第57回クイーンS(GIII)の勝ち馬。

ピエナビーナス 牝 青鹿毛 2004.3.18生 浦河・岡本牧場生産 馬主・本谷兼三氏 栗東・南井克巳厩舎

ピエナビーナス(2004.3.18)の4代血統表
フジキセキ[A]
青鹿毛 1992.4.15
種付け時活性値:0.75
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo
黒鹿毛 1969.2.7
Hail to Reason 1958.4.18
Cosmah 1953.4.4
Wishing Well
鹿毛 1975.4.12
Understanding 1963.2.17
Mountain Flower 1964.3.23
ミルレーサー
鹿毛 1983.5.20
Le Fabuleux
鹿毛 1961
Wild Risk 1940
Anguar 1950
Marston’s Mill
黒鹿毛 1975.5.31
In Reality 1964.3.1
Millicent 1969
オープニングタイトル
黒鹿毛 1995.4.1
仔受胎時活性値:2.00
Caerleon[A]
鹿毛 1980.3.27
種付け時活性値:1.50
Nijinsky
鹿毛 1967.2.21
Northern Dancer 1961.5.27
Flaming Page 1959.4.24
Foreseer
黒鹿毛 1969.4.12
Round Table 1954.4.6
Regal Gleam 1964.3.17
Maiden Concert
栗毛 1981.4.8
仔受胎時活性値:1.25
★Condorcet[E]
鹿毛 1972.2.19
種付け時活性値:0.00
Luthier 1965.3.22
Pan American 1962.2.27
Merdemain
鹿毛 1960
仔受胎時活性値:1.00
Tamerlane[F]
鹿毛 1952
種付け時活性値:1.75
Damians
栗毛 1942
仔受胎時活性値:0.25

<5代血統表内のクロス:Hail to Reason4×5>

ピエナビーナス(2004.3.18)の中島理論的総括
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 何番仔?
Tamerlane 4.50 伯父が伊2000ギニー馬
(No.19)
3番仔以降の仔
(流産後)
第57回クイーンS(GIII)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 3 ピエナビーナス 牝5 55 古川吉洋 1:48.2    34.9 460
[-2]
南井克巳 11
2 6 ザレマ 牝5 55 安藤勝己 1:48.4 1 35.6 538
[+6]
音無秀孝 1
3 8 アメジストリング 牝5 55 池添謙一 1:48.4 クビ 35.1 486
[+4]
浅見秀一 6
4 14 ムードインディゴ 牝4 55 藤岡佑介 1:48.5 クビ 35.4 462
[-4]
友道康夫 4
5 1 マイネカンナ 牝5 55 三浦皇成 1:48.5 アタマ 35.5 438
[+16]
国枝栄 8
第57回クイーンS(GIII)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.5-11.4-11.6-12.4-12.2-12.2-11.9-11.9-12.1
上り 4F 48.1-3F 35.9

古川吉洋騎手、11年9ヶ月ぶりの重賞勝利。人気薄で勝利を収める馬のお手本のような「最短距離をロスなく通る」という好騎乗により、ピエナビーナスを重賞勝ち馬に導きました。

今夏JRA200勝を達成された古川騎手は、私ことオオハシと同い年で、この9月26日で32歳になられます。比較的地味な存在の騎手ではありますが、その騎乗技術はデビュー当初から先輩騎手にも認められていたのです。一部を引用すると、

「古川も馬に乗る技術だけなら、もうボクも負けているかもしれない。新人がインコースでチョロチョロとしていると邪魔くさくて仕方ないものだけど、古川は違う。人に迷惑をかけずに馬群を鋭く捌くワザを持っているのは大したものだよ」

月刊「優駿」、1998年3月号P12において、佐藤哲三騎手がそう述べられていました。佐藤騎手の言のとおり、今回もインコースから馬群を鋭く捌いての勝利でした。

そしてまた「競馬学校花の12期生」のひとりとしても知られる古川騎手。デビュー初年の1996年は同期生10人の中でもっとも遅い初勝利を挙げた彼ですが、実はジーワン勝ちは同期生10人の中で最も早かったのです。1997年の阪神3歳牝馬S(現阪神JF、JpnI)。「内からもういっぺん、内からアインブライド!!」と関西テレビの馬場鉄志アナウンサーが叫ばれた、あのレース。白い帽子に「紫、赤うろこ、紫袖」の勝負服、やはり内をロスなく抜け出して来たアインブライド(1995.4.14)と古川騎手。ゴール後は2着キュンティア(1995.3.22)に騎乗していた同期生の高橋亮騎手とハイタッチされていました。

干支が一回りする星霜を経て、2度目の重賞勝ちとなった古川騎手。今回のピエナビーナスを管理される南井克巳調教師が、3場開催時には主戦のように起用されることからも分かるように、その腕は確か。この重賞勝利を契機として、もういっぺん、ジーワンで勝利を収める姿を見てみたいものです。

ええ、コメントに気合が入っているでしょう。そりゃ、私が応援している騎手は一に角田晃一、二に上村洋行、三に古川吉洋ですから。同い年の奮起、私も負けられないですね。

では、以下にピエナビーナスのごく簡単な近親牝系図を示しておきます。なお、図中の重賞格付けはいずれも各馬が出走した当時のものです。

Merdemain 1960 海外2勝
|Demare 1967 海外0勝
||More So 1975.5.1 海外6勝 愛1000ギニー(GI) デズモンドS(愛GIII)ほか
|Trusted Maiden 1972 海外0勝
||Obeah 1985.2.12 海外2勝 キャンデラブラS(英GIII)
|||Morgana 1991.3.20 海外6勝 パロマーH(米GII) ロマナH(米GI)2着ほか
|||Panama City 1994.5.16 海外5勝 W.L.マクナイトH(米GII) チェスターヴァーズ(英GIII)ほか
|Maiden Concert 1981.4.8 海外0勝
||Candy Glen 1987.3.25 伊仏6勝 伊2000ギニー(GI) 伊グランクリテリウム(GI)ほか
||Ashley Park 1994.3.23 愛英3勝 愛ダービートライアル(GIII)
||That'll Be The Day 1989.4.26 海外4勝 ピサ賞(伊GIII)2着
|||That's The Way 1995.3.3 海外4勝 プリミパッシ賞(伊GIII)2着
|||Hiddendale 1999.4.4 海外1勝 ネルグウィンS(英GIII)3着
||Imco Charmer 1990.4.30 海外3勝 バグッタ賞(伊GIII)2着
||オープニングタイトル 1995.4.1 不出走
|||ピエナビーナス 2004.3.18 (本馬) クイーンS(GIII)

思わず騎手に注力してしまいましたが、ピエナビーナス自身の血統もしっかりしたものです。伯父に伊2000ギニー馬や愛ダービートライアルの勝ち馬が見え、近親に愛1000ギニー馬がいるのですから、活力があります。

古川吉洋騎手の11年9ヶ月ぶりの重賞勝利を祝うかのように、騎乗経験のある馬が、いえ主戦のように騎乗していた馬が、クイーンSのおよそ10分後、北九州記念(GIII)において勝利を収めることになります。それは次回の講釈にて(by 西遊記)。

では、以上オオハシでした。これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

タイトルとURLをコピーしました