ロックドゥカンブ(2004.9.29)を通して見る活性値「0.125」交配。

明後日のセントライト記念(JpnII)に出走予定のロックドゥカンブ。ヴィクトリアダービー(豪GI)挑戦がご破算になってしまい残念でしたけれど、南半球産の怪物候補、果たして日本で連勝を重ねることが出来るのか。楽しみですね。

今回は、そんなロックドゥカンブの血統を通して、中島理論的に「活性値」についての記事をお届けしたいと思います。

(外)ロックドゥカンブ 牡 青鹿毛 2004.9.29生 新国・カレマン・ブラッドストック社生産 馬主・吉田和美氏 美浦・堀宣行厩舎

  1. 4代血統構成(各父):『▲Red Ransom×Fairy King×Ela-Mana-Mou×Sir Gaylord』
  2. 4代血統構成(父系):『Roberto系×Northern Dancer系×Fair Trial系×Turn-to系』
  3. 5代血統表内のクロス:Hail to Reason3×5、Nearctic4×4、Turn-to4×5
  4. 牝系:11号族 半兄Roman Chariot(新ダービー2着) 曾祖母Gaily(愛1000ギニー馬) 同牝馬からの別分枝にピルサドスキー、ファインモーション
  5. 母の何番仔?:5番仔(5連産目)

ロックドゥカンブは、皆様ご承知置きのとおり、南半球産馬で秋仔です。その父Red Ransom(1987)は米国産馬であり、父と仔の年齢差から16.5歳時の交配により、活性値「0.125」のポイントを受けていると判断します。

中島理論的には、活性値が「0.125」のポイントということは、準0遺伝(イエロー0)の数値です。今年に入るまであまり意識していなかったのですが、大雑把に言えば、満8歳、16歳、24歳の歳を迎えた北半球産のシャトル種牡馬が南半球で種付けをした時は、準0遺伝により、0クリアした血を伝えられるということになります。

通常は種牡馬の活性値を乗算した結果が「0.125」以下になった際に準0遺伝と判断しています。けれど、1代で0.125となった場合でも同様に判断しても良いと思います。ただ、0遺伝の年回りの年における後半の活性値について言えば、厳密には「0.125~0.25」の半年間になりますので、見解によっては認めない方もいらっしゃって当然です。

#なお、乗算活性値により「0.125」以下になる例は、ナリタトップロード(1996.4.4)をご参照ください。

また、逆に南半球産馬が北半球で種牡馬として供用された折は、交配年齢に注意が必要です。「父と仔の年齢差が9歳、17歳、25歳ならば0遺伝」と判断されることが多いと思います。けれど、南半球産の種牡馬が北半球で供用された場合、満8歳、16歳、24歳を迎えるのが秋になりますので、春の段階では「7.5歳、15.5歳、23.5歳」となり、「1.875」ポイントの交配で極めて高い活性値での交配となります。

故に「8.5歳、16.5歳、24.5歳」の「0.125」ポイントの交配は「翌年の春」、日本の馬齢加算でいうと「9歳、17歳、25歳の年の春」ということになります。南半球産馬が北半球で種牡馬供用されるケースでは「父と仔の年齢差が10歳、18歳、26歳ならば準0遺伝」という判断も、場合によっては必要ですね。

このようなケースのモデルとしてパッと思いついたのは……、1世紀以上前の例で恐縮ですけれど、Carbine(1885.9.18)とSpearmint(1903)父仔でした(苦笑)。南半球の新国の名馬Carbineが、種牡馬として北半球の英国で供用されて送り出した傑作が、英ダービー(現GI)馬Spearmint。父仔の年齢差を見ると18歳で、Carbineが16.5歳時の交配で生産されたことが分かります。0.125ポイントの準0遺伝により、0遺伝に近い効果が現れたのではないでしょうか。

余談ながら、Spearmintは満8歳時の0交配により名繁殖牝馬Plucky Liege(1912)を送り出しました。Sir Gallahad(1920)、Bull Dog(1927)、Admiral Drake(1931)、Bois Roussel(1935)という4頭の名種牡馬の母として知られていますね。また、SpearmintはCatnip(1910)の父でもあります。CatnipはNogara(1928)の母、つまりはNearco(1935.1.24)の祖母ですね。出て来た馬たちの名前を見ると、Carbine~Spearmintの血は、現代血統にも少なからず影響を与えていますね。

最後はロックドゥカンブの話題からかなり離れてしまいましたけれど、またいつの日かロックドゥカンブが北半球で種牡馬となり、仔が走る時が来たら、その交配年齢にも注意して見てみたいと思います。そのためには、この秋の走りから。結果的に再度のコンビとなった柴山雄一騎手ともども、まずはセントライト記念、期待しています。

ではでは、本日も長文乱文にお付き合い頂き、ありがとうございました。

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