ジャパンカップ(GI)の30年を辿る(其の弐)。
ふと、ジャパンカップ(GI)の過去30回について、勝ち馬を中心に辿ってみようと思いました。1回目をアップした後、「気が触れた」と思いましたけれど、なんとか頑張ってみます(苦笑)。という訳で、その2回目は第4回から第6回。
カツラギエース 牡 黒鹿毛 1980.4.24生 三石・片山専太郎氏生産 馬主・野出一三氏 栗東・土門一美厩舎
ボイズィーボーイ 黒鹿毛 1965.6.4 種付け時活性値:1.50 |
King's Troop 鹿毛 1957 |
Princely Gift 鹿毛 1951 |
Nasrullah 1940.3.2 |
Blue Gem 1943 | |||
Equiria 毛 1946 |
Atout Maitre 1936 | ||
Epona 1937 | |||
Rising Hope 黒鹿毛 1951 |
The Phoenix 鹿毛 1940 |
Chateau Bouscaut 1927 | |
Fille de Poete 1935 | |||
Admirable 黒鹿毛 1942 |
Nearco 1935.1.24 | ||
Silvia 1927 | |||
タニノベンチャ 黒鹿毛 1971.2.15 仔受胎時活性値:2.00(0.00) |
ヴェンチア 黒鹿毛 1957 種付け時活性値:1.25 |
Relic 青毛 1945 |
War Relic 1938 |
Bridal Colors 1931 | |||
Rose o'Lynn 鹿毛 1944 |
Pherozshah 1934 | ||
Rocklyn 1937 | |||
アベイブリッジ 鹿毛 1958 仔受胎時活性値:1.00 |
Entente Cordiale 鹿毛 1951 種付け時活性値:1.50 |
Djebel 1937 | |
Herringbone 1940 | |||
British Railways 鹿毛 1949 仔受胎時活性値:2.00(0.00) |
Umidwar 鹿毛 1931 種付け時活性値:0.25 |
||
Euston 鹿毛 1938 仔受胎時活性値:0.50 |
<5代血統表内のクロス:Pharos5×5、Nearco4×5(父方)、Easton5×5(母方)>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
ボイズィーボーイ (Princely Gift系) |
ヴェンチア (Relic系) |
Entente Cordiale (Tourbillon系) |
Umidwar (Blandford系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
ボイズィーボーイ | 5.50 or 3.50 or 1.50 |
半妹ラビットボール (No.14-c) |
5番仔 (5連産目) |
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破 時計 |
着差 | 馬体重 | 調教師 |
人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 10 | カツラギエース | 牡4 | 57 | 西浦勝一 | 2:26.3 | 508 | 土門一美 | 10 | |
2 | 4 | ベッドタイム | せん4 | 57 | W.カーソン | 2:26.5 | 1.1/2 | -- | W.ハーン | 2 |
3 | 12 | シンボリルドルフ | 牡3 | 55 | 岡部幸雄 | 2:26.5 | アタマ | 474 | 野平祐二 | 4 |
4 | 7 | マジェスティーズプリンス | 牡5 | 57 | D.マクベス | 2:26.5 | ハナ | -- | J.キャンティー | 3 |
5 | 6 | ウイン | せん4 | 57 | A.グレール | 2:26.8 | 2 | -- | S.ベイリー | 6 |
気難しいところがあったというカツラギエースを御するための秘策。それは、長手綱と、初めてのメンコ装着。道中、後続を大きく引き離しての一人旅。フジTVの中継では、「カツラギ逃げが鈍った」と思わず盛山毅アナが口にされた、直線の入り口。あれは息を入れて、脚を溜められていたのでしょう。いったん、馬群を引き寄せての逃げ。いま見れば「西浦騎手、怖くなかったのかなぁ」と思います。けれど、そんな心配をよそに、先頭を譲らなかったカツラギエースの脚は、ゴールに近づくにつれ、鋭さを増しました。西浦勝一騎手の渾身の右ムチに応えて、カツラギエース、堂々の逃げ切り。2分26秒3の勝ち時計、第4回にして初の日本馬の優勝。レース後の勝利騎手インタビューに答えられた西浦騎手の笑顔と、「してやったり」。ただただ、素敵でした。
*
シンボリルドルフ 牡 鹿毛 1981.3.13生 門別・シンボリ牧場生産 馬主・シンボリ牧場 美浦・野平祐二厩舎
