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2011年11月15日 (火)

ジャパンカップ(GI)の30年を辿る(其の五)。

ふと、ジャパンカップ(GI)の過去30回について、勝ち馬を中心に辿ってみようと思いました。その5回目は第13回から第15回。

レガシーワールド せん 鹿毛 1989.4.23生 静内・へいはた牧場生産 馬主・(株)ホースタジマ 栗東・森秀行厩舎

レガシーワールド(1989.4.23)の4代血統表
モガミ
青鹿毛 1976.5.18
種付け時活性値:1.00
Lyphard
鹿毛 1969
Northern Dancer
鹿毛 1961.5.27
Nearctic 1954.2.11
Natalma 1957.3.26
Goofed
栗毛 1960.3.29
Court Martial 1942
Barra 1950
ノーラック
黒鹿毛 1968.4.25
Lucky Debonair
鹿毛 1962.5.2
Vertex 1954.4.16
Fresh as Fresh 1957.5.14
No Teasing
黒鹿毛 1957.4.7
Palestinian 1946
No Fiddling 1945
ドンナリディア
栗毛 1983.6.12
仔受胎時活性値:1.25
ジムフレンチ
鹿毛 1968.4.26
種付け時活性値:1.50
Graustark
栗毛 1963.4.7
Ribot 1952.2.27
Flower Bowl 1952
Dinner Partner
鹿毛 1959.5.27
Tom Fool 1949.3.31
Bluehaze 1945
ダイゴハマイサミ
栗毛 1966.6.14
仔受胎時活性値:2.00
チャイナロック
栃栗毛 1953
種付け時活性値:1.00
Rockefella 1941
May Wong 1934
ハマイサミ
栗毛 1957.4.14
仔受胎時活性値:2.00(0.00)
ヴィーノーピュロー(ARG)
栗毛 1934.7.27
種付け時活性値:1.50
ミスヒガシ
鹿毛 1943.4.11
仔受胎時活性値:1.25

<5代血統表内のクロス:なし>

レガシーワールド(1989.4.23)の中島理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
モガミ
(Lyphard系)
ジムフレンチ
(Ribot系)
チャイナロック
(Hyperion系)
ヴィーノーピュロー
(The Tetrarch系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
ジムフレンチ 6.50 or 4.50 祖母が阪神障害Sの勝ち馬
(No.4-d プロポンチス系)
2番仔
(2連産目)
第13回ジャパンカップ(GI)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 8 レガシーワールド せん4 57 河内洋 2:24.4    36.1 496
[+6]
森秀行 6
2 7 コタシャーン 牡5 57 K.デザーモ 2:24.6 1.1/4 35.7 470
[不明]
R.マンデラ 1
3 2 ウイニングチケット 牡3 55 柴田政人 2:24.6 アタマ 35.9 460
[-10]
伊藤雄二 4
4 4 プラティニ 牡4 57 M.E.リマー 2:24.7 クビ 35.9 488
[不明]
B.シュッツ 14
5 3 スターオブコジーン 牡5 57 J.A.サントス 2:24.9 1.1/4 35.6 462
[不明]
M.A.ヘニグ 3

1993年の第13回。いま思えば「アーバンシーがよく日本で走ってくれたなぁ」と思います。当年の凱旋門賞(GI)を制していたアーバンシー(1989.2.18)、ジャパンカップでは10番人気8着でした。そんな彼女の真価は、Galileo(1998.3.30)、Sea The Stars(2006.4.6)、Black Sam Bellamy(1999.4.21)、My Typhoon(2002.5.7)と、英ダービー(GI)馬2頭を含む4頭のGI勝ち馬を産んだ繁殖牝馬として発揮されたのですが、それはまた、別の話。

レースは、その年の5月に鬼籍に入られた戸山為夫調教師の遺産が世界を制した、という結果でした。その名もまさにレガシーワールド、日本で調教された「せん馬」として、初めてJRAGIで勝利を収めました。終始先行2番手から積極的に推し進め、後続勢の追い込みを封じました。ただ、せっかくの優勝にちょっとケチが付いてしまったのは、2着のコタシャーン(1988.5.4)にラスト100mで「ゴール板誤認事件」があったこと。それでも、事件があってもなくても、レガシーワールドが凌いでいたのではないかと思います。満3歳秋から満4歳時のレガシーワールドからは、勝負に行って、鬼気迫るものが発せられていました。

