タニノギムレット(1999.5.4)。

タニノギムレット 牡 鹿毛 1999.5.4生 静内・カントリー牧場生産 馬主・谷水雄三氏 栗東・松田国英厩舎

タニノギムレット(1999.5.4)の4代血統表
ブライアンズタイム[A]
黒鹿毛 1985.5.28
種付け時活性値:1.25
Roberto
鹿毛 1969.3.16
Hail to Reason
黒鹿毛 1958.4.18
Turn-to 1951
Nothirdchance 1948
Bramalea
黒鹿毛 1959.4.12
Nashua 1952.4.14
Rarelea 1949
Kelley’s Day
鹿毛 1977.5.11
Graustark
栗毛 1963.4.7
Ribot 1952.2.27
Flower Bowl 1952
Golden Trail
黒鹿毛 1958.3.5
Hasty Road 1951
Sunny Vale 1946
タニノクリスタル
栗毛 1988.4.4
仔受胎時活性値:0.50
クリスタルパレス[A]
芦毛 1974.3.25
種付け時活性値:1.25
Caro
芦毛 1967.4.11
フォルティノ 1959.4.19
Chambord 1955
Hermieres
栗毛 1958.4.10
Sicambre 1948
Vieille Pierre 1951
タニノシーバード
栗毛 1972.4.27
仔受胎時活性値:1.75
Sea-Bird[x]
栗毛 1962.3.8
種付け時活性値:0.25
Dan Cupid 1956.2.14
Sicalade 1956
Flaxen
栗毛 1968.5.15
仔受胎時活性値:0.75
Graustark[B]
栗毛 1963.4.7
種付け時活性値:1.00
Flavia
鹿毛 1958.3.13
仔受胎時活性値:0.25

<5代血統表内のクロス:Graustark3×4、Roman5×5、Sicambre4×5(母方)>

タニノギムレット(1999.5.4)の中島理論的総括
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 何番仔?
ブライアンズタイム 3.25 母がオープン特別勝ち馬
(No.9-C)
4番仔
(4連産目)
第69回日本ダービー(現JpnI)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 3 タニノギムレット 牡3 57 武豊 2:26.2    34.7 482
[+2]
松田国英 1
2 11 シンボリクリスエス 牡3 57 岡部幸雄 2:26.4 1 35.2 520
[-6]
藤沢和雄 3
3 8 マチカネアカツキ 牡3 57 K.デザーモ 2:26.4 アタマ 35.6 512
[-4]
藤沢和雄 6
4 10 メガスターダム 牡3 57 松永幹夫 2:26.4 アタマ 35.2 490
[-2]
山本正司 9
5 18 ゴールドアリュール 牡3 57 上村洋行 2:26.5 クビ 35.8 498
[-4]
池江泰郎 13
第69回日本ダービー(現JpnI)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.8-11.3-12.6-12.6-12.4-12.3-12.4-12.0-12.2-11.7-11.6-12.3
上り 4F 47.8-3F 35.6

5月の最終週の日曜日に生まれ日が巡る人は幸せである」と我ながらに思うことがあります。今年2009年はウマいことカレンダーが巡り、4月6日生まれのエアグルーヴ、4月20日生まれのトウカイテイオー、そして5月4日生まれのタニノギムレットと、 各々が今年の生まれ日を迎えた月曜日ごとに、私の誕生日である5月26日にクラシック制覇を遂げてくれた馬たちを紹介できました。

では、以下にタニノギムレットのごく簡単な近親牝系図を示しておきます。なお、図内の重賞格付けはいずれも各馬が出走した当時のものです。

Flavia 1958.3.13 海外6勝
|Flaxen 1968.5.15 海外0勝
||タニノシーバード 1972.4.27 海外2勝
|||タニノスイセイ 1983.6.23 中央7勝 北九州記念(GIII) 朝日CC(GIII)
|||タニノクリスタル 1988.4.4 中央3勝 アネモネS(OP) サファイアS(GIII)3着
||||タニノギムレット 1999.5.4 (本馬) 日本ダービー(GI)ほかGII1勝GIII2勝
|||タニノビッグネーム 1990.3.24 中央5勝
||||タニノエタニティ 1998.5.7 中央9勝(平地6勝+障害3勝) ダイヤモンドS(GIII)3着ほか
||King Post 1985.4.26 米3勝 ジムビームS(GII) ベルモントS(GI)2着
|Infuriator 1970.5.7 米8勝 ホブソンH(GII)

お母さんのタニノクリスタル。私が競馬を見始めた頃、関西の条件級でよくよく見かけたものです。美しい栗毛馬でした。

ちょっと話題が逸れますけれど、月刊「優駿」の2009年5月号のサラブレッド・ヒロイン列伝において取り上げられていたのはイソノルーブル(1988.3.13)でした。靴を忘れたシンデレラ、1991年の第52回オークス(現JpnI)の逃走は見事でしたね。そのオークスにはタニノクリスタルも出走して6着だったのですが、まあ、ほかにも揃いも揃って名牝がずらり。

2着の桜花賞(現JpnI)馬シスタートウショウ(1988.5.25)、4着の最優秀3歳-現年齢表記2歳-牝馬ノーザンドライバー(1988.4.16)という鶴留明雄厩舎の2頭。そして5着のスカーレットブーケ(1988.4.11)は自身重賞4勝でダイワメジャー(2001.4.8)ダイワスカーレット(2004.5.13)兄妹という2頭のスーパーホースの母となりました。

また、桜花賞とエリザベス女王杯(GI)で2着したヤマノカサブランカ、重賞2勝のランフォザドリーム(1994.4.3)の母で自身も重賞2勝のミルフォードスルー(1988.3.18)、そして2冠馬サニーブライアン(1994.4.23)の母となったサニースイフト(1988.4.27)もいました。

恐るべしは1988年生まれ世代のオークス出走馬たち。詳しくはサラブレッド・ヒロイン列伝に譲りますが、ほかにも同世代の牝馬は自身あるいは子孫に活躍馬が多く輩出されています。

閑話休題。タニノギムレット、短いけれど、太く雄々しい競走馬生活でした。「この馬はよっぽど」と思ったのはスプリングS(現JpnII)でしたね。今もレースレコードとして残っていますけれど、3歳3月に中山芝1800mを大外ぶん回しで1分46秒9という快時計で制したのですから、大したもの。

彼の実力が確かなものであったのは、結果的に自身のラストランとなった競馬の祭典で見事に示されました。その勝利により、武豊騎手に「史上初の日本ダービー3勝騎手」の称号と、谷水雄三オーナーに「父子2代のダービーオーナー」を贈ったのでした。

そして、彼の物語は1代で潰えることなく「史上初の父娘2代の日本ダービー制覇」という快挙をはじめとして、現在も続いています。2枠3番、黒い帽子に「黄、水色襷」の勝負服、当日の馬体重482kgまで同じ。父が駆けたダービーロード、愛娘ウオッカ(2004.4.4)は3馬身差の圧勝をもって64年ぶりの牝馬制覇を遂げました。

本当は彼自身が娘が進んでいる道を歩みたかったのでしょう。果たせなかった3歳秋以降、娘が少しでも取り戻してくれて、彼も溜飲を下げたのではないでしょうか。

タニノギムレット、これからもウオッカに負けないような強い仔どもたちを送り込んでほしいもの。ただただ期待しています。

では、以上オオハシでした。これから走る馬、人すべてが無事でありますように。そしてまた、競馬を愛する人すべてが幸せでありますように。

タイトルとURLをコピーしました