII勝ち馬
(No.7-c ダイシング系)
8番仔
(空胎後)

*

クニノボリ 1958.4.25 中央0勝
|メジロフレーム 1964.4.22 中央6勝 スプリングS(現GII) 京成杯3歳S(現京王杯2歳S、GII)
|トビノボリ 1967.3.13 不出走
||ワールドサファイヤ 1979.4.6 中央0勝
|||リアルサファイヤ 1986.5.30 中央3勝 フラワーC(GIII)
||||ホーセンホーライ 1994.5.8 中央6勝 準OP3勝
||||サンライズバッカス 2002.4.30 (本馬) 中央6勝 フェブラリーS(GI) 武蔵野S(GIII)ほか重賞2着4回3着6回
|||サファイヤジョオー 1990.4.15 中央0勝
||||マコトシュンレイ 1996.5.29 中央1勝
|||||マコトスパルビエロ 2004.3.29 中央6勝+地方3勝 日本テレビ盃(JpnII) 名古屋グランプリ(JpnII) マーチS(GIII) マーキュリーC(JpnIII)ほか
|ヤマノボリ 1972.3.12 不出走
||メジロエスパーダ 1976.5.14 中央4勝 種牡馬
|メジロドーヤ 1973.3.19 中央0勝
||メジロカーラ 1979.2.16 中央5勝 京都大賞典(現GII)

米国産の輸入牝馬ダイシング(1925)を日本の基礎繁殖とする7号族。ダイシング系からは他にキョウトシチー(1991.5.3)なども出ています。この牝系の歴史も古く、輸入後4分の3世紀を経ても子孫が世代を重ねています。日本の風土に適合し、しっかり根を張る在来牝系。その底力、侮り難しというところです。

*

第24回フェブラリーS(GI)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 12 サンライズバッカス 牡5 57 安藤勝己 1:34.8    35.0 484
[-2]
音無秀孝 3
2 7 ブルーコンコルド 牡7 57 幸英明 1:35.0 1.1/2 35.0 516
[+8]
服部利之 2
3 15 ビッググラス 牡6 57 村田一誠 1:35.4 2.1/2 35.9 518
[0]
中尾秀正 9
4 5 カフェオリンポス 牡6 57 岩田康誠 1:35.5 1/2 36.0 506
[-2]
松山康久 15
5 8 フィールドルージュ 牡5 57 C.ルメール 1:35.6 3/4 35.4 500
[0]
西園正都 6

SSの血を持たない馬たちが上位を独占した2007年のフェブラリーS。制したのは、かのカネヒキリ(2002.2.26)にダート戦で初めての敗北を与えた、サンライズバッカスでした。

いわゆる「ディープインパクト世代」の砂路線は、カネヒキリ、ヴァーミリアン(2002.4.10)、サンライズバッカス、フィールドルージュ(2002.4.27)等を始めとして、濃い砂の猛者が揃っていたように思います。2007年のフェブラリーSは、カネヒキリが故障離脱、ヴァーミリアンが海外遠征の準備と、世代の代表格2頭が居ない一戦ではありました。けれど、それでも、主役を張ったのが同世代のサンライズバッカスであったということ。府中ダート1600mの舞台、3歳時の武蔵野S(GIII)でカネヒキリを破ったのは、ダテではありません。古豪ブルーコンコルド(2000.4.11)の追撃を完封しての勝利は、国際GI昇格初回のフェブラリーS勝ち馬に相応しい姿でした。

サンライズバッカスの馬主である松岡隆雄オーナー、並びに生産場であるヤナガワ牧場さんにとっても、このフェブラリーSがJRAGI初勝利でした。時が下って、今年2014年。ヤナガワ牧場さんの生産馬の後輩であるコパノリッキー(2010.3.24)がフェブラリーSを制したと思ったら、高松宮記念(GI)をコパノリチャード(2010.4.15)を勝ち、ヤナガワ牧場さん、出走機会におけるGI連勝を果たされました。これはお見事でした。

そんな報せを故郷で受けたサンライズバッカス。酒神は、牧場の守り神として、これからも後輩たちを見守っていくのでしょう。

  

では、以上オオハシでした。これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

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