パーソロン 鹿毛 1960 種付け時活性値:1.00 |
Milesian 鹿毛 1953 |
My Babu 鹿毛 1945 |
Djebel 1937 |
Perfume 1938 | |||
Oatflake 鹿毛 1942 |
Coup de Lyon 1930 | ||
Avena 1936 | |||
Paleo 鹿毛 1953 |
★Pharis 黒鹿毛 1936 |
Pharos 1920 | |
Carissima 1923 | |||
Calonice 栗毛 1940 |
Abjer 1933 | ||
Coronis 1935 | |||
スイートルナ 栗毛 1972.5.4 仔受胎時活性値:2.00 |
★ スピードシンボリ 黒鹿毛 1963.5.3 種付け時活性値:0.00 |
ロイヤルチャレンヂャー 栗毛 1951 |
★Royal Charger 1942 |
Skerweather 1936 | |||
スイートイン 鹿毛 1958.2.23 |
ライジングライト 1942 | ||
フィーナー 1949 | |||
ダンスタイム 鹿毛 1957 仔受胎時活性値:1.50 |
Palestine 芦毛 1947 種付け時活性値:0.25 |
Fair Trial 1932 | |
Una 1930 | |||
Samaritaine 芦毛 1949 仔受胎時活性値:1.75 |
Maravedis 鹿毛 1931 種付け時活性値:0.25 |
||
Sarita 芦毛 1936 仔受胎時活性値:1.00 |
<5代血統表内のクロス:Pharos=Fairway4×5、Tourbillon5×5(父方)>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
パーソロン (My Babu系) |
★スピードシンボリ (Royal Charger系) |
Palestine (Fairway系) |
Maravedis (St.Simon系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
パーソロン | 6.25 |
全兄シンボリフレンド (No.11-c) |
4番仔 (不受胎後) |
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破 時計 |
着差 | 馬体重 | 調教師 |
人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 15 | シンボリルドルフ | 牡4 | 57 | 岡部幸雄 | 2:28.8 | 480 | 野平祐二 | 1 | |
2 | 12 | ロッキータイガー | 牡4 | 57 | 桑島孝春 | 2:29.1 | 1.3/4 | 434 | 泉孝 | 11 |
3 | 8 | ザフィルバート | せん5 | 57 | G.フィリップス | 2:29.3 | 1 | 462 | D.コーチマン | 13 |
4 | 9 | アリダーズベスト | 牝3 | 53 | W.カーソン | 2:29.5 | 1.1/2 | 446 | J.ゴスデン | 5 |
5 | 4 | ドーン | 牡4 | 57 | P.ギルソン | 2:29.6 | 3/4 | 460 | T.グリーパー | 9 |
ジャパンカップ史上初の「1番人気馬による勝利」を収めたのは、皇帝シンボリルドルフ。雨も、重馬場も、全くいとやせず。その前走天皇賞・秋(GI)では、府中芝2000mの難しいコース形態もあり、仇となった大外枠。同じく大外枠、ピンクの帽子も府中芝2400mでは問題なし。泥だらけになりながらも、悠然と駆けて、快勝。2着にも南関東・船橋の雄であるロッキータイガー(1981.5.12)が突っ込み、これまたジャパンカップ史上初の「日本馬によるワンツーフィニッシュ」が遂げられたのでした。と同時に、ロッキータイガーにより、日本の地方競馬所属馬による初めてのジャパンカップ連対が果たされたということでもありますね。うぉ、名手・桑島孝春の唸る右腕、水車ムチ。
なお、このレースから7年後、シンボリルドルフはもうひとつジャパンカップ史上初を付け加えることになります。同じく大外枠、ピンクの帽子、岡部幸雄騎手を背にした孝行息子により「父仔制覇」を遂げたのでした。まま、それはまた、次々回の息子の記事でも記しましょうか(^_^;)
*
ジュピターアイランド 牡 鹿毛 1979.2.23生 英国・タビストック侯爵夫妻生産 馬主・タビストック侯爵 英国・C.E.ブリテン厩舎
St.Paddy 鹿毛 1957 種付け時活性値:1.25 |
Aureole 栗毛 1950 |
Hyperion 栗毛 1930.4.18 |
Gainsborough 1915.1.24 |
Selene 1919 | |||
Angelola 鹿毛 1945 |
Donatello 1934 | ||
