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2007年9月

2007年9月29日 (土)

空胎後に名馬あり(2007年版)-其の八-。

今年の秋も懲りずに記しておきましょう。空胎後に名馬あり。

2007年のJRAGI(JpnI含む)11レースの複勝圏馬における母の受胎条件
レース名 1着馬 母の受胎条件 2着馬 母の受胎条件 3着馬 母の受胎条件
フェブラリーS(GI) サンライズバッカス 空胎後の8番仔 ブルーコンコルド 2連産目の2番仔 ビッググラス 3連産目の3番仔
高松宮記念(GI) スズカフェニックス 2連産目の2番仔 ペールギュント 3連産目の5番仔 プリサイスマシーン 2連産目の2番仔
桜花賞(JpnI) ダイワスカーレット 4連産目の10番仔 ウオッカ 2連産目の4番仔 カタマチボタン 2連産目の3番仔
皐月賞(JpnI) ヴィクトリー 5連産目の5番仔 サンツェッペリン 初仔 フサイチホウオー 3連産目の4番仔
天皇賞・春(GI) メイショウサムソン 流産後の初仔 エリモエクスパイア 初仔 トウカイトリック 5連産目の5番仔
NHKマイルカップ(JpnI) ピンクカメオ 8連産目の12番仔 ローレルゲレイロ  初仔 ムラマサノヨートー 不受胎後の2番仔
ヴィクトリアマイル(JpnI) コイウタ 2連産目の2番仔 アサヒライジング 8連産目の8番仔 デアリングハート 不受胎後の6番仔
オークス(JpnI) ローブデコルテ 4連産目の4番仔 ベッラレイア 8連産目の8番仔 ラブカーナ 不受胎後の12番仔
日本ダービー(JpnI) ウオッカ 2連産目の4番仔 アサクサキングス 2連産目の2番仔 アドマイヤオーラ 不受胎後の5番仔
安田記念(GI) ダイワメジャー 空胎後の7番仔 コンゴウリキシオー 3連産目の3番仔 ジョリーダンス 2連産目の5番仔
宝塚記念(GI) アドマイヤムーン 2連産目の3番仔 メイショウサムソン 流産後の初仔 ポップロック 3連産目の3番仔

複勝圏には絡んでくる母が前年産駒無し後の仔たち。では、第41回スプリンターズS(GI)の出走馬の内、母が前年産駒無し後の仔を50音順に確認すると……、

  1. アグネスラズベリ(2001.4.20) 初仔
  2. アンバージャック(2003.5.21) 初仔
  3. オレハマッテルゼ(2000.1.16) 不受胎後の4番仔

の3頭のみでした。2枠に同居となった2頭。アグネスラズベリは輸送による馬体減がカギ。オレハマッテルゼは昨年の宮記念馬という底力が侮れず。アンバージャック。調教は動いたようで、混戦で意外な突っ込みを見せるパラダイスクリーク(1989.2.4)産駒の本領を発揮できるかどうか、楽しみはありそうです。馬券的妙味はありそうな3頭、果たして。

ではでは♪

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2007年9月25日 (火)

(父)(市)イセノイチ(1998.5.5)。

9月23日の阪神10レース、川西特別(1000万下、ダート1800m)。9番人気を跳ね返して制したのは、9歳にして4勝目を挙げたイセノイチ。いや、競馬ブックの競走成績欄を見てビックリしましたよ(笑)。2003年4月の福島・花見山特別(500万下、ダート1700m)以来、実に4年5ヶ月ぶりの勝利でした。

さて、そんなイセノイチ。手元で確認できる資料から類推するに、彼は中島御大の配合馬のようです。

2000年秋から2001年の春にかけて、「競馬最強の法則」誌に中島御大の連載記事が掲載されました。その連載の第2回の文中に以下の記載がありました。

 毎年、8、10、11月には北海道定期市場が、日本軽種馬協会の主宰により行われる。
 私は、昨年8、10月の市場を見学したが、

 (中略)

 公営競馬(川崎)の調教師と夕食を共にしたが、次のような話が出た。
 「目を付けていたアレアズマの仔なんだが、台付けが500万では手が出ないよ。あれは中央かな?」
 「あれはオレの配合なんだが土門さんの馬主じゃないかな」

イセノイチは1999年10月の北海道市場取引馬で、その価格は505万円でした。また、イセノイチは、現在は栗東・大橋勇樹厩舎の所属ですが、元々は土門一美厩舎の所属馬でした。

配合面から述べると、以下のようになります。

(父)(市)イセノイチ 牡 黒鹿毛 1998.5.5生 新冠・太陽ジョイフル牧場生産 馬主・大橋堯格氏 栗東・土門一美厩舎→大橋勇樹厩舎

  1. 4代血統構成(各父):『★アレアズマ×パドスール×モガミ×Pampered King』
  2. 4代血統構成(父系):『Ribot系×Mill Reef系×Lyphard系×Prince Chevalier系』
  3. 5代血統表内のクロス:なし
  4. 牝系:13号族 曾祖母パンパードメリーの仔にマチカネタイテイ(京阪杯) 
  5. 母の何番仔?:初仔

父アレアズマ(1989.4.3)が満8歳時の0交配で、母ヤマキヨリーフ(1991.4.3)の初仔。5代アウトクロス馬で、曾祖母パンパードメリー(1968)という牝系。出て来る要素からは、中島御大風味の香りが、そこかしこから漂います(笑)

