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2008年5月20日 (火)

空胎後に名馬あり(2008年版)-其の六-。

毎度おなじみの「空胎後に名馬あり」の記事でございます。

2008年のJRAGI(JpnI含む)レースの複勝圏馬における母の連産状況
レース名 1着馬 母の連産状況 2着馬 母の連産状況 3着馬 母の連産状況
フェブラリーS(GI) ヴァーミリアン 3連産目の3番仔 ブルーコンコルド 2連産目の2番仔 ワイルドワンダー 初仔
高松宮記念(GI) ファイングレイン 初仔 キンシャサノキセキ 双子流産後の仔 スズカフェニックス 2連産目の2番仔
桜花賞(JpnI) レジネッタ 4連産目の4番仔 エフティマイア 3連産目の3番仔 ソーマジック 2連産目の3番仔以降の仔
皐月賞(JpnI) キャプテントゥーレ 2連産目の2番仔 タケミカヅチ 2連産目の12番仔 マイネルチャールズ 3連産目の5番仔
天皇賞・春(GI) アドマイヤジュピタ 不受胎後の3番仔 メイショウサムソン 流産後の初仔 アサクサキングス 2連産目の2番仔
NHKマイルカップ(JpnI) ディープスカイ 不受胎後の4番仔 ブラックシェル 不受胎後の3番仔 ダノンゴーゴー 2連産目の5番仔以降の仔
ヴィクトリアマイル(JpnI) エイジアンウインズ 3連産目の3番仔 ウオッカ 2連産目の4番仔 ブルーメンブラット 5連産目の9番仔以降の仔

「牝馬限定戦は母の連産状況に拘らなくても良い」ということが戦前から確認できていたヴィクトリアマイル。非連産の仔が出走18頭中1頭のみでは如何ともし難し。

という訳で、今回は第69回オークス(JpnI)の出走予定馬のうち、母の連産状況について五十音順で確認したいと思います。

  1. アロマキャンドル(2005.3.12)
    →母が不受胎後の5番仔
  2. オディール(2005.2.28)
    →母の初仔
  3. カレイジャスミン(2005.5.8)
    →母の初仔
  4. ジョイフルスマイル(2005.2.7)
    →母の初仔
  5. リトルアマポーラ(2005.1.24)
    →母が不受胎後の3番仔

以上の5頭が母の前年産駒なし後の仔として確認できました。前走スイートピーS(OP)勝ちで再浮上した府中2戦2勝のアロマキャンドル、ファンタジーS(JpnIII)で見せた差し脚は世代屈指のオディール、府中のオークストライアル・フローラS(JpnII)を逃げ粘って2着したカレイジャスミン、函館2歳S(JpnIII)では最低人気ながら2着でアッと言わせたジョイフルスマイル、そして府中のマイル重賞クイーンC(JpnIII)を制した桜花賞(JpnI)2番人気5着馬リトルアマポーラ。5頭それぞれにオープンでの好戦成績がありますね。

* 

この5頭の中では桜花賞で本命にしたリトルアマポーラを改めて応援したいところです。なんだ言いながら桜花賞では18頭中最速の上がり3ハロン34秒3を繰り出しています。ギアチェンジに若干時間を要するタイプに見えますので、直線の長い府中の舞台も良いように思います。まま、実際重賞勝ちを収めている舞台でもありますけれど(苦笑)

リトルアマポーラに関する解説を「競馬最強の法則」誌、2008年4月号におけるマウリツィオ・コッレオーニ氏の記事から引用しておきますと、

父アグネスタキオン、母リトルハーモニー、母の父コマンダーインチーフ。祖母の父ヴァリィフォージュ、祖母のルイジアナピットは最優秀古牝馬(6勝、阪神牝馬特別・GIIIなど)。5代母から天皇賞馬ベルワイドを輩出。仏ブサックのL'Esperance系。長距離向の牝馬である。

-「競馬最強の法則」誌、2008年4月号、P33より引用。-

とのことです。直牝系は日本ではコランディア(1958)系として知られていますね。この9号族からの他の活躍馬として、新潟3歳S(現新潟2歳S、JpnIII)の勝ち馬ダイカツリュウセイ(1987.3.19)、中山牝馬S(GIII)2着のオースミシャイン(1990.3.26)、シャインの娘で京都牝馬S(現JpnIII)を勝ち桜花賞2着のアズマサンダース(2001.2.8)、シャインの半妹で北九州記念(現JpnIII)の勝ち馬マジックキス(1992.4.27)などが近年輩出されています。

併せて述べればリトルアマポーラの最優性先祖は曾祖母父ダイアトム(1962)です。同馬は仏米12戦6勝、2着5回、3着1回で、その主な勝ち鞍に芝12FのワシントンDCインターナショナル(旧米GI)、芝2000mのガネー賞(現仏GI)、芝2200mのノアイユ賞(現仏GII)があり、芝2400mの仏ダービー(現GI)、芝3000mのパリ大賞(現仏GI)、芝2100mのリュパン賞(現仏GI)、芝2500mのサンクルー大賞(現仏GI)では2着、そして芝2400mの凱旋門賞(現仏GI)では3着と、中長距離で安定した強さを誇った名馬でした。

ただ、ダイアトムの同期の仏国馬にSea-Bird(1962.3.8)、Reliance(1962)がいたのは、なんとも可哀相な感じです。かたや8戦7勝2着1回で仏国嫌いの英国人でも認めざるを得ない強さだった時の最強馬、こなた6戦5勝2着1回の仏ダービー馬。相当に強い世代であることに違いなく、空前のハイレベルと言われた1965年の凱旋門賞ではSea-Bird、Reliance、ダイアトムの3歳牡馬3頭で上位を占めました。

#余談。ダイアトムの現役最終戦は4歳のサンクルー大賞2着ですが、その際の勝ち馬は1歳年下のシーホーク(1963.3.16)。後の本邦輸入種牡馬の1着2着だった1966年のサンクルー大賞は勝ち馬シーホークにとってもラストランでした。

さて、ダイアトムの種牡馬としての代表産駒は愛ダービー(GI)馬Steel Pulse(1969)、天皇賞・春(GI)、中山記念(GII)、金杯(現中山金杯、GIII)の勝ち馬クシロキング(1982.5.18)、オカール賞(仏GII)、ドラール賞(仏GII)の勝ち馬Margouillat(1970)-同馬は英1000ギニー(GI)の勝ち馬Natagora(2005.2.18)の祖母父-、モーリス・ド・ゲスト賞(現仏GI、当時仏GIII)など仏GIII6勝のKing of Macedon(1974)、4歳牝馬特別(現フローラS)の勝ち馬コマサツキ(1977.1.30)、京成杯(現JpnIII)、新潟大賞典(現JpnIII)、新潟3歳Sを制したファーストアモン(1976.4.20)などがいます。

また、ブルードメアサイアーとしてオークス馬エイシンサニー(1987.3.29)、リトルアマポーラの祖母ルイジアナピット(1985.3.31) 、札幌記念(現GII、当時GIII)の勝ち馬グレートモンテ(1985.3.4)、函館3歳S(現函館2歳S、JpnIII)の勝ち馬アトムピット(1989.3.23)、桜花賞&エリザベス女王杯(GI)2着のヤマノカサブランカ(1988.4.12)などを輩出。

ついで、グランドメアサイアーとして米GI4勝の輸入種牡馬ナスルエルアラブ(1985.3.27)、英2000ギニー(GI)馬Pennekamp(1992)、愛2000ギニー(GI)馬Black Minnaloushe(1998)3兄弟、中山大障害(J・GI)の勝ち馬メルシータカオー(1999.4.5)、七夕賞(GIII)の勝ち馬ダイワレイダース(1999.5.6)、ガーネットS(GIII)の勝ち馬タイセイアトム(2003.3.23)などを輩出しています。

図らずもダイアトムの成績紹介となってしまった今回のログですが、まま、最優性先祖にダイアトムを持っているリトルアマポーラは長距離に対する適性はありそうだということですね(笑)

ではでは、今日はこのへんで♪

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