Feola 1933 | |||
Edie Kelly 黒鹿毛 1950 |
Bois Roussel 黒鹿毛 1935 |
★Vatout 1926 | |
Plucky Liege 1912 | |||
Caerlissa 鹿毛 1935 |
Caerleon 1927 | ||
Sister Sarah 1930 | |||
Mrs.Moss 栗毛 1969 仔受胎時活性値:0.25 |
Reform 鹿毛 1964 種付け時活性値:1.00 |
★Pall Mall 栗毛 1955 |
Palestine 1947 |
Malapert 1946 | |||
Country House 黒鹿毛 1955 |
Vieux Manoir 1947 | ||
Miss Coventry 1943 | |||
Golden Plate 栗毛 1964 仔受胎時活性値:1.00 |
Whistler 栗毛 1950 種付け時活性値:1.25 |
Panorama 1936 | |
Farthing Damages 1939 | |||
Good as Gold 栗毛 1955 仔受胎時活性値:2.00(0.00) |
★ニンバス 黒鹿毛 1946 種付け時活性値:0.00 |
||
Gamble in Gold 黒鹿毛 1948 仔受胎時活性値:1.50 |
<5代血統表内のクロス:Fair Trial5×5(母方)>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
St.Paddy (Aureole系) |
Reform (Fairway系) |
Whistler (The Boss系) |
★ニンバス (Nearco系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
St.Paddy | 4.75 or 2.75 |
半姉が英GII勝ち馬 (No.14) |
6番仔? (6連産目?) |
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破 時計 |
着差 |
上り 4F |
馬体重 [前走比] |
調教師 |
人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 10 | ジュピターアイランド | 牡7 | 57 | P.J.エデリー | 2:25.0 | レコード | 46.5 |
482 [不明] |
C.E.ブリテン | 8 |
2 | 13 | アレミロード | 牡3 | 55 | G.スターキー | 2:25.0 | アタマ | 47.5 |
478 [不明] |
G.ハーウッド | 6 |
3 | 6 | ミホシンザン | 牡4 | 57 | 柴田政人 | 2:25.2 | 1.1/4 | 47.3 |
498 [+6] |
田中朋次郎 | 4 |
4 | 11 | ラグビーボール | 牡3 | 55 | 河内洋 | 2:25.3 | 3/4 | 47.1 |
454 [0] |
田中良平 | 10 |
5 | 9 | アワウェイバリースター | せん4 | 57 | L.A.オサリバン | 2:25.4 | 1/2 | 46.9 |
508 [+12] |
D.J.オサリバン | 2 |
最後の直線。残り400mを切ったあたりからゴールまで続く、外のジュピターアイランドのエデリー騎手と、内のアレミロード(1983.3.29)のスターキー騎手による、ヨーロピアンスタイルの壮絶な叩き合い。
ここはアレミロードのスターキー騎手、なんとしても意地を見せたかったでしょう。
というのも、この1986年、アレミロードのステーブルメイトであったダンシングブレーヴ(1983.5.11)をめぐる鞍上の争いがあったから。
ダンシングブレーヴの10Fまでの距離のレースではスターキー騎手が全レース騎乗されて6戦6勝だったのです。しかし、12F級のレースでは、肝心の英ダービー(GI)を2着に取りこぼしてしまい、以後、"キング・ジョージ"(英GI)、凱旋門賞(仏GI)、BCターフ(米GI)ではエデリー騎手がダンシングブレーヴに騎乗されたのでした。
そんな騎手どうしの因縁もあり、西洋の12Fの借りを、東洋の2400mで返したかったスターキー騎手。けれど、悲しいかな、府中の杜におわす競馬の神様は、わずかに「アタマ」だけ届かないという結果を与えてしまいました。
勝ったのはエデリー騎手が騎乗した満7歳馬、ジュピターアイランド。引退レースとして選んだ府中芝2400mを2分25秒0のレコードタイムで駆けた彼の勝利は、日本中央競馬会史上初の満7歳馬によるGI制覇でもありました。
では、以上オオハシでした。これから走る馬、人すべてが無事でありますように。また次回、明後日の「其の参」でお会い致しましょう。
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