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2011年7月27日 (水)

3冠馬を辿る(参)-ミスターシービー(1980.4.7)-。

ミスターシービー 牡 黒鹿毛 1980.4.7生~2000.12.15没 浦河・千明牧場生産 馬主・千明牧場 美浦・松山康久厩舎

ミスターシービー(1980.4.7)の4代血統表
トウシヨウボーイ
鹿毛 1973.4.15
種付け時活性値:1.50
テスコボーイ
黒鹿毛 1963
Princely Gift
鹿毛 1951
Nasrullah 1940.3.2
Blue Gem 1943
Suncourt
黒鹿毛 1952
Hyperion 1930.4.18
Inquisition 1936
ソシアルバターフライ
鹿毛 1957.4.13
Your Host
栗毛 1947
★Alibhai 1938
Boudoir 1938
Wisteria
鹿毛 1948
★Easton 1931
Blue Cyprus 1941
シービークイン
黒鹿毛 1973.2.23
仔受胎時活性値:1.50

トピオ
鹿毛 1964.4.18
種付け時活性値:0.00
Fine Top
黒鹿毛 1949
Fine Art 1939
Toupie 1943
Deliriosa
鹿毛 1956
Delirium 1945
La Fougueuse 1950
メイドウ
鹿毛 1965.6.16
仔受胎時活性値:1.75
アドミラルバード
黒鹿毛 1952
種付け時活性値:1.00
Nearco 1935.1.24
Woodlark 1944
メイワ
栗毛 1958.4.21
仔受胎時活性値:1.50
★ゲイタイム
栗毛 1949
種付け時活性値:0.00
チルウインド
栗毛 1946
仔受胎時活性値:0.75

<5代血統表内のクロス:Nearco5×4、Hyperion4×5(父方)>

ミスターシービー(1980.4.7)の中島理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
トウシヨウボーイ
(Princely Gift系)
トピオ
(Fine Top系)
アドミラルバード
(Nearco系)
ゲイタイム
(Hyperion系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
トウシヨウボーイ
(ソシアルバターフライ)
5.50 母が重賞3勝馬
(No.9-H チルウインド系)
初仔
(最初で最後の仔)

*

以下にミスターシービーのごくごく簡単な近親牝系図を示しておきます。

チルウインド 1946 英1勝
|メイワ 1958.4.21 中央0勝
||メイドウ 1965.6.16 不出走
|||シービークイン 1973.2.23 中央5勝 毎日王冠(現GII) 京王杯SH(現京王杯SC、GII) 4歳牝馬特別(現フローラS、GII)
||||ミスターシービー 1980.4.7 (本馬) 中央8勝 牡馬3冠 天皇賞・秋(GI) 弥生賞(現GII) 共同通信杯4歳S(現共同通信杯、GIII)
|||シービーフラワー 1975.3.18 中央6勝
||||スーパーショット 1983.4.18 中央3勝 クイーンC(GIII)
|メイズイ 1960.3.13 中央15勝 日本ダービー(現GI) 皐月賞(現GI) スワンS(現GII) スプリングS(現GII) クモハタ記念

*

シンザン(1961.4.2)以来19年ぶりの3冠を達成した黒鹿毛の美形は、ミスターサラブレッドにして、ミスタードラマティック。父トウショウボーイと母シービークインは同じ新馬戦でデビューしており、シービークインはミスターシービーの後に仔を産むことはなかったということで、「トウショウボーイに操を立てた」と浪花節的にも語られました。

第43回皐月賞(現GI)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 馬体重 調教師
1 12 ミスターシービー 牡3 57 吉永正人 2:08.3    454 松山康久 1
2 21 メジロモンスニー 牡3 57 清水英次 2:08.4 1/2 -- 大久保正陽 5
3 17 インターリニアル 牡3 57 東信二 2:09.0 3.1/2 -- 境勝太郎 20
4 18 ビンゴカンタ 牡3 57 岡部幸雄 2:09.3 1.3/4 -- 鈴木清 10
5 1 キングパシフィック 牡3 57 嶋田功 2:09.4 1/2 -- 藤本晋 18

第43回皐月賞。どろどろの不良馬場をものともせず、父仔2代の制覇を遂げました。後方からの勝負を見せた馬だけに戦前は心配されたようですが、ミスターシービーの走法ならば、むしろ「ドンと来い」という感じだったのではないでしょうか。

第50回日本ダービー(現GI)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 馬体重 調教師
1 12 ミスターシービー 牡3 57 吉永正人 2:29.5    454 松山康久 1
2 1 メジロモンスニー 牡3 57 清水英次 2:29.8 1.3/4 -- 大久保正陽 2
3 6 ビンゴカンタ 牡3 57 岡部幸雄 2:29.9 アタマ -- 鈴木清 7
4 5 ブルーダーバン 牡3 57 柴田政人 2:30.3 2.1/2 -- 二本柳俊夫 10
5 9 ウメノシンオー 牡3 57 増沢末夫 2:30.6 2 -- 古賀一隆 6

第50回日本ダービー。節目、記念となる日本ダービーでは、千明牧場に「親子3代ダービーオーナー」の称号をプレゼントしました。先々代の千明賢治氏が第7回のスゲヌマ(1935.4.7)、先代の千明康氏が第30回のメイズイ、そして千明大作氏が第50回のミスターシービー。「一国の宰相になることよりも難しい」というダービーオーナーに親子3代でなられたのですから、これはただただ「凄い」と申し上げる他ありません。

第44回菊花賞(現GI)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 馬体重 調教師
1 9 ミスターシービー 牡3 57 吉永正人 3:08.1    462 松山康久 1
2 16 ビンゴカンタ 牡3 57 岡部幸雄 3:08.6 3 442 鈴木清 3
3 17 シンブラウン 牡3 57 岩元市三 3:08.6 ハナ 458 布施正 14
4 7 リードホーユー 牡3 57 田島良保 3:08.7 3/4 520 服部正利 5
5 10 ダイゼンキング 牡3 57 田原成貴 3:09.4 4 500 中村好夫 6

第44回菊花賞(現GI)。牝系近親のメイズイの敵を討ったこのレースのVTRを見返す度、向こう正面における進出ぶりに「おいおい(^_^;)」とツッコミを入れてしまいます(笑)

第90回天皇賞・秋(GI)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 馬体重 調教師
1 13 ミスターシービー 牡4 58 吉永正人 1:59.3 レコード 466 松山康久 1
2 14 テュデナムキング 牡4 58 的場均 1:59.4 1/2 504 大久保房松 8
3 11 ロンググレイス 牝4 56 田原成貴 1:59.5 1/2 450 小林稔 7
4 8 トウショウペガサス 牡5 58 中島啓之 1:59.5 ハナ 520 奥平真治 5
5 7 カツラギエース 牡4 58 西浦勝一 1:59.5 ハナ 504 土門一美 2

古馬となってからは、府中芝2000mに距離短縮された初回である1984年の天皇賞・秋を1分59秒3のコースレコードで制したミスターシービー。父トウショウボーイは府中芝2000mで行われた皐月賞を2分1秒6でレースレコード勝ち、母シービークインは府中芝2000mで行われた毎日王冠(現GII)を2分0秒2でコースレコード勝ち。父、母、仔で刻んだレコード勝ち。ミスターシービー、まさに「府中芝2000mの申し子」でした。

深く澄んだ瞳に凛とした姿形は母シービークインそのもの、馬具のハミ吊りは父トウショウボーイと同様。そして見る者に興奮を与えたマクリ一発の走り。これで人気が出ない訳がない。また、満4歳の秋以降は、1歳年下にサイボーグみたいに強い馬がいたことも、判官贔屓を誘ったのでしょう。

1980年代末期から1990年代初頭の競馬ブームに先んじて現れた「アイドル」、ミスターシービー。その存在の放つ輝きは色褪せることなく、今もなお、競馬ファンの心を掴んで止まないのだと思います。

*

ミスターシービーは希有な最期を辿った馬でもありました。サラブレッドの場合、離乳後の母馬と牡の仔は、ふつう、2度と相見えることがないものです。

けれど、ミスターシービーは、種牡馬引退後の1999年に繋養された千明牧場の三里塚分場で、19年ぶりに母と対面を果たし、隣同士の放牧地で共に草を食んでいたのでした。

母26歳、仔19歳。姿のよく似た母仔、去来したものがあったのでしょうか。馬の身ならぬ私には、もちろん分かりません。

それでも、母仔互いに「幸せであった」と信じたいものです。

  

では、以上オオハシでした。これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

※2011年11月5日(土)記事改訂。レース結果を追加。

<Web Resource>

  1. http://youtu.be/vzelVgdxuHg
  2. http://youtu.be/9JaObv3GQCM
  3. http://youtu.be/ZfvwFCxth8M

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