パンパードメリーの名前を出しましたので、ついで述べておきますと、同牝馬は故・和田共弘氏がニューマーケットのディセンバーセールで購入した繁殖牝馬だそうです。上述の「競馬最強の法則」誌の連載第5回にその記載がありました。和田氏がディセンバーセールで購入した牝馬には、他にシリネラ(1968)、シレトコ(1970)、ピエザリンダ(1970.3.22)、ダンスタイム(1957)等がいるとのこと。いずれも、かつてのシンボリ牧場の屋台骨を支えた牝馬たちですね。言わずもがなと思いますけれど、

という面々です。どんだけ、揃ってますねん(笑)。パンパードメリーの仔マチカネタイテイ(1973.3.9)もそうですが、いずれの牝馬もパーソロン(1960)を用いての配合により良馬を送り込んでいますね。

最後はイセノイチの話からかなり離れてしまいましたけれど、いずれにせよ、9歳の秋にして中央で勝利を収めたのは立派のひと言。イセノイチ、これからも息災に競走馬生活を過ごしてほしいものです。

ではでは♪

#追記。いま、JRAのサイトで川西特別のレース動画を確認したのですが、イセノイチ、9歳馬とは思えない若い馬体と、ハツラツとした末脚でした。ゴール後、1000万特別なのに、秋山真一郎騎手、左手で繰り返しガッツポーズ。9歳馬の秋、勝ち切ってくれて嬉しかったのでしょう。彼の素直さが見えて、素敵でした。秋山騎手も頑張って♪

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2007年9月24日 (月)

収穫の秋を前にして。

朝日杯FS勝ち馬、マイネルレコルトが登録抹消(netkeiba.com)

朝日杯FS(現JpnI)の勝ち時計1分33秒4はレースレコードとしてさん然と輝いています。マイネルレコルト(2002.5.10)、額に輝くハート型の流星よろしく、涼やかな顔立ちが印象的だった2歳王者。中島理論的には見所の多い配合馬でした。

(市)マイネルレコルト 牡 鹿毛 2002.5.10生 三石・田上稔氏生産 馬主・(株)サラブレッドクラブ・ラフィアン 美浦・堀井雅広厩舎

  1. 4代血統構成(各父):『★チーフベアハート×タイテエム×★フジオンワード×トサミドリ』
  2. 4代血統構成(父系):『Danzig系×Aureole系×Ribot系×Blandford系』
  3. 5代血統表内のクロス:Ribot4×4、Bold Ruler5×4(父方) 、Harina(♀)=プリメロ5×5(母方)
  4. 牝系:16号族ローズホーキンス系 伯父カイラスアモン 伯母ミホクイーン 従姉カリスマサンオペラ
  5. 母の何番仔?:13番仔(13連産目)

自国で積み上げた血を持つ2歳王者。残念ながら、生産界からは見向きもされず。それでも、馬事公苑で乗馬になる道があっただけでも、幸いでした。

今はただ、レコルトがこれから健やかなる日々を送って欲しいと願います。お疲れ様でした。

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2007年9月22日 (土)

スルタン、ミリオン、そしてキース。

馬名の一部を並べてみました。

まずは、ホクトスルタン(2004.5.11)。気が付けば関西馬になっていました。母ダイイチアピール(1996.3.25)、祖母ダイイチリカー(1990.5.3)と伊藤雄二厩舎の所属馬でしたが、その伊藤雄二・元調教師がバックアップされている庄野靖志調教師の管理馬となりました。

春に「ヘンリーとスルタン」というエントリを書いた折りにも紹介した、その父メジロマックイーン(1987.4.3)が満16歳時の0交配を受けた現3歳馬たち。マイネルヘンリー(2004.3.24)は現在休養中ですので、ホクトスルタンに頑張って欲しいものです。

さて、ホクトスルタンの血統を見直してみると、

「★メジロマックイーン×サンデーサイレンス×リアルシャダイ×ノーザンテースト×シーホーク」

という5代の累代種牡馬です。それぞれの種牡馬について述べると、

  1. 父メジロマックイーンは言わずもがなの菊花賞(現JpnI)馬にして天皇賞・春(GI)連覇の淀上手
  2. 母父サンデーサイレンス(1986.3.25)は父として菊花賞馬4頭、ダンスインザダーク(1993.6.5)エアシャカール(1997.2.26)マンハッタンカフェ(1998.3.5)ディープインパクト(2002.3.25)を輩出し、昨年母父としてもソングオブウインド(2003.2.20)を輩出
  3. 祖母父リアルシャダイ(1979.5.27)は「淀の刺客」ライスシャワー(1989.3.5)の父であるほか淀の長距離戦を得意とした馬多数
  4. 曾祖母父ノーザンテースト(1971.3.15)は直仔ダイナガリバー(1983.3.23)が菊花賞2着、母父として菊花賞馬バンブービギン(1986.4.19)を送り込んでいます
  5. 高祖母父シーホーク(1963.3.16)は菊花賞2着のモンテプリンス(1977.4.1)、スダホーク(1982.4.6)の父

こうして改めて見ると、菊花賞に縁のある血統の積み重ねがなされていますね。

また、ホクトスルタンは曾祖母が重賞5勝の名牝ダイナフェアリー(1983.4.30)ということで、上述のソングオブウインドと同じく、牝系が9号族ファンシミン(1967.4.21)系です。近年はアドマイヤマックス(1999.4.10)ラインクラフト(2002.4.4)などもファンシミン系の活躍馬として知られています。血の流れ、果たしてホクトスルタンに加勢してくれるでしょうか。

出世レースとして知られる夏の札幌戦、阿寒湖特別で勝利を収めて、いざ行かん菊花賞。まずは、神戸新聞杯(JpnII)で頑張って、ホクトスルタン♪

#なお、札幌競馬場の芝馬場で開催されるようになった阿寒湖特別を、3歳時に勝ち、かつその後にレースに出走した馬を古い順に並べると、

  1. タケノアイリス(1992.3.17)
  2. ステイゴールド(1994.3.24)
  3. マンハッタンカフェ(1998.3.5)
  4. ファインモーション(1999.1.27)

の4頭です。ふふ。条件に「芝2600mになってからの」と加えると、マンハッタンカフェとファインモーションの2頭になりますね。いずれにせよ、4頭中3頭が後にGI勝ち馬となっています。果たして、ホクトスルタンの行く末やいかに。

◎○▲△× ◎○▲△× ◎○▲△× ◎○▲△× ◎○▲△×

続いて、アドマイヤミリオン(2004.2.21)。こちらは、未勝利、500万平場戦、不知火特別と3連勝で神戸新聞杯に挑みます。

彼を血統面から取り上げると、やはり「ウォーエンブレム(1999.2.20)の仔である」ということでしょう。昨年、「気難しさと狂気をはらむ」というエントリで、ウォーエンブレム産駒として初勝利を挙げたクランエンブレム(2004.2.23)もご紹介しました。

ご存じのとおり、ウォーエンブレム産駒は初年度産駒が4頭しか出生していません。しかし、その4頭の成績を確認すると、

  1. アドマイヤミリオン(2004.2.21) 現JRA3勝
  2. クランエンブレム(2004.2.23) 現JRA3勝
  3. ウォーゲーム(2004.2.16) 現JRA1勝
  4. ショウナンライジン(2004.2.19) 現JRA1勝

と、4頭共に1勝以上を挙げています。つまり、産駒の勝ち上がり率は10割です。産駒たちは、自身の持つ血の希少性を知っているのでしょうか?

いずれにせよ、アドマイヤミリオンにとっては試金石の一戦。鞍上の上村洋行騎手と共に、頑張って欲しいものです。

アドマイヤミリオン 牡 鹿毛 2004.2.21生 早来・ノーザンファーム生産 馬主・近藤利一氏 栗東・松田博資厩舎

  1. 4代血統構成(各父):『ウォーエンブレム×トニービン×★Northern Dancer×In Reality』
  2. 4代血統構成(父系):『Mr.Prospector系×ゼダーン系×Nearctic系×Intent系』
  3. 5代血統表内のクロス:Native Dancer5×5 
  4. 牝系:13号族Natasha系 叔母シルクプリマドンナ、叔父モエレアドミラル
  5. 母の何番仔?:3番仔(流産後)

◎○▲△× ◎○▲△× ◎○▲△× ◎○▲△× ◎○▲△×

最近、ひんぱんに更新されている中山競馬倶楽部さんの中島御大のブログ。9月12日付の「サマーシリーズ2007の2000m(クラシックタイプ)の活躍した父系」から記事を引用しておくと、

2着ニホンピロキース(byタマモクロス・Grey Sovereign系)同馬の生産者福岡清氏は私の生徒であり、私は、0ゼロのタマモクロスを交配するチャンスだと教え交配した。
尚、同氏はテスコガビー(牝馬3冠)父テスコボーイのゼロ交配で生産した。

ということですって。ああ、そうですか(苦笑)。テスコガビー(1972.4.14)の生産は福岡巌氏の名義ですが、おそらく先代なのでしょう。中島理論的良馬、テスコガビー。中島御大と懇意にされていた仲住芳雄・元調教師の管理馬でもありました。

ではでは、本日も長文乱文にお付き合い頂き、誠にありがとうございました。

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2007年9月19日 (水)

菊の主役候補たちにカラんでみる。

先日、血統を通じて確認したロックドゥカンブ(2004.9.29)、セントライト記念(JpnII)を快勝しました。これで4戦4勝。南半球産の怪物候補、胸を張って淀の芝3000mの舞台に挑みます。

さて、今週末には神戸新聞杯(JpnII)が行われます。阪神競馬場の改修もあり、今年から芝2400mに距離延長された菊花賞(JpnI)の最終トライアル。春のクラシックで主役を張った馬たちも出走を予定していますね。

神戸新聞杯の出走馬の中での注目は、やはり皐月賞(JpnI)馬ヴィクトリー(2004.4.3)と、雪辱を期すフサイチホウオー(2004.2.16)でしょう。両馬共に、春よりパワーアップしているそうで、楽しみですね。

さて、名前を挙げた3頭。いずれも能力の高さはすでに証明済です。けれど、そのまま菊花賞の主役になれるかというと、若干の不安を思います。3頭に共通するのは、

  • 字面上、Phalaris系4本掛けの配合になっている

ということです。改めて、3頭の4代血統構成を示しておくと、

  • ロックドゥカンブ
    →『▲Red Ransom×Fairy King×Ela-Mana-Mou×Sir Gaylord』
    →『A A A A』(最優性先祖:祖母父Ela-Mana-Mou)
  • ヴィクトリー
    →『ブライアンズタイム×トニービン×Sadler's Wells×★イングリッシュプリンス』
    →『A A A A』(最優性先祖:祖母父Sadler's Wells)
  • フサイチホウオー
    →『ジャングルポケット×★サンデーサイレンス×El Gran Senor×Caro』
    →『A A A A』(最優性先祖:曾祖母父Caro)

3頭共に「A」のPhalaris(1913)系のマークばかりになってしまいます。中島理論的にダミー父系と目される系統を持ち合わせていても、ちょいと不安を感じます。このような同系交配の累代しているタイプは、中距離までの印象を持ってしまいます。また菊花賞前に示しますが、同系交配の累代馬は、菊花賞では分が悪い傾向も見えます。

ロックドゥカンブ。近親に、共にPhalaris系4本掛けの名馬ピルサドスキー(1992.4.23)ファインモーション(1999.1.27)兄妹がいるように、もしかしたら、牝系の持つ底力がよっぽど高いのかもしれません。また、形相の対象である祖母父Ela-Mana-Mou(1976)は"キング・ジョージ"(英GI)の勝ち馬ですね。

ヴィクトリー。半兄リンカーン(2000.3.18)は菊花賞と天皇賞・春(GI)で2着、伯父フサイチコンコルド(1993.2.11)は日本ダービー(現JpnI)を勝ち菊花賞3着。距離をこなすバックボーンはあります-ただし、両馬は共に母の初仔という強力な後押しがありました-。あとは、自身の気性と、力馬的なやや寸の詰まった体形がどう出るか。形相の対象である祖母父Sadler's Wells(1987.4.11)は、種牡馬としてはクラシックディスタンスに強い馬をバンバンバンバン輩出していますが、自身は愛2000ギニー(GI)、エクリプスS(英GI)、愛チャンピオンS(GI)という10ハロンまでのレースを得意とした中距離馬でした。

フサイチホウオー。最優性先祖が曾祖母父Caro(1967)という中島理論的な形相の判断では、実はマイルから2000mで1番強さを見せるのではないかと思っています。私見ですが、体形や走法からも、菊花賞よりは天皇賞・秋(GI)が合うような気がしてなりません。

おっと、菊花賞の最終トライアル前に否定的な見解をしていても仕方ないですね。まずは実績馬たちの好発進を期待しましょう。

ではでは♪

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2007年9月15日 (土)

Scarlet Bouquet's Daughter&NTR's Daughter.

意味無く英語のタイトルにするのは、やめましょう。という訳で、本日は明日のローズS(JpnII)に出走する主役候補2頭について。

牝系から緋色を受け継いで3代目。言わずと知れた2007年の桜花賞(JpnI)馬ダイワスカーレット(2004.5.13)。GI(現JpnI含)4勝を遂げている半兄ダイワメジャー(2001.4.8)に勝るとも劣らない素養の高さを見せています。なんと言っても、3歳牝馬で唯一ウオッカ(2004.4.4)に先着を果たしている馬です。春は、そのウオッカの日本ダービー(JpnI)挑戦により牝馬2冠は確実と目されたものの、残念ながら熱発によりオークス(JpnI)回避。その無念を秋に晴らすべく、改めて牝馬2冠を目指すべく、まずは秋華賞(JpnI)トライアル・ローズSに登場します。

それにしても、尊ぶべきはその母スカーレットブーケ(1988.4.11)。現役時代に重賞4勝を挙げて、引退レースとなったターコイズS(OP)を別定58kgで勝つなど競走馬として優秀な成績を収めた後、繁殖牝馬として皐月賞馬と桜花賞馬の母になったのは、ただただ「尊敬」です。そんなスカーレットブーケについて中島理論的な見解を示す時、真っ先に挙げられるのは、その父ノーザンテースト(1971.3.15)が満16歳時の0交配ということですね。

大馬の母というのは、その父から0交配を受けて、仔どもの能力を支えるのかもしれません。中島御大の著書「0の理論」でも例に挙げられていましたけれど、ミスターシービー(1980.4.7)の母シービークイン(1973.2.23)、シンボリルドルフ(1981.3.13)の母スイートルナ(1972.5.4)、ナリタブライアン(1991.5.3)の母パシフィカス(1981.5.29)。3頭の3冠馬の母は、いずれも、その父より満8歳時の0交配を受けています。

ダイワ兄妹も含めて、2000年代に入ってからのJRA活躍馬で母父が0交配となっている主立った馬を、年齢の古い順に挙げておくと、

  1. メイショウドトウ(1996.3.25)
    →A x A A(母父Affirmed)
  2. エアシャカール(1997.2.26)
    →A A C B(母父Well Decorated)
  3. タップダンスシチー(1997.3.16)
    →B A A A(母父Northern Dancer)
  4. エイシンプレストン(1997.4.9)
    A A B z(母父Monteverdi)
  5. シルクプリマドンナ(1997.4.22)
    →A A D B(母父Northern Dancer)
  6. アグネスデジタル(1997.5.15)
    →x A B B(母父Chief's Crown)
  7. テイエムオーシャン(1998.4.9)
    →A A A A(母父リヴリア)
  8. シンボリクリスエス(1999.1.21)
    →A A y A(母父Gold Meridian)
  9. スティルインラブ(2000.5.2)
    →A A A C(母父Roberto)
  10. ダイワメジャー(2001.4.8)
    →A A z A(母父ノーザンテースト)
  11. シーザリオ(2002.3.31)
    →A A A B(母父Sadler's Wells)
  12. ダイワスカーレット(2004.5.13)
    →A A z A(母父ノーザンテースト)

と、いったところですね。シーザリオ、タップダンスシチーの両馬は、母父、祖母父、曾祖母父と3代に渡って0交配という完全に仕掛け型の母を持っています(笑)。また、パッと名前を挙げて気付いたのですが、1997年生まれの活躍馬たちは、見事に母父に0交配を持った馬が揃っていますね。合わせて、史上2頭目のJRA牝馬3冠を達成したスティルインラブ。8月2日の死亡のニュースは驚きと悲しみが交錯しましたが、そんな彼女も母プラダマンテ(1986.2.16)がその父Roberto(1969)満16歳時の0交配を受けていました。あと、こうして見ると、名前を挙げた12頭のうち、メイショウドトウとシルクプリマドンナとダイワスカーレット以外の9頭は、いずれも複数GIを制している馬たちです。まま、GIで2着続きだったメイショウドトウは「目の上のタンコブ」がいなければ、複数GIを勝って当然の馬でしたが(苦笑)

果たして、ダイワスカーレットは「母父0交配」の多くの先輩たちに続いて、複数のGIを勝つことが出来るでしょうか。スリリングサンデー(1996.4.10)の弟はすでにGI4勝を挙げていますので、スリリングサンデーの妹にもぜひとも頑張って欲しいものです。

と、素養はありながらも脚部不安の為に大成を阻まれた兄の名前を出して、この緋色の一族の、淀コースへの適正を思いました。母スカーレットブーケは京都牝馬特別(現京都牝馬S、GIII)を勝ちエリザベス女王杯(GI)3着でしたし、兄ダイワメジャーはマイルCS(GI)1着、2着ですし、兄スリリングサンデーがトゥザヴィクトリー(1996.2.22)ナリタトップロード(1996.4.4)を破ったのは福寿草特別(芝2000m)でしたし、最後の勝利となった鳴滝特別(芝2400m)は2分24秒0という翌日の京都大賞典(GII)の勝ち時計を1秒上回る好時計でした。そして、ダイワスカーレット自身も、秋華賞と同じ淀芝2000mの新馬戦を勝ち上がり、シンザン記念2着があります。この一族にも、やっぱり合っているはずなんですよね、淀の池の周りは。

「むぅ。秋華賞は、やっぱり桜花賞の再現かな」と思ったところで、今日のもう1頭の主役の記事へと参りたいと思います。

◎○▲△× ◎○▲△× ◎○▲△× ◎○▲△× ◎○▲△×

秋に昇るディクタス(1967.4.11)系。ディクタスの最良後継種牡馬サッカーボーイ(1985.4.28)の直仔でJRAGIを制している3頭、ナリタトップロード、ティコティコタック(1997.3.11)ヒシミラクル(1999.3.31)。3頭に共通しているのは「いずれも淀のGIを制している」ことですね。まま、サッカーボーイ自身もマイルCS(GI)の勝ち馬ですが(笑)

という訳で、ナリタトップロードの娘、ベッラレイア(2004.2.27)。彼女は牝系からではなく、直父系の淀コースへの適正が高いと思います。合いそうなんですよね、やっぱり。彼女は、鮮烈だったデビューの新馬戦が淀のマイル戦でした。

また、かつての自分の記事を見ると、秋の淀の牝馬限定戦は「Phalaris系とHampton系のニック」に活躍馬が多いのでした。

  1. サンドピアリス(1986.5.17)
    →C A C A (エリザベス女王杯)
  2. キョウエイタップ(1987.3.17)
    →A C D C (エリザベス女王杯)
  3. タケノベルベット(1989.3.13)
    →A C E A (エリザベス女王杯)
  4. ホクトベガ(1990.3.26)
    A  C  A  D (エリザベス女王杯)
  5. ティコティコタック(1997.3.11)
    →C A A D (秋華賞)

出て来る馬がひと昔前という印象になった感もありますが、それでも示唆に富みます。ベッラレイアの4代血統構成を改めて示しておくと、

  • 4代血統構成(各父):『ナリタトップロード×★Baldski×Argument×★Round Table』
    →C A G B

という組み合わせです。Phalaris系とHampton系の返しニックは、ティコティコタックと同じです。また、上述した「母父0交配」に関して言えば、ベッラレイアも母マリスター(1991.3.21)がその父Baldski(1974)満16歳時の0交配を受けています。合わせて、4種父系の組み合わせを使った良い配合です。ベッラレイア、血統的な適正と能力の後押し、間違いなくあるのでした。

そして、個人的にはコンビ解消が残念ではあったのですが、鞍上が秋山真一郎騎手から武豊騎手へスイッチとなりました。淀の魔術師、タケユタカ(≠カネユタカオーの母)。思えば一昨年の秋華賞、エアメサイア(2002.2.4)で最後の最後にラインクラフト(2002.4.4)を捕らえたレース、あれは武豊騎手でなければ捕らえられなかったのではないでしょうか。秋華賞では、他にもファレノプシス(1995.4.4)で牝馬2冠を達成されたり、ファインモーション(1999.1.27)でぶっちぎり勝ちを収められたりしています。やっぱり、なんだ言いながら、武豊ですからね。ベッラレイア、騎手の後押しも得たのでした。

最後に。つい先日そのニュースを知って、今秋は「思い」の後押しもあるのではないかと感じています。同厩舎の同い年、こちらはテイエムオペラオー(1996.3.13)の娘であるミスベロニカ(2004.3.8)。本当に、とても残念に思ったのですが、彼女は、去る9月4日に頭を強打して急死していたんですね。ミスベロニカ、もしかしたらオペラオーの最高傑作になりえたかもしれない素質馬でした。ステーブルメイトであるオペラオーの娘とトップロードの娘が、くつわを並べて、同じレースで研鑽する姿。一度も見られなかったのは「残念」としか言いようがありません。本来はローズSに一緒に出走するはずだった僚馬の分も、この秋、ベッラレイアには頑張ってほしいものです。

ではでは、本日も長文乱文にお付き合い頂き、誠にありがとうございました。

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2007年9月14日 (金)

ロックドゥカンブ(2004.9.29)を通して見る活性値「0.125」交配。

明後日のセントライト記念(JpnII)に出走予定のロックドゥカンブ。ヴィクトリアダービー(豪GI)挑戦がご破算になってしまい残念でしたけれど、南半球産の怪物候補、果たして日本で連勝を重ねることが出来るのか。楽しみですね。

今回は、そんなロックドゥカンブの血統を通して、中島理論的に「活性値」についての記事をお届けしたいと思います。

(外)ロックドゥカンブ 牡 青鹿毛 2004.9.29生 新国・カレマン・ブラッドストック社生産 馬主・吉田和美氏 美浦・堀宣行厩舎

  1. 4代血統構成(各父):『▲Red Ransom×Fairy King×Ela-Mana-Mou×Sir Gaylord』
  2. 4代血統構成(父系):『Roberto系×Northern Dancer系×Fair Trial系×Turn-to系』
  3. 5代血統表内のクロス:Hail to Reason3×5、Nearctic4×4、Turn-to4×5
  4. 牝系:11号族 半兄Roman Chariot(新ダービー2着) 曾祖母Gaily(愛1000ギニー馬) 同牝馬からの別分枝にピルサドスキー、ファインモーション
  5. 母の何番仔?:5番仔(5連産目)

ロックドゥカンブは、皆様ご承知置きのとおり、南半球産馬で秋仔です。その父Red Ransom(1987)は米国産馬であり、父と仔の年齢差から16.5歳時の交配により、活性値「0.125」のポイントを受けていると判断します。

中島理論的には、活性値が「0.125」のポイントということは、準0遺伝(イエロー0)の数値です。今年に入るまであまり意識していなかったのですが、大雑把に言えば、満8歳、16歳、24歳の歳を迎えた北半球産のシャトル種牡馬が南半球で種付けをした時は、準0遺伝により、0クリアした血を伝えられるということになります。

通常は種牡馬の活性値を乗算した結果が「0.125」以下になった際に準0遺伝と判断しています。けれど、1代で0.125となった場合でも同様に判断しても良いと思います。ただ、0遺伝の年回りの年における後半の活性値について言えば、厳密には「0.125~0.25」の半年間になりますので、見解によっては認めない方もいらっしゃって当然です。

#なお、乗算活性値により「0.125」以下になる例は、ナリタトップロード(1996.4.4)をご参照ください。

また、逆に南半球産馬が北半球で種牡馬として供用された折は、交配年齢に注意が必要です。「父と仔の年齢差が9歳、17歳、25歳ならば0遺伝」と判断されることが多いと思います。けれど、南半球産の種牡馬が北半球で供用された場合、満8歳、16歳、24歳を迎えるのが秋になりますので、春の段階では「7.5歳、15.5歳、23.5歳」となり、「1.875」ポイントの交配で極めて高い活性値での交配となります。

故に「8.5歳、16.5歳、24.5歳」の「0.125」ポイントの交配は「翌年の春」、日本の馬齢加算でいうと「9歳、17歳、25歳の年の春」ということになります。南半球産馬が北半球で種牡馬供用されるケースでは「父と仔の年齢差が10歳、18歳、26歳ならば準0遺伝」という判断も、場合によっては必要ですね。

このようなケースのモデルとしてパッと思いついたのは……、1世紀以上前の例で恐縮ですけれど、Carbine(1885.9.18)とSpearmint(1903)父仔でした(苦笑)。南半球の新国の名馬Carbineが、種牡馬として北半球の英国で供用されて送り出した傑作が、英ダービー(現GI)馬Spearmint。父仔の年齢差を見ると18歳で、Carbineが16.5歳時の交配で生産されたことが分かります。0.125ポイントの準0遺伝により、0遺伝に近い効果が現れたのではないでしょうか。

余談ながら、Spearmintは満8歳時の0交配により名繁殖牝馬Plucky Liege(1912)を送り出しました。Sir Gallahad(1920)、Bull Dog(1927)、Admiral Drake(1931)、Bois Roussel(1935)という4頭の名種牡馬の母として知られていますね。また、SpearmintはCatnip(1910)の父でもあります。CatnipはNogara(1928)の母、つまりはNearco(1935.1.24)の祖母ですね。出て来た馬たちの名前を見ると、Carbine~Spearmintの血は、現代血統にも少なからず影響を与えていますね。

最後はロックドゥカンブの話題からかなり離れてしまいましたけれど、またいつの日かロックドゥカンブが北半球で種牡馬となり、仔が走る時が来たら、その交配年齢にも注意して見てみたいと思います。そのためには、この秋の走りから。結果的に再度のコンビとなった柴山雄一騎手ともども、まずはセントライト記念、期待しています。

ではでは、本日も長文乱文にお付き合い頂き、ありがとうございました。

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2007年9月13日 (木)

フロリースカップ(1904)系の底力-3歳馬編-。

前回に続いて小岩井の3号族フロリースカップ系の分枝系馬についての記事でございます。今回は3歳馬編。

まずは、何はなくとも、今年のダービーを制した牝馬、ウオッカ(2004.4.4)。近年のフロリースカップ系のメインストリームとも思えるシラオキ(1946.4.7)分枝系の末えい。曾祖母コーニストウショウ(1977.6.12)の直仔に桜花賞(現JpnI)馬シスタートウショウ(1988.5.25)、4代母ローズトウショウ(1965.4.13)の別分枝馬に菊花賞(現JpnI)馬マチカネフクキタル(1994.5.22)がいます。

ウオッカが第74回日本ダービー(JpnI)で見せたパフォーマンスは衝撃的でした。故に、3歳馬に対して斤量面で有利な凱旋門賞(仏GI)への挑戦は本当に楽しみだったのですが、右後脚の蹄球炎の発症による遠征断念は残念でした。まま、とは言うものの、まずは「万全の状態」が大前提ですからね。それでなくとも、馬インフルエンザ渦も発生してしまいましたしね……。

結局ウオッカは秋華賞(JpnI)に直行するとのことで、ローズS(JpnII)に出走予定の春のJpnI勝ち馬、桜花賞馬ダイワスカーレット(2004.5.13)やNHKマイルC(JpnI)勝ち馬のピンクカメオ(2004.4.24)との改めての対戦は楽しみです。秋華賞に直行というローテーションがどうかという懸念もあるやもしれませんが、私は、むしろウオッカにとっては良い方向に向かうのではないかと思います。あくまで中島理論的な観点ですけれど、彼女の料的遺伝値は「2.75」 という小さな数字です。故にリフレッシュされた状態でポン駆けさせるのが吉と見ます。

体調さえ整っていれば、後はエンジンが違うはず。ひと夏を越えて、ダービー馬がこの秋にどのような走りを見せてくれるのか。才媛のレースぶり、真に楽しみにしたいと思います。

では、以上「ウオッカの父タニノギムレットが日本ダービーを制した日に25歳になった」オオハシでした。……と、行きたいところですが、今日はまだ続きます(笑)。むしろ、これからが長い。

◎○▲△× ◎○▲△× ◎○▲△× ◎○▲△× ◎○▲△×

さて、フロリースカップ系の3歳馬から、牡馬を1頭ご紹介しておきたいと思います。夏の函館戦で上昇して、すでに菊花賞戦線において「惑星」と目されている馬と言えば、皆様、思い付かれるでしょう。そう、マイネルダイナモ(2004.4.28)。実は彼は、2年前、真面目にラフィアン募集馬を確認した時、マイネルモデルノ(2004.3.10)と共に「気になる募集馬」だったのでした(苦笑)

http://blog.takayoshiohashi.com/nakajima/2005/06/post_4378.html

当時、自分で書いていたコメントを引用しておくと、

【ちょっとだけコメント】
血統はほとんど調べていませんので何とも判断できかねますが、気になる募集馬は「エナジートウショウの04」と「ヌエボトウショウの04」ですね。
両馬共に満16歳時交配の高齢交配ですが、共に前年お腹を空けた後の仔になります。エナジートウショウの04の父マリエンバードはCaerleon(1980)が16歳時の0交配馬です。

「エナジートウショウの04」がマイネルダイナモ、「ヌエボトウショウの04」がマイネルモデルノですね。共に母が満16歳時の交配で、なおかつ前年産駒無し後の仔ということで注目したのでした。単純ですね(苦笑)

さてさて、マイネルダイナモは母がエナジートウショウ(1987.4.22)ですから、ガーネットS(GIII) の勝ち馬スリーアベニュー(2002.5.13)、京王杯SC(GII)2着のスカイアンドリュウ(1997.4.7)の半弟です。そして、中央5勝のタニノシスター(1993.3.22)の半弟でもあります。つまり、上述のウオッカの叔父ですね。マイネルダイナモが函館の長距離戦で好走を続けた折、改めて「牝系の連動する活躍」を思わずにはいられませんでした。

マイネルダイナモを後押しする理由をいくつか列挙していくと、まず牡馬クラシック戦線は、なんだかんだ言いながら、お母さんがお腹を空けた後の仔の好走が目立ちます。菊花賞前にも改めて示しますけれど、3冠最終戦ではその傾向が顕著に現れます。

また、マイネルダイナモの4代血統構成は「マリエンバード×トウショウボーイ×ダンディルート×テューダーペリオッド」とバラエティに富んでいます。父マリエンバード(1997.5.26)はCaerleon(1980.3.27)が満16歳時の0交配馬、母父トウショウボーイ(1973.4.15)は中島理論的にはダミー血脈として扱われるPrincely Gift(1951)系、祖母父はTourbillon(1928)系Luthier(1965)の直仔ダンディルート(1972.5.10)、そして曾祖母父は淀のGIレースでは重要な役目を果たすHampton(1872)系分枝のテューダーペリオッド(1957)です。実質4種父系の組み合わせで、合わせて、マイネルダイナモはSSの血を持っていません。

ついで言えば、叔母シスタートウショウは淀で行われた桜花賞を1分33秒8という当時の桜花賞最速タイムで勝ち、曾祖母ローズトウショウの曾孫マチカネフクキタルも菊花賞を上がり3ハロン33秒9のカミソリ脚で制しています。秋華賞を目指す姪のウオッカについても言えることですけれど、近親の活躍馬からは「淀が合わない訳が無い」という感じです。

さらに別路線からのチャレンジャーということで、マイネルダイナモには、前哨戦、本番と、ぜひとも頑張って欲しいと思っています。「11週連続勝利」というJRA新記録を打ち立てられた中村均調教師にも、マイネルマックス(1994.4.13)以来のジーワンレース勝利をプレゼントしてあげて欲しいものです。

(市)マイネルダイナモ 牡 鹿毛 2004.4.28生 浦河・金成吉田牧場生産 馬主・(株)サラブレッドクラブ・ラフィアン 栗東・中村均厩舎

  1. 4代血統構成(各父):『マリエンバード×トウショウボーイ×ダンディルート×テューダーペリオッド』
  2. 4代血統構成(父系):『Nijinsky系×Princely Gift系×Luthier系×Owen Tudor系』
  3. 5代血統表内のクロス:なし
  4. 牝系:3号族フロリースカップ系 半兄スリーアベニュー、スカイアンドリュウ 叔母シスタートウショウ 姪ウオッカ
  5. 母の何番仔?:12番仔(不受胎後の仔)

ではでは、以上「マイネルダイナモの父マリエンバードと同じ誕生日」のオオハシでした(←もういいよ)。本日も長文乱文にお付き合い頂き、誠にありがとうございました。

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2007年9月11日 (火)

フロリースカップ(1904)系の底力-古馬編-。

永のご無沙汰となってしまい、恐れ入ります。気が付けば8月は1度も更新をせず。エライスミマセン。

馬インフルエンザの為に競馬自体が頓挫している感がある最中ではありますが、秋競馬も開幕しましたので、ちょこっとずつ記事をしたためていこうと思います。

ではでは、今日は表題について。

このような辺境ブログをご覧の方であれば、大レースに出走する馬の牝系について気にされている方も多いと思います。その中でも、日本の土着牝系をひとつ挙げるとするならば、やはり、何と言っても、小岩井の3号族フロリースカップ系。今秋にも楽しみな馬がいますね。

今日は古馬編ということで、言わずと知れたメイショウサムソン(2003.3.7)について。4代母に天皇賞・秋(現GI)と有馬記念(現GI)を制した名牝ガーネット(1955.3.15)を持つ同馬は、昨年のクラシック2冠馬にして、今年の天皇賞・春(GI)の勝ち馬。雨中の決戦となった今年の宝塚記念(GI)では勝ちに行く競馬で2着。昨秋の不振を振り払うかのように、完全に復調した内容のレースを見せています。やはり昨年の後半は、言うならば「デリラに髪を削がれた」状態だったのでしょう。今年に入って髪が伸びたのか、神に祈ったのか、いずれにせよ、クラシック2冠馬としての威厳を取り戻しました。

馬インフルエンザの陽性反応など、諸処の状況が出走を許さなかった今秋の凱旋門賞(仏GI)。陣営は無念ではあると思いますけれど、国内の古馬王道路線の主役であり続けて欲しいと願います。また、すでに発表されているとおり、マモルさんとのコンビが解消されてしまうことは残念です。しかし、近年はSS系の活躍馬ばかりとコンビを組んでいた印象のある武豊騎手が、果たしてどのような手綱さばきを見せてくれるのか、楽しみではあります。元々、スーパークリーク(1985.5.27)イナリワン(1984.5.7)メジロマックイーン(1987.4.3)などのステイヤーとして資質の高い、先行するタイプの名馬とのコンビでも名をはせていらっしゃいましたから、サムソンのようなタイプの馬も、きっと「お手のもの」でしょう。まま、ユタカさんであれば、どんなタイプの馬でも「お手のもの」ではありますが(苦笑)

◎○▲△× ◎○▲△× ◎○▲△× ◎○▲△× ◎○▲△× ◎○▲△×

メイショウサムソンが武豊騎手とコンビを組むということで、ふと、思い付きました。20世紀末、フロリースカップ系の日本ダービー(現JpnI)馬にして古馬王者となったスペシャルウィーク(1995.5.2)に騎乗されていたのも、武豊騎手でしたね。

そんな武豊騎手が騎乗された(あるいは騎乗される)、近年の「フロリースカップ系のダービー馬にして天皇賞・春の勝ち馬」の名前が2頭出ましたので、日本中央競馬史上、「ダービー馬でなおかつ天皇賞・春を制した馬」を確認してみました。年代の古い順に列挙すると、

  1. スゲヌマ(1935.4.7)
  2. タケホープ(1970.3.24)
  3. カツラノハイセイコ(1976.5.13)
  4. シンボリルドルフ(1981.3.13)
  5. スペシャルウィーク(1995.5.2)
  6. ディープインパクト(2002.3.25)
  7. メイショウサムソン(2003.3.7)

と7頭のみ。第7代日本ダービー馬スゲヌマが勝った当時は「帝室御賞典・春」でした。7頭の名前を見ると、太字にした3頭がフロリースカップ系の分枝系馬です。フロリースカップ系の分枝系馬で最初に「ダービー馬にして天皇賞・春勝ち馬」となったカツラノハイセイコは、中島御大の配合馬として知られていますね。

ついで、これからメイショウサムソンが挑む天皇賞・秋(GI)についても確認しておきましょう。日本中央競馬史上、「ダービー馬でなおかつ天皇賞・秋を制した馬」を年代の古い順に列挙すると、

  1. ヒサトモ(1934.4.23)
  2. シンザン(1961.4.2)
  3. ミスターシービー(1980.4.7)
  4. スペシャルウィーク(1995.5.2)

と4頭のみ。春・秋合わせて、延べ11頭のダービー馬にして天皇賞馬。天皇賞は1980年までは勝ち抜け制度があった為、もちろん単純な比較はできません。けれど、ただ1頭だけ春、秋ともに名前が出てきたのが、スペシャルウィークでした。

スペシャルウィーク。ダテに「近年最強世代」の看板を背負って現年齢表記3歳、4歳と兵たちと戦っていた訳ではありません。2着のボールドエンペラー(1995.4.28)を5馬身突き放して武豊騎手にダービージョッキーの称号をプレゼントした日本ダービー、3分15秒3の当時史上2位のタイムでステイヤーとしての資質も示して自身満4歳の誕生日を祝った天皇賞・春、1分58秒0のレコードタイムで駆けてその豊かなスピードも示した天皇賞・秋、そして府中芝2400mの舞台で武豊騎手に再び初勝利をプレゼントしたジャパンカップ(GI)。戦歴を振り返ると、改めて、彼が真の名馬であったことが伺えます。

スペシャルウィークについては、中島理論的にはその父サンデーサイレンス(1986.3.25)が満8歳時の0交配ということも能力のバックボーンとしてあったと思います。けれど、3歳から4歳と齢を重ねて成長し続けたところは、牝系による「後押し」があったのでしょう。土着牝系の底力を侮ること、絶対に出来ません。明治の時代から脈々と続く、日本の気候風土にマッチした、小岩井農場の名牝系であるフロリースカップ系。日本の生産者さんたちは、未来につなげられるこの牝系を、もっともっと誇りに思われて良いはずです。

果たして、メイショウサムソンはフロリースカップ系の先輩であるスペシャルウィークに続けるのでしょうか。4歳春の時点でGIレース3勝は相当な名馬であることの証明と思います。ぜひとも、続いてほしいものです。楽しみにしています。

ではでは、今日はこの辺で。長文乱文にお付き合い頂きまして、ありがとうございました。

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