スイープトウショウ(2001.5.9)。

春を迎えると、日々、馬の誕生日を思ってしまうオオハシでございます。という訳で、その日に生まれた馬を辿る企画を、今年は毎週水曜日にお届けしたいと思います。その10回目は21世紀のやんちゃくれを。

スイープトウショウ 牝 鹿毛 2001.5.9生 静内・トウショウ産業株式会社トウショウ牧場生産 馬主・トウショウ産業(株) 栗東・渡辺栄厩舎→栗東・鶴留明雄厩舎

スイープトウショウ(2001.5.9)の4代血統表
エンドスウィープ
鹿毛 1991.5.31
種付け時活性値:0.25
フォーティナイナー
栗毛 1985.5.11
Mr.Prospector
鹿毛 1970.1.28
★Raise a Native 1961.4.18
Gold Digger 1962.5.28
File
栗毛 1976.4.30
Tom Rolfe 1962.4.14
Continue 1958.2.23
Broom Dance
鹿毛 1979.4.10
Dance Spell
鹿毛 1973.3.29
Northern Dancer 1961.5.27
Obeah 1965.4.15
Witching Hour
鹿毛 1960.3.31
Thinking Cap 1952
Enchanted Eve 1949
タバサトウショウ
鹿毛 1993.3.29
仔受胎時活性値:1.75
ダンシングブレーヴ
鹿毛 1983.5.11
種付け時活性値:0.25
Lyphard
鹿毛 1969
Northern Dancer 1961.5.27
Goofed 1960.3.29
Navajo Princess
鹿毛 1974.3.31
Drone 1966.4.1
Olmec 1966
サマンサトウショウ
黒鹿毛 1985.4.8
仔受胎時活性値:1.75
トウショウボーイ
鹿毛 1973.4.15
種付け時活性値:0.75
テスコボーイ 1963
ソシアルバターフライ 1957
マーブルトウショウ
青鹿毛 1978.4.27
仔受胎時活性値:1.50
ダンディルート
鹿毛 1972.5.10
種付け時活性値:1.25
チャイナトウショウ
栗毛 1972.6.14
仔受胎時活性値:1.25

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer4×4>

スイープトウショウ(2001.5.9)の中島理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
エンドスウィープ
(Mr.Prospector系)
ダンシングブレーヴ
(Lyphard系)
トウショウボーイ
(Princely Gift系)
ダンディルート
(Luthier系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
ダンディルート 6.25 祖母が重賞勝ち馬
(No.5-j セヴァイン系)
3番仔
(3連産目)

*

第9回秋華賞(GI)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 11 スイープトウショウ 牝3 55 池添謙一 1:58.4    33.9 450
[-2]
鶴留明雄 2
2 16 ヤマニンシュクル 牝3 55 四位洋文 1:58.5 1/2 34.6 472
[+4]
浅見秀一 5
3 5 ウイングレット 牝3 55 田中勝春 1:59.3 5 35.3 458
[+2]
宗像義忠 10
4 2 ダンスインザムード 牝3 55 武豊 1:59.3 アタマ 35.7 474
[不明]
藤沢和雄 1
5 12 ヤマニンアラバスタ 牝3 55 柴田善臣 1:59.3 ハナ 35.2 438
[-4]
星野忍 4

事前に確認した際、出走18頭中14頭がSSの血を持っているということに驚きを覚えたレースでした。終わってみれば、非SSの2頭で決着して「ハーレムの受け入れ態勢を整えているなぁ」と思ったものです。この秋華賞の勝利により、スイープトウショウは新馬戦、ファンタジーS(GIII)、紅梅S(OP)に続いて淀4戦4勝となりました。全成績を振り返ってみても[6-1-1-3]で、掲示板を外したことはなかった得意のコースでした。

*

第46回宝塚記念(GI)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 11 スイープトウショウ 牝4 56 池添謙一 2:11.5    35.7 460
[+6]
鶴留明雄 11
2 4 ハーツクライ 牡4 58 横山典弘 2:11.5 クビ 35.2 496
[+4]
橋口弘次郎 3
3 6 ゼンノロブロイ 牡5 58 K.デザーモ 2:11.7 1.1/4 36.1 500
[-8]
藤沢和雄 2
4 9 リンカーン 牡5 58 福永祐一 2:11.8 1/2 36.1 474
[-4]
音無秀孝 4
5 8 サンライズペガサス 牡7 58 松永幹夫 2:12.2 2.1/2 36.3 492
[0]
石坂正 7

「名は体を表す」の如くスイープトウショウ、並み居る男馬たちを一掃して、見事に春のグランプリ制覇となりました。前走安田記念(GI)では10番人気ながら勝ち馬のアサクサデンエン(1999.3.22)にタイム差なしの2着だったスイープトウショウ、この宝塚記念でも11番人気と人気薄ではありましたが、どうしてどうして。道中中団位置に構えて徐々に進出、4角では外から抜け出し、ハーツクライ(2001.4.15)以下の追撃を抑えました。11番人気をあざ笑うかのような完勝。強い馬の強い競馬により、1966年のエイトクラウン(1962.4.21)以来39年ぶりとなる、史上2頭目の牝馬による宝塚記念制覇と相成りました。

*

第30回エリザベス女王杯(GI)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 8 スイープトウショウ 牝4 56 池添謙一 2:12.5    33.2 464
[0]
鶴留明雄 2
2 1 オースミハルカ 牝5 56 川島信二 2:12.6 1/2 34.8 476
[+6]
安藤正敏 5
3 3 アドマイヤグルーヴ 牝5 56 上村洋行 2:13.0 2.1/2 33.9 470
[+4]
橋田満 4
4 14 ヤマニンシュクル 牝4 56 四位洋文 2:13.1 3/4 33.9 488
[+16]
浅見秀一 8
5 11 エアメサイア 牝3 54 武豊 2:13.2 クビ 33.4 464
[-4]
伊藤雄二 1

オースミハルカ(2000.4.2)が絶妙なペースで逃げ粘ろうとしたところを、最後の最後で交わし切った、スイープトウショウ。メンバー最速の上り3ハロン33秒2の鬼脚が炸裂しました。まさに他馬が止まったかのように見えた末脚、オースミハルカと川島伸二騎手にとっては「相手が悪かった」と言うほかありませんでした。

*

スイープトウショウは「鶴留明雄調教師と池添謙一騎手の師弟コンビに初めて、そして最後のGI勝利を贈った馬」ですが、「渡辺栄調教師と角田晃一騎手の師弟コンビに最後の重賞勝ちを贈った馬」でもあります。

渡辺師と角田騎手の師弟による初めての重賞制覇は1990年のエプソムカップ(GIII)、サマンサトウショウによるものでした。血統の不思議な因縁はめぐり、師弟の最後の重賞勝ちはその孫スイープトウショウで遂げられたのでした。

「徒弟制度」なんて言葉はもはや過去のものかも知れません。けれど、それでも「師弟愛」というのは、競馬を語る上で大切な要素と思います。

そんなブンテキ一門の師弟愛を教えてくれた、やんちゃくれのスイープトウショウ、仔の活躍も楽しみにしています。

  

では、以上オオハシでした。これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

<Web Resource>

#余談。競走馬のふるさと案内所のトップページや各ページのヘッダ部分に現れる馬は、紛うことなくスイープトウショウですね。写真の流星の形を見た時にも思いましたが、あの馬は今Vol.54~スイープトウショウの記事を読んだ時に確信しました(^^ゞ

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