勝ち戻るレガシーワールドに対して、CX系の中継で解説をされていた故・大川慶次郎さんが、「勝ったから言う訳じゃあないんですけど、いま日本で一番強い馬です」と、おっしゃっていたのを覚えています。それだけ、能力を買われていたのですね。

自分から勝ちに行く競馬が出来たレガシーワールド、絶頂期には本当に強い馬でした。

*

マーベラスクラウン せん 栗毛 1990.3.19生 新冠・早田牧場新冠支場生産 馬主・笹原貞生氏 栗東・大沢真厩舎

マーベラスクラウン(1990.3.19)の4代血統表
Miswaki
栗毛 1978.2.22
種付け時活性値:0.75
Mr.Prospector
鹿毛 1970.1.28
★Raise a Native
栗毛 1961.4.18
Native Dancer 1950.3.27
Raise You 1946
Gold Digger
鹿毛 1962.5.28
Nashua 1952.4.14
Sequence 1946
Hopespringseternal
栗毛 1971.5.27
Buckpasser
鹿毛 1963.4.28
Tom Fool 1949.3.31
Busanda 1947
Rose Bower
栗毛 1958.3.24
Princequillo 1940
Lea Lane 1952
モリタ
栗毛 1978.10.30
仔受胎時活性値:0.625

Harbor Prince(USA)
栗毛 1969.5.2
種付け時活性値:0.125
Prince John
栗毛 1953.4.6
Princequillo 1940
Not Afraid 1948
Hornpipe
栗毛 1965
Hornbeam 1953
Sugar Bun 1946
Cathmoi
栗毛 1972
仔受胎時活性値:1.25
Alvaro
鹿毛 1965
種付け時活性値:1.50
Rockefella 1941
Aldegonde 1955
Untried
栗毛 1964
仔受胎時活性値:1.75
The Summit
青鹿毛 1951
種付け時活性値:1.00
Cordial
鹿毛 1957
仔受胎時活性値:1.50

<5代血統表内のクロス:Princequillo4×4、Count Fleet5×5、Nasrullah5×5(父方)、Hyperion5×5(母方)>

マーベラスクラウン(1990.3.19)の中島理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Miswaki
(Mr.Prospector系)
Harbor Prince
(Princequillo系)
Alvaro
(Hyperion系)
The Shummit
(Son-in-Law系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Alvaro 5.125 母が新オークス馬
(No.13-a)
5番仔
(2連産目)
第14回ジャパンカップ(GI)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 4 マーベラスクラウン せん4 57 南井克巳 2:23.6    36.2 486
[+6]
大沢真 6
2 3 パラダイスクリーク 牡5 57 P.デイ 2:23.6 ハナ 35.9 542
[不明]
W.モット 2
3 15 ロイスアンドロイス 牡4 57 横山典弘 2:23.8 1.1/4 36.1 500
[0]
松山康久 8
4 12 エルナンド 牡4 57 C.アスムッセン 2:24.0 1.1/4 36.0 436
[不明]
F.ブータン 4
5 10 サンドピット 牡5 57 C.S.ナカタニ 2:24.0 クビ 36.8 544
[不明]
R.マンデラ 1

1994年の第14回。この年のレースでは、密かに2組の兄弟対決がなされていたのです。まず1組目はリュパン賞(旧仏GI)の勝ち馬ヨハンクアッツ(1989.2.22)と仏ダービー(GI)馬エルナンド(1990.2.8)というGI兄弟。結果は兄が12着、弟が4着。そして2組目がハリウッドターフH(現チャールズウィッティンガムメモリアルH、米GI)の勝ち馬グランドフロティラ(1987.2.25)と、京都大賞典(GII)勝ちから挑んで来た「せん馬」マーベラスクラウン。結果は兄が8着同着、弟が1着。2組の兄弟対決は、共に弟に軍配が上がるという結果でした。

ファンは、叶うのならば、日本の最強兄弟の対決を見たかったのかも知れません。ビワハヤヒデ(1990.3.10)とナリタブライアン(1991.5.3)。ただ、両馬がいなくとも、ジャパンカップを制したのが「早田牧場生産の13号族馬」だったというのは、当時の勢いを思うところです。そんな「我が世の春」を桜花、もとい、謳歌した牧場が、思わぬ転落を見せたのは、もっと後のことでした。

話を元に戻すと、マーベラスクラウン、前年の第13回を制したレガシーワールドと同様、「ジャパンカップを6番人気で挑み北米芝王者をわずかに抑えてGI初勝利を収めたせん馬」ということになりますでしょうか。悲しいかな、両馬共に「ジャパンカップが競走生活最後の勝利」になってしまったところも共通しています。

とはいえ、マーベラスクラウンがパラダイスクリーク(1989.2.4)を「ハナ」だけ凌いで、2分23秒6という当時の史上3番目の好タイムで制した記憶が、私の中で薄れることはありません。この年は戦前までGI勝ち馬が1頭もおらず、例年にも増して「小粒」と評価された日本勢でしたが、なんのなんの。栗毛の暴れん坊、赤メンコも鮮やかに、マーベラスクラウン。赤い帽子に「桃、紫袖」の勝負服をまとった南井克巳騎手を背にしたその姿は、まるで炎のよう。果たせるかなマーベラスクラウン、決勝点で勝利の女神は彼に微笑んでいたのです。そうして、史上初の日本馬によるジャパンカップ3年連続勝利が成されたのでした。

*

ランド 牡 鹿毛 1990.1.23生 独国・イットリンゲン牧場生産 馬主・イットリンゲン牧場 独国・H.イエンチ厩舎

ランド(1990.1.23)の4代血統表
Acatenango
栗毛 1982.4.13
種付け時活性値:1.75
Surumu
栗毛 1974.2.26
★Literat
鹿毛 1965
Birkhahn 1945
Lis 1960 ♀
Surama
黒鹿毛 1970.3.6
Reliance 1962.4.11
Suncourt 1952
Aggravate
鹿毛 1966
Aggressor
鹿毛 1955
Combat 1944
Phaetonia 1945
Raven Locks
青毛 1945
Mr.Jinks 1926
Gentlemen's Relish 1926
Laurea
鹿毛 1983.4.10
仔受胎時活性値:1.50
Sharpman
栗毛 1976.4.4
種付け時活性値:1.50
Sharpen Up
栗毛 1969.3.17
エタン 1961.3.14
Rocchetta 1961
Miss Manon
鹿毛 1970.4.1
ボンモー 1963.3.12
Miss Molly 1965.4.11
Licata
鹿毛 1973.2.8
仔受胎時活性値:0.25
Dschingis Khan
鹿毛 1961
種付け時活性値:0.75
★Tamerlane 1952
Donna Diana 1956
Liberty
鹿毛 1966.2.22
仔受胎時活性値:1.50
Birkhahn
鹿毛 1945
種付け時活性値:1.00
Lis
鹿毛 1960 ♀
仔受胎時活性値:1.25

<5代血統表内のクロス:Literat=Liberty(♀)3×3>

ランド(1990.1.23)の中島理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Acatenango
(Bay Ronald系)
Sharpman
(エタン系)
Dschingis Khan
(Blandford系)
Birkhahn
(Bay Ronald系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Acatenango 4.50 半弟Larocheも独ダービー馬
(No.7-b)
2番仔
(不受胎後)
第15回ジャパンカップ(GI)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 4 ランド 牡5 57 M.ロバーツ 2:24.6    34.8 478
[不明]
H.イエンチ 6
2 12 ヒシアマゾン 牝4 55 中舘英二 2:24.8 1.1/2 34.7 484
[0]
中野隆良 2
3 10 エルナンド 牡5 57 C.アスムッセン 2:24.8 クビ 34.7 438
[不明]
J.ハモンド 7
4 9 タイキブリザード 牡4 57 岡部幸雄 2:24.8 ハナ 35.5 534
[-2]
藤沢和雄 4
5 13 アワッド 牡5 57 E.メイプル 2:25.0 1.1/4 34.8 440
[不明]
D.ドンク 5

1995年の第15回。振り返れば、この年から「冬枯れのターフ」ではなくなりました。府中の冬枯れのターフもまた、風情があったのですが……。ともあれ、レースは世界4ヶ国を転戦してやって来た独ダービー(GI)馬ランドが、上がり3ハロン34秒8の末脚を繰り出し、ドイツ代表馬として初めてジャパンカップを制しました。日本勢はナリタブライアン(1991.5.3)、ヒシアマゾン(1991.3.26)という2枚看板でジャパンカップ4年連続勝利を目指しましたけれど、戦前まで芝2400mのGIレース6勝の強豪の前に後塵を拝してしまいました。さながら、芝2400mのプロフェッショナルともいうべきランド。鞍上のマイケル・ロバーツ騎手が「ランドは日本の芝に合うはず。ジャパンカップに行こう」と進言された結果、見事に東洋の地で芝2400mのGIレース7勝目を挙げたのでした。そんなランドの鞍上の姿を見れば、赤の帽子に、白と赤の勝負服。ドイツ代表なのに日の丸カラー。レース当時、妙に親近感を覚えたものでした(^^)

  

話題はランドから逸走してしまうのですが、今年2011年の第31回ジャパンカップにおける外国招待馬の目玉は、なんと言っても凱旋門賞(仏GI)馬にしてドイツ代表馬のデインドリーム(2008.5.7)です。彼女の血統については以前のエントリで記しましたけれど、彼女は凱旋門賞の他にベルリン大賞(独GI)、バーデン大賞(独GI)、伊オークス(伊GII)と、ドイツとイタリアの上級レースも制しています。この「ドイツとイタリアの馬場への適正」というのは、日本で走る際、重要と思います。特にドイツ、イタリアの2000mから2400mのレースは、ですね。

ジャパンカップを勝った馬や、注目された馬、と言いますか私の記憶にある馬だけを述べることになりますが、

  1. ルグロリュー(1984.2.18)
    →第7回を3番人気で1着。ベルリン大賞(独GI)のほか独GII、独GIIIを1勝ずつ。またワシントンDCインターナショナル(米GI)の勝ち馬
  2. トニービン(1983.4.7)
    →第8回を1番人気で5着。凱旋門賞のほかはミラノ大賞(伊GI)2回、共和国大統領賞(伊GI)2回、ジョッキークラブ大賞(伊GI)と伊GI5勝
  3. ホワイトマズル(1990.3.21)
    →第13回を2番人気13着。伊ダービー(当時GI、現GII)を2分24秒5のレースレコード勝ち
  4. ランド
    →第15回を6番人気で1着。独ダービー、バーデン大賞2回、メルクフィンク銀行賞(現ベルリン大賞)、ジョッキークラブ大賞、ミラノ大賞と独伊でGI6勝
  5. ファルブラヴ(1998.2.28)
    →第22回を9番人気で1着。ミラノ大賞、共和国大統領賞と伊GI2勝。特に共和国大統領賞は1分57秒8のレコード勝ち。翌2003年には欧州最優秀古馬に成長

トニービンはジャパンカップを勝てなかったものの、日本で種牡馬として大成功しました。また、ホワイトマズルもGI勝ち馬4頭を出すなど、現在も種牡馬として活躍しています。

欧州馬の場合、日本のトラックコースに近い馬場で活躍をしている、という事実はやはり大切なのでしょうね。

#余談。ほかにも第13回で14番人気4着だったプラティニ(1989.2.19)もドイツ代表馬でした。「ドイツ代表なのにプラティニ」と、サッカーファンでもある明石家さんまさんがおっしゃっていたように思います。そんなプラティニは、後にエイシンフラッシュ(2007.3.27)の母父として改めて脚光を浴びました。

  

では、以上オオハシでした。これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

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