空胎後に名馬あり(2011年版)-其の壱-。

という訳で、2011年初めての「空胎後に名馬あり」の記事でございます。

2011年のJRAGIレースの複勝圏馬における母の連産状況
レース名 1着馬 母の連産状況 2着馬 母の連産状況 3着馬 母の連産状況
フェブラリーS(GI) トランセンド 6番仔
(空胎後)
フリオーソ 5番仔+
(5連産目+)
バーディバーディ 3番仔+
(3連産目+)
高松宮記念(GI) キンシャサノキセキ 4番仔
(双子流産後)
サンカルロ 2番仔
(不受胎後)
アーバニティ 15番仔
(5連産目)
桜花賞(GI) マルセリーナ 3番仔
(3連産目)
ホエールキャプチャ 2番仔
(2連産目)
トレンドハンター 4番仔
(4連産目)
皐月賞(GI) オルフェーヴル 5番仔
(5連産目)
サダムパテック 3番仔
(3連産目)
ダノンバラード 4番仔
(2連産目)
天皇賞・春(GI) ヒルノダムール  2番仔
(2連産目)
エイシンフラッシュ 3番仔
(3連産目)
ナムラクレセント 12番仔
(10連産目)

古馬GI戦線についてはフェブラリーS、高松宮記念と「母が前年産駒なし後の仔」が勝利を収めました。JRAGIに限定している為、表中には含めていませんが、ドバイワールドカップ(UAEGI)を制したヴィクトワールピサ(2007.3.31)も母が不受胎後の7番仔ですね。

また、日本最長距離GIである天皇賞・春はヒルノダムール(2007.5.20)が勝利を収めました。「母が連産の仔であるSS直孫牡馬」による古馬GI制覇は、昨年の宝塚記念(GI)を制したナカヤマフェスタ(2006.4.5)以来、2頭目です。ヒルノダムールは父マンハッタンカフェ(1998.3.5)が満8歳時のミニモの遺伝を受けている為、SS系のワーストを打ち消したという考え方が、中島理論使いとしては素直であると思います。

いっぽうで、クラシック戦線は桜花賞、皐月賞共にSS直孫で、かつ、母が連産の仔が勝利を収めました。桜花賞馬マルセリーナ(2008.2.17)はその父ディープインパクト(2002.3.25)の初年度産駒。「初産駒に名馬あり」は、これまでに何度も見てきました。やはり初物は、父であれ、母であれ、大切な要因なのでしょう。

そして、皐月賞馬オルフェーヴル(2008.5.14)。父ステイゴールド(1994.3.24)の繁殖能力は本当に素晴らしいですね。↑で名前を挙げたナカヤマフェスタの父でもあります。また「父ステイゴールド×母父メジロマックイーン」はドリームジャーニー(2004.2.24)&オルフェーヴル兄弟、京成杯(GIII)勝ち馬フェイトフルウォー(2008.1.11)と、3頭の重賞勝ち馬を送り込んでいます。netkeiba.comにて調べてみたのですが、この組み合わせは全部で9頭で、内訳は牡馬5頭、牝馬4頭。9頭のうち競走年齢に到達した馬は7頭で、出走したのは5頭。その5頭の内4頭が牡馬、1頭が牝馬。実に出走した牡馬4頭のうち2頭がGI勝ち馬、3頭が重賞勝ち馬ですから、恐ろしい威力のあるニック。結果的にですが、池江ブランドの底力をまざまざと見せつけています。

果たして、今後のGI戦線はどのような馬たちが活躍するのでしょうか。しばし、その成り行きを見守りたいと思います。

では、以上オオハシでした。